11月11日に立命館大学衣笠キャンパスにて開催される「日本シミュレーション&ゲーミング学会2006年度秋期大会記念シンポジウム」に、シリアスゲームジャパン代表の藤本徹が参加し、「海外におけるシリアスゲームの最先端:エンタテインメント・ゲームの可能性はどこにあるか」と題した報告を行ないます。
以下、日本デジタルゲーム学会ニューズレターより転載
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日本シミュレーション&ゲーミング学会
2006年度秋期大会記念シンポジウム
立命館大学「映像学部」開設準備企画
テーマ「“ゲーム”は本当に教育に役立つか
−海外の先端事例をめぐって」
日本デジタルゲーム学会は、2006年11月11日に開催されま
す日本シミュレーション&ゲーミング学会2006年度秋期大会記念シン
ポジウムの後援を務めます。皆様の奮ってのご参加をお待ちしており
ます。
日時:2006年11月11日(土)午前10時-12時00分
場所:立命館大学衣笠キャンパス(京都市北区)以学館1号
主催:日本シミュレーション&ゲーミング学会
立命館大学映像学部設置委員会
共催:立命館大学ゲームアーカイブ・プロジェクト
後援:日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)
国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)
趣旨:
日本シミュレーション&ゲーミング学会(JASAG)は、全国のシミ
ュレーション&ゲーミングの研究者、実務家、教育実践家などで構成
され、その学際的手法と科学技術の飛躍的発展を図ることを目的とし
ています。今年度の秋期全国大会は立命館大学で開催する運びになり、
理事会と実行委員会における議論を通じて、大会テーマを「学校教育
におけるシミュレーション&ゲーミングを通じた学習」として実施す
ることになりました。
また、立命館大学は、来年4月に、映画やゲームをはじめとする
「映像」を、アート(映像制作・理論テクノロジー(映像関連技術)、
ビジネス(映像コンテンツ)の分野を横断して総合的に学ぶ「映像学
部」を開設します。映像学部では、ゲーム分野の研究教育を充実させ
ていく予定であり、近年のデジタルゲームの高度な発展から展望され
る、エンタテインメント以外の分野に対する様々な社会的応用可能性
についても重要な研究テーマの一つになると考えています。
このテーマに関しては、JASAGや映像学部以外においても、国内の
諸学会が重要なテーマとして注目しており、多くの研究成果や実践事
例が蓄積されています。また、世界的に見ても活発な研究と実践が行
われており、共通の学術用語や概念フレームワークづくりへの模索が
活性化してきました。近年では、「シリアスゲーム」というキーワー
ドを用いて、グローバルに発達したデジタルゲーム産業の側からも、
蓄積されたゲーミングやシミュレーションのノウハウの社会的応用に
ついて研究や問題提起がなされるようになっています。
本シンポジウムでは、まずこのような国外の動向や先進事例につい
て、シリアスゲームと学習科学の専門家から2つの基調報告を受け、
産業として発展してきたエンタテインメント・ゲームのもつ教育的可
能性、学習活動におけるコンピュータゲームの本質的な活用というテ
ーマに対して、国内での理論と実践を対比させつつ、討論者とのディ
スカッションを進めていきたいと考えています。
構成:
1)登壇者:
藤本 徹氏
(ペンシルバニア州立大学大学院)
稲葉 光行氏
(カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員、立命館大学)
市川 新氏
(日本シミュレーション&ゲーミング学会会長、流通経済大学)
三橋秋彦氏
(日本シミュレーション&ゲーミング学会理事、
墨田区立竪川中学校)
2)モデレータ
細井浩一
(日本シミュレーション&ゲーミング学会理事、
日本デジタルゲーム学会副会長、
立命館大学映像学部設置委員会事務局長)
3)スケジューリング
10:00-10:40
報告「海外におけるシリアスゲームの最先端:
エンタテインメント・ゲームの可能性はどこにあるか」
報告者:藤本 徹氏
10:40-11:20
報告「コンピュータゲームを媒介とした協調学習活動の可能性:
米国における第5次元プロジェクトの取り組み」
報告者:稲葉 光行氏
11:20-11:30
報告へのコメント(1)
市川 新氏
11:30-11:40
報告へのコメント(2)
三橋 秋彦氏
11:40-12:00
ディスカッションおよび会場との質疑応答
Cory Ondrejka氏の講演とインタビュー記事
五線譜がわからないと作曲ってむずかしそうですよね?
