GLSカンファレンスビデオ無料配信中

先日レポートでご紹介した、GLSカンファレンスのビデオがこちらのWebサイトで公開されていて、無料で視聴できます。当日3部屋あったうちの一部屋で行なわれたセッションが収録されていました。ヘンリー・ジェンキンスと、ジェームス・ジーのゲームカルチャーのセッション、MMOG世界経済の研究で有名なエド・カストロノバ、Rules of Playの著者エリック・ジマーマン、Thief1, 2のゲームデザイナーとして知られるダグ・チャーチ、教育ゲーム研究プロジェクト、エデュケーションアーケードの中心メンバーであるカート・スクワイアらによるセッションの模様をご覧いただけます。

シリアスゲーム関連イベント最新情報

シリアスゲーム関連イベントがいくつか追加されてますのでご紹介します。
CEDEC (CESA Developers Conference)IGDAアカデミックセッション
2005年8月29日(月)(CEDECは29〜31日開催)
at 明治学院大学(東京都港区白金台)
講演「シリアスゲーム研究・開発の最新動向」(10:00-11:30)(講師:藤本)
パネル「ゲーム業界にとってのシリアスゲームの可能性と課題」(12:30-14:00)
パネリスト:(五十音順、※一名追加されました)
小野雄次郎氏 ナムコ (インキュベーションセンターBE機器グループ開発チームリーダー)
柴田賀盆氏 フリー (「私の夢&銀行」ゲームデザイナー)
鈴木政幸氏 サクセス (「吉野家ゲーム」プロデューサー)、他調整中
モデレーター: 藤本徹(シリアスゲームジャパンコーディネーター)
http://cedec.cesa.or.jp/
シリアスゲームショーケース (各種シリアスゲームのデモンストレーションイベント)
at デイナセンター, ロンドンサイエンスミュージアム
2005年8月30日
Games for Health
at メリーランド大学スクールオブメディシン(メリーランド州)
2005年9月22日、23日
http://www.gamesforhealth.org/
フューチャープレイ
at ミシガン州立大学
2005年10月13日−15日
http://www.futureplay.org/
トレーニング・フォール カンファレンス&エキスポ (オンライン教育・eラーニング系のカンファレンス)
at ロングビーチカンファレンスセンター(カリフォルニア州)
2005年10月17日−19日
www.vnulearning.com
シリアスゲームサミットDC 2005
at ワシントンDC
2005年10月31日、11月1日
http://www.seriousgamessummit.com/

歴史学習のためのシミュレーションゲーム

歴史学習のためのシミュレーションゲーム「メイキング・ヒストリー」がまもなく正式リリースされます。
このゲームは、第二次大戦中のヨーロッパの政治経済状況をシミュレートして、プレイヤーは各国の宰相として意思決定を行なうというものです。学校の授業で利用しやすいように、教員ガイドが提供され、ゲームバランスの調整やルール設定などを簡単な操作で行なえるようにデザインされているのが特徴です。第二弾はアメリカ独立戦争のシナリオで、その後も他のシナリオが提供されるようです。開発ツールも同時にリリースされて、それを使って独自のシナリオ作成や細かいデータ調整もできるようです。歴史を学ぶのにシミュレーションゲームが有効だということはずっと言われてきていますが、授業で利用するにはいろいろと困難が伴うというのが課題でした。このゲームは授業での利用を前提に開発されて、そうした困難を可能な限り解消した仕様になっているようです。
市販タイトルの方では、年末発売予定の「シビライゼーション4」が開発ツールを従来からこの手のゲームで提供されていたマップエディタだけでなくて、XMLでのデータ作成と、パイソンでのスクリプト作成が可能な形で提供されるというのが話題になってます。シミュレーションゲームでMOD作成が自由にできるのはこれまでになかったのですが、UnrealやHalf-lifeでMOD作成が盛んになったような流れが今後このゲームについても起こることが期待されています。

CEDECでのシリアスゲームセッション

先日のエントリーでお知らせしましたCEDECのセッションについての追加情報です。お申込はCEDECサイトからオンラインで申込ができます。
どうぞ皆さんお誘い合わせの上ご参加ください。

CEDEC (CESA Developers Conference)IGDAアカデミックセッション
日時:2005年8月29日(月)(CEDECは29〜31日開催)
場所:明治学院大学(東京都港区白金台)
講演:「シリアスゲーム研究・開発の最新動向」(10:00-11:30)
講演者:藤本徹(シリアスゲームジャパンコーディネーター)
内容:
日本国内でも、エンターテイメント用途以外でのゲーム利用を意味する「シリアスゲーム」という言葉が徐々に普及し始めてきているが、欧米においては、多数の研究者、開発者、資金提供者らの参入に後押しされて、研究も開発も着々と進んでいる。これから日本のシリアスゲームを確立し、プロジェクトを成功させていく上で、すでに総論から各論段階に入りつつある欧米の研究・開発動向を先行事例として把握しておくことが有効であることは間違いない。
本セッションでは、シリアスゲームの基本的な考え方と枠組を整理し、これまでにどのような研究や開発が行なわれてきているのかを紹介する。欧米において展開されている、最新のシリアスゲーム研究・開発事例についての考察、ゲームがもたらす学習効果について教育工学的観点からの解説などを行なう。
パネル「ゲーム業界にとってのシリアスゲームの可能性と課題」(12:30-14:00)
パネリスト:
柴田賀盆氏 フリー(「私の夢&銀行」ゲームデザイナー)
鈴木政幸氏 サクセス(「吉野家ゲーム」プロデューサー)、他調整中
モデレーター:
藤本徹(シリアスゲームジャパンコーディネーター)
内容:
欧米で研究と実践が進むシリアスゲームは、日本でどのような形で展開されるのか。日本のゲーム業界にシリアスゲームが新たな可能性をもたらすとすれば、それはどのようなものか。シリアスゲームと呼ばれる前から、日本のゲーム会社各社ではすでにさまざまなシリアスゲーム的取り組みを行なってきており、それら各社の取り組みをシリアスゲームとして捉え直すと、これまではあまり注目されなかった側面からその価値が浮き彫りになってくる。
本パネルセッションでは、シリアスゲーム的な要素を含むゲーム開発プロジェクトを手がけたゲーム会社各社のパネリストとともに、ゲーム業界にとってシリアスゲームがどのような意義を持ち、新たな機会をもたらすか、そしてこれから考慮すべき課題は何かを議論する。

