サイバー勉強会参加メンバー募集!!

読者の皆様
私どもSGJコントリビューターチームでは、6月第1週より
「シリアスゲーム研究のためのナレッジベースの整備」活動の
一環として、有志による勉強会という位置づけで
英語文献輪読会第一弾を開始します。
第一弾として採用した文献は以下です。
Jesper Juul著
half-real
– Video Games between Real Rules and Fictional Worlds –
ゲーム研究の基本文献として定評のある書籍です。
シリアスゲームや広くゲーム研究に関心のある人同士で、
ゲームをより深く理解するための知識のベースを作るための
機会とすることを目的としています。
つきましてはご興味のある方の参加を募集しております。

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Gpara.comより “二匹目のどじょう”は何匹いた?『脳トレ』系ソフトの現実

Gpara.com
 “二匹目のどじょう”は何匹いた?『脳トレ』系ソフトの現実
http://www.gpara.com/ranking/mediacreatebn/20070523brain.php

ゲーム情報ポータルサイトのGpara.comにて、NDSでこれまで発売された脳トレ系ジャンルのソフトとその販売本数をまとめた記事が掲載されている。
その数95タイトル。
ミリオンを超えているのは、内5タイトル。以下、約90タイトルのほとんどが10万本以下。なかには1万本にも届かないものもある。
ターゲットの違いとブランド力に差が出た、という見方が示されており、結局のところ、“二匹目のどじょう”はいなかったと記事では結論されている。
軽い気持ちで「ちょっとやってみっか」と、自らこれらのジャンルのソフトを購入する層は大人であるとして、子どもをターゲットとしたソフトは、軒並み販売本数を落としている。
サードパーティはこぞって開拓地に殺到し、急速に一大ジャンルへ発達したこれらの市場も、そのほとんどはまだまだチョコレートに包まれたブロッコリーから脱却できてない証拠なのか、とも感じた。
また記事の中で、
『漢検』系ソフトの2タイトルが合わせて100万本に近づいているのに比べて、
『TOEIC(R) TEST DSトレーニング」は約4万本と、
実際の受験者数が漢検200万人、TOEIC(R)150万人という実情を踏まえると、ゲームソフトの方では歴然たる差が確認できる事象が紹介されており、興味深い。

Games for Helath 2006レポートその4

がシナジー社のウェブサイトに掲載されました。

2型糖尿病予防のための3Dゲーム開発中
〜Escape from Diab〜

まだ開発中ですが、行動科学の理論を使って比較的きっちり
作りこんでいる印象のゲームです。You TubeでTrailerが視聴できます。

以下の開発元のウェブでも視聴できます(下の方のTrailerから)。
http://www.escapefromdiab.com/
完成が楽しみです。
HIV/AIDSのような性行為感染症と並んで、日々の食生活が予防や管理の重要な
要素となってくる2型糖尿病は、教育介入による効果を得ることが難しい反面、
ゲームのような新しい環境、新しいツールを用いて理論ベースで研究を進めるには
非常に適した領域です。
3Dゲーム開発技術の成熟、社会的ニーズ(公的機関の研究予算措置)、
理論ベースなシリアスゲーム開発の成熟、色んなタイミングが詰まった作品になりそうです。

world without oil 続編

一週間ほど前に紹介させていただいたWorld Without Oilの続編です。
現在Week14まで進んでおり、アメリカが(本当は全世界なのですが)大変なことになっています。石油不足から流通システムがストップし、停電が頻発し、人々は都市から避難し始め、タイミングが悪いことにハリケーンが南部を襲ったようです。こちら や こちら の方が毎日書かれているので、流れをつかむのに参考になります。こちら のVideoも参考になります。
毎日、Week*として情報が追加されるのですが、その情報は、新しいニュースに加えて、参加者がブログORビデオOR音声でもたらした情報を取り上げる形になっています。このWWOの管理者は、情報をピックアップし、議論を促進するファシリテーターの役割を担っているようです。
これからも追って行きたいと思います。また、見ているだけではわからないこともあると思うので、参加してみたいと思います。

国内のシリアスゲーム事例

 国内のシリアスゲーム事例のなかで、ウェブで無料で提供されているものをいくつかご紹介します。
ライフシミュレーション人生劇場
 宮崎県の就職相談支援センター「ヤングJOBサポートみやざき」が提供しているゲーム型ウェブコンテンツです。ゲームは、分岐型のアドベンチャーゲームとクイズ、パズルゲームが組み合わさった形になっており、15歳から65歳までの人生におけるさまざまなイベントを経験し、キャリアの選択を行いながら、定年退職までの人生の過程を概観する内容になっています。
財務大臣になって予算を作ろう−予算作成ゲーム−
 財務省が提供しているゲーム型ウェブコンテンツです。予算の各項目を増減させて新年度予算を作成する過程に触れながら「プライマリーバランスを意識した予算編成の重要性」を啓蒙することを意図して作られているようです。なお、財務省はこのほかにも「ゴー!ゴー!ふぁいなんすタウン(音に注意)」という子ども向けの(脱力系)ゲームコンテンツを提供しています。
国際緊急援助 被害者を救え! 国際緊急援助隊医療チーム 派遣シミュレーションゲーム
 外務省系の財団法人、国際協力推進協会が提供するゲーム型ウェブコンテンツです。国際緊急援助隊の一員となって、被災国での援助活動の過程に触れながら、この活動の意義や役割、活動内容を理解することを目的に制作されているそうです。ストーリーベースのクイズ教材になっていて、活動に関わる基礎的なクイズに答え、その解説を読みながら進める構成になっています。
 これらの事例を評価する際には、先日ご紹介した最近の海外事例もあわせて見ていくと、ゲームのつくりや学習要素の扱い方などを考えていく上で参考になります。また、拙書「シリアスゲーム―教育・社会に役立つデジタルゲーム」では、「できの悪いゲーム・優れたゲームの特徴」を解説しています。

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石油のない世界をシミュレートするWorld Witout Oil

石油がなくなったらどうなるんだろう?このWorld Without Oil(WWO)というゲームはその疑問に答えてくれるかもしれません。
WWOのサイトでは毎日石油が枯渇してきた世界のニュースを発信します。そのニュースは、今国で起こっていることや、国による発表、それと参加者に対する質問からなりたっています。(質問は、たとえば、ガソリンが1ガロンあたり4ドル上がるとあなたの家計にどのような影響を与えますか?などです。)参加者はそのニュースを読み、ブログ、メール、画像、音声のいずれかの方法で情報を発信します。そして、ゲーム