シリアスゲームサミットGDC2005 (7)

オンラインゲーム世界とシリアスゲーム
Dr. Edward Castronova
インディアナ大学のエドワード・カストロノバ準教授は、オンラインゲーム世界の経済活動研究の第一人者の一人である。このセッションでカストロノバ博士は、オンラインゲーム世界におけるプレイヤーの活動とシリアスゲームの接点について語った。以下、プレゼンテーション要旨。
オンラインゲームの世界は、リアルでは普通の人が素晴らしい身体を持った状態である。
リアルとバーチャルの違い:オンラインゲーム世界ではリアルな経済活動が行なわれている。eBayなどのオークションサイトではオンラインゲームのアイテムが売買されており、為替の売買のようなリアルな経済の実態となんら変わりはない。


社会が価値を定義するのであり、ゲーム世界の中に経済市場がある
バーチャル経済よりも信頼性の低い市場があるし、少なくともゲームプレイヤーは本気でゲーム内で経済活動に参加しているのであって、オンラインゲームの市場は彼らにとってはリアルである。
24時間稼動のゲーム世界で、数十万人いるプレイヤーが一日40セント使っただけでも膨大な経済規模になる。
ゲーム外でのアイテム売買:年間100万ドルとされるが、年間887万ドルとも言われる
ゲーム内でのアイテム売買:ゲーム外の二十倍の取引規模(20億ドル超)
性的な関係: 環境はリアルとは異質だが、関係そのものはリアルである
アバターを介したコミュニケーションの何が人をひきつけるのか?
安く、より多くのコミュニケーションができる上、社会的な不名誉を被らなくてすむ。自分自身についてをより理解できる
人工的な世界への参加:
全米人口の60パーセントがビデオゲームをプレイしている:1億4500万人でうち43パーセントが女性、平均年齢28歳(2001年は1億人)
スパイダーマン2の初日の映画興行収入114百万ドル
ヘイロー2の初日売上:125 百万ドル(メディアの初日売上で最高)
ワールドオブウォークラフトの2004年11月23日の一日の売上:24万本(一日のPCゲームの売上記録)
プレイヤーの2割以上がゲーム世界の住人であると自認していて、その18歳以上が大半で、そのうち3分の一以上が仕事よりもゲームに多くの時間を費やしている
ビデオゲームはもはや子どもだけのものではない
年間一人当たり$2000ドル規模の経済生産が起きている
バーチャル社会の法的な問題
– 財産
– 義務
– 差別
– 権利
– 害悪
アバターに媒介された社会
– 他の社会に影響する
– 学習機会である
– 活動パターンを発見できる
– 他の社会を拒絶する方法を提供する
 混乱、教育、革新、逃げ場所を提供する。
バーチャル世界経済には馴染まない活動: 睡眠やトイレ関連
オープンソースコミュニティ: 作り出すことは容易ではない
バーチャル世界は、社会を再構成するための実験である: 何が人々を幸せにするか?
希少性はリアル経済における主要な問題であるが、バーチャル世界においてはむしろ楽しみの一要素であって、リアル経済での捉えられ方とは全く異なる
関連情報:
http://mypage.iu.edu/~castro
http://www.ssrn.com/

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