ジムとゲームで遊ぼう: COTSゲームに含まれる重要な学習の実演
Dr. James Paul Gee
ジェームズ・ジー博士はウィスコンシン大学の教授で、これまでに言語学、心理学、教育学などの分野で優れた研究成果をあげてきた。彼の近著「What Video Games Have to Teach Us About Learning and Literacy (2003)」では、ビデオゲームによってどのような学習や新たなリテラシー習得が起こっているかを語っている。このセッションでは、ジー教授が市販ゲームを実演しながら、ゲームの過程でどのような学びが起こっているかを解説した。以下、プレゼンテーション要旨。
ケース1: 忍者外伝(XBOX)
・シナリオを提供して、プレイヤーに忍者になって刀を持って戦うコンテクストを与える
・比較的で簡単な練習の機会を与え、操作方法を学ばせる=教育学で言うところのマスタリーラーニング(完全習得学習)のよい例
・プレイヤーが何者であるかを明確に指示を与える
・プレイヤーはあれこれ試して、制約やルール、何のゲームなのかを把握しようとする
=ジャンルを理解しようとするのは学習上重要な探索行為
・アイテムの花:適切なタイミングで情報を送る−−何が次に起こるかを理解するための認知支援
・練習−>スキルの自動化(Automaticity)獲得
・敵キャラ=最初は弱くてだんだん手強くなる
・各ステージで、それぞれ一連のトレーニングカリキュラムを提供している
・継続的に練習機会を与える
・失敗は成功のための経験として生きる
・目的達成失敗は、そのためのスキルが身についていないということ
・何かよいものを手に入れ、試練に直面し、新しいスキルを身につける−必要なスキルを身につけて敵ボスキャラを倒し、ミッションを達成して、スキルをマスターする
・この忍者キャラの持つスキルを使うためには、プレイヤーがそれを使いこなせるようになるためのゲームスキルを身につけないといけない。またその新しいスキルによって、次の新たな戦略を考えられるようになる
ケース2: フルスペクトラムウォーリア(XBOX)
・味方キャラに指示を出す
・学校教育は実践の前に自信を与えようとするが、ゲームは実践を通して自信を与える
・アバターはスキル習得には有効なツールであり、ゲームはそれをうまく使っている
ケース3: アニマルクロッシング(動物の森)(ゲームキューブ)
・教育とは、何かの役割を担うことを学ばせること
・学校で物理を学んでも、テストに通る方法を学ぶだけで、物理学者がどのように考えるかを学ぶことはできない
・ゲームはエキスパートがどのように考え、振舞うかを学ぶことができる。その意味で、ゲームの中の学習は学校での学習よりもよいところがあるのでは?
リテラシー:
いろんなゲームをプレイすることで、人はさまざまな視点を身につけることができる
たとえば、ワールドオブウォークラフトはシステムについて考えるのによい