楽譜が読めないからといって音楽が楽しめないなんてことはありません。歌を歌ったり、好きな曲を集めたり。音楽教育の外側で自分の好きな音楽の形をみつけ、大好きになってしまった人たちはたくさんいます。楽譜は読めないけど、作曲に興味があるというひとはたくさんいるのではないでしょうか。
この記事で紹介する「ハイパースコア」は絵を描くように、自由に曲線を引くことで作曲ができるソフトです。
HyperScore(ハイパースコア)はMITが開発した音楽作成ソフトウェアです。30〜60秒までの長さの曲が作れる基本モデルが無償で公開されています。
ハイパースコアでの作曲は、「モチーフ」と呼ばれる、メロディーやリズムからなるブロックを組み合わせることによって行われます。それぞれのモチーフに横に波打ちながら流れるように「絵の具」をのせることで画面にリズムと音階を描いていきます。モチーフを組み合わせ、ハーモニーレベルを操作すること で、作曲中に生じた耳障りな音やコード を、ソフトウェアが聞きやすいように調整してくれます。
ハイパースコアはシリアスゲームではないのですが、よくデザインされた音楽教育ソフトであると同時に、おもちゃのようなソフトでもあります。ダウンロードして使ってみたのですが、フリーハンドで引いた線によってできたメロディーを聴いたり、自分の作ったモチーフを組み合せて色々と変化をさせるのは楽しかったです。
基本的な仕組みを残して、「DSお料理ナビ」のようにみせ方を工夫したもの開発すれば、遊びながら学べる音楽ソフトとしてけっこういい線いくんじゃないでしょうか?
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>>>以下引用
http://web.media.mit.edu/~toshi/ts/musictoysscore.htm より
HyperScoreによって子供たちは直感的でダイナミックな方法で自由に作曲することを知り、感じたままにフリーハンドで「線」を描くだけで、流れのある楽曲を創作することができます。子供たちは、コード、メロディーの主題、音色や音(これらはそれぞれ色分けされています)の形で、個々の音楽の素材を創作するか、または選択して、音楽の「線」に作曲ができるのです。
結局、HyperScoreのシステムは、特定の音楽の素材を、音楽の「線」によって表される全体的な音楽形式に統合して、作曲全体を自動的に実現するのです。グラフィカルな音楽ブロック、モチーフ、そして完成した作品はプログラムの形式でオンラインで交換し合うことができ、まもなく世界中の子供たちや教育者たちがインターネットを通してダウンロードできるようになるでしょう。
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記事(hotwired)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20060202201.html
公式サイト
http://www.hyperscore.com/
ダウンロード
http://www.h-lounge.com/hyperscore/download.php
米国の政府部門へのシリアスゲーム導入
Teaching with Gamesレポート
英国の学校教育における市販ゲーム利用に関する調査研究プロジェクト「Teaching with Games」の研究報告書が発表されました。
この研究は、エレクトリックアーツ(EA)、マイクロソフト、テイク・ツー、Interactive Software Federation of Europe (ISFE)などの支援により、英国の非営利研究機関、フューチャーラボが実施しました。(1)英国内の小中学校の教師924名と、2334人の生徒に行なったゲームに対する意識についてのアンケートとインタビューによる調査、(2)10人の教師に3種類のゲーム(ローラーコースタータイクーン3、シムズ2、ナイト・オブ・オーナー)を利用した授業を実施してもらい、その過程を調査するケーススタディ研究、の二部構成で行なわれた、かなり大規模なプロジェクトです。
アンケート調査からは、59%の教師が、市販ゲームを授業で利用することに関心があると答え、62%の生徒が、学校でゲームを利用したいと答えています。また、70%の教師がゲームをプレイしたことがなく、86%の生徒が二週間のうちに一度はゲームをプレイしていると答えており、世代間ギャップの存在が明確に示されています。その他、実際にゲームを利用した授業をデザインして実施した教師の反応など、詳しいデータが報告書にまとめられています。
以下、いずれも英語:
Teaching with Gamesプロジェクト報告書http://www.futurelab.org.uk/research/teachingwithgames/findings.htm
BBCニュースの記事
http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/5398230.stm
Serious Games Sourceの記事
http://seriousgamessource.com/item.php?story=11088
Games for Health 2006
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200609180018a.nwc
米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、災害対策の予算不足に悩む米国の自治体が、ゲームでハリケーンなどの自然災害やテロなど有事の対応を訓練することになったと報じた。
このゲームは、「インシデント・コマンダー」。自然災害の発生、テロリストによる攻撃、人質事件、有害物質の流出事故などを疑似的に体験し、政府の指針の枠内で予算を組み、住民への物資補給、通信線確保などの緊急対応のノウハウを学べる。
財政難で実際に訓練を実施する余裕がない中小の自治体向けにゲーム開発を行う。
ゲーム会社が政府機関などから要請を受けて開発するスタイルで、一括購入されるため、普通のゲームのように売れ行きに業績が左右される心配もなく、安定した収益が期待できる。ゲーム産業における新しいビジネスモデルとして期待されるとの声もある。
日本での政府系事例はまだ少ないが、政府系以外にもビジネスとして利益のでる仕組みができれば、インターネットやモバイルの普及などに合わせ、シリアスゲーム開発のニーズが増えてくると思われる。
関連サイト
アメリカのゲーム開発大手BreakAway社
http://www.breakawayltd.com/
3D描写によるリアルタイムガンシューティングタイプのアクションゲーム
http://www.americasarmy.com/
株式売買シミュレーションゲーム
空港のセキュリティ問題を題材にしたゲーム
ロンドンで起きたテロ未遂事件以降の、空港のセキュリティ強化の問題を題材としたゲーム「エアポートセキュリティ」がリリースされました。
このゲームは、空港のセキュリティチェックで持ち込み禁止の品物を見つけて回収する作業がゲーム化されたシンプルなアクションゲームです。ズボンやシャツを脱がせたり、禁止物がころころ変わったりするなど、セキュリティ対応の問題をパロディ的に描写しながら議論を呼ぶ形で表現されています。
このゲームをデザインしたイアン・ボゴスト博士は、ジョージア工科大の助教授としてゲーム研究を行ないながら、自身のゲームスタジオ、Persuasive Gamesでゲームデザイナーとしても活動しており、シリアスゲームサミットのアドバイザリーボードの一員でもあります。
こうした世の中で起きている社会問題を描写して世の中の関心を喚起しようとするゲームは、Wataercoolergamesでボゴスト博士と共に活動しているゴンザロ・フラスカ氏が「ニュースゲーム」と名づけており、このゲームもこのジャンルに位置づけられています。「ニュースゲーム」には、フラスカ氏の「September 12」や、「ジダン頭突きゲーム」、「メルギブソンの飲酒運転ゲーム」などがその例として挙げられています。
ボゴスト博士は、このゲームの紹介記事で、ニュースゲームは、ニュースとしての速報性とゲームの作りこみにかかる時間のバランスをどう取るかが課題となると解説しています。
People
シリアスゲームジャパンは、代表の藤本徹(Toru Fujimoto)が運営しています(2012年7月現在)。
お問い合わせ:
シリアスゲームジャパンへのお問い合わせは、下記事務局メールアドレス宛にお願いいたします。
info seriousgames.jp
制作協力: anno lab
シリアスゲームジャパン・コントリビューターチーム発足
先日より募集しておりました、Web更新スタッフの件、4名の皆さんにご協力いたいて、シリアスゲームジャパンのコントリビューターチームとして活動していただくことになりました。
今週よりすでに新体制にて活動を開始しております。
ご参加いただいている方は次の皆さんです。(順不同)
本業でお忙しい中を協力を申し出ていただいて感謝しております。よろしくお願いいたします。
別府文隆さん(南カリフォルニア大学客員研究員)
菊地英文さん(デジタルハリウッド)
勝木真帆さん(青山学院大学4年)
前川英之さん
(9/26: 追記)
先週より新たに、榊原邦雄さん(フューチャースピリッツ)もチームに加わっていただきました。
よろしくお願いいたします。
(10/14: 追記)
新たに、松下慶太さん(フィンランド タンペレ大学客員研究員)もチームに加わっていただきました。
よろしくお願いいたします。
日本シミュレーション&ゲーミング学会2006年秋季大会開催
FOOD FORCEの日本語版を開発したコナミが、
株式売買シミュレーションゲームの発売を発表しました。
コナミ NewsRelease
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コナミはマネックス証券の全面協力を得て、株価売買のシミュレーションや銘柄検索などを手軽に体験することができる『株式売買トレーナー カブトレ!』(ニンテンドーDS向けソフト)を12月14日に発売することを発表。
株式売買に関する基礎知識や取引を行うためのノウハウを習得できる。
最大の特徴はタッチペンで書いた曲線に近いチャートの企業を自動的に検索するスクリーニング機能。
収録されているデータは過去5年間の東証1部銘柄、東証マザーズ銘柄の株価データ、会社四季報(東洋経済新聞社)、株式ニュース(ドリームバイザー・ドットコム)の実データで、実際の投資分析にも役立つ内容です。
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かなり本格的な内容のようです。
昨今の脳トレ系とは違った、本格的シリアスゲームですね。