教育システム情報学会にて発表

 なお、CEDECのシリアスゲームセッションの3日前の8/26に、教育システム情報学会全国大会にて、藤本がここしばらく続けてきたMMOG研究の成果を発表します。
日時:2005年8月26日(金)9:30-11:30のeラーニングセッション
場所:金沢学院大学
タイトル:オンラインゲーム世界における学習コミュニティ: eラーニング環境デザインへの示唆
発表者:藤本 徹(ペンシルバニア州立大学インストラクショナルシステムズプログラム博士課程)
概要: 多人数参加型オンラインゲーム(MMOG)の世界では,オンライン教育とは異なる形で自発的な学習コミュニティが形成されている.本研究では,エスノグラフィーの手法を用いてMMOGとそのプレイヤーを調査し,プレイヤー間でどのような交流が行われ,ゲームデザインや課題設定がその活動にどのような影響を与えているかを考察した.

GLSカンファレンスレポート

 ゲームと学習、社会の関わりをテーマにした学術会議、GLS(Game+Learning+Society)カンファレンスが、ウィスコンシン州の州都マディソン、モノナテラスカンファレンスセンターにおいて2005年6月23、24日の二日間にわたり開催された。
 セッションはシンポジウム、プレゼンテーション、ワークショップの形式で計32セッション実施された。各セッションには「大学や高校の教室でのゲーム活用事例」「ユーザーが主導する変化」「教育とゲーム、教育におけるゲーム」「ゲームデザインイノベーション」「ゲームと学習とアイデンティティ」「ゲームと認知の理論」「ゲームの効果」といったテーマが設定され、そのテーマへの理解を深める内容の発表がそれぞれ行われた。ポスターセッション会場では、20の研究、開発事例が実際に体験できるデモとともに展示発表された。

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シリアスゲーム関連イベント

今年開催されるシリアスゲーム関連のイベントをご紹介します。
GLS(Game+Learning+Society)カンファレンス
at ウィスコンシン州マディソン
2005年6月23日、24日
http://www.glsconference.org/
CEDEC (CESA Developers Conference)IGDAアカデミックセッション
2005年8月29日(月)(CEDECは29〜31日開催)
at 明治学院大学(東京都港区白金台)
講演「シリアスゲーム研究・開発の最新動向」(10:00-11:30)(代表者藤本による講演)
パネル「ゲーム業界にとってのシリアスゲームの可能性と課題」(12:30-14:00)(ゲーム開発者の方々をお招きしてのパネルセッション)
※詳細は後日お知らせします。
Games for Health
at メリーランド大学スクールオブメディシン(メリーランド州)
2005年9月22日、23日
http://www.gamesforhealth.org/
フューチャープレイ
at ミシガン州立大学
2005年10月13日−15日
http://www.futureplay.org/
シリアスゲームサミットDC 2005
at ワシントンDC
2005年10月31日、11月1日
http://www.seriousgamessummit.com/

シリアスゲームサミットGDC2005 (8)

ジムとゲームで遊ぼう: COTSゲームに含まれる重要な学習の実演
Dr. James Paul Gee
ジェームズ・ジー博士はウィスコンシン大学の教授で、これまでに言語学、心理学、教育学などの分野で優れた研究成果をあげてきた。彼の近著「What Video Games Have to Teach Us About Learning and Literacy (2003)」では、ビデオゲームによってどのような学習や新たなリテラシー習得が起こっているかを語っている。このセッションでは、ジー教授が市販ゲームを実演しながら、ゲームの過程でどのような学びが起こっているかを解説した。以下、プレゼンテーション要旨。

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シリアスゲームサミットGDC2005 (7)

オンラインゲーム世界とシリアスゲーム
Dr. Edward Castronova
インディアナ大学のエドワード・カストロノバ準教授は、オンラインゲーム世界の経済活動研究の第一人者の一人である。このセッションでカストロノバ博士は、オンラインゲーム世界におけるプレイヤーの活動とシリアスゲームの接点について語った。以下、プレゼンテーション要旨。
オンラインゲームの世界は、リアルでは普通の人が素晴らしい身体を持った状態である。
リアルとバーチャルの違い:オンラインゲーム世界ではリアルな経済活動が行なわれている。eBayなどのオークションサイトではオンラインゲームのアイテムが売買されており、為替の売買のようなリアルな経済の実態となんら変わりはない。

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シリアスゲーム記事(馬場教授インタビュー)

ITmediaにて、東京大学の馬場先生のシリアスゲームについてのインタビューが掲載されてますのでご紹介します。
東京大学大学院情報学環教授 馬場章氏インタビュー 前編 (ITmedia)
ボクらは「桃鉄」で日本地理を、「信長の野望」や「三国志」で歴史を学んだ
http://www.itmedia.co.jp/games/articles/0505/31/news003.html
東京大学大学院情報学環教授 馬場章氏インタビュー 後編
ゲーム脳、言われているのは日本だけ
http://www.itmedia.co.jp/games/articles/0506/01/news033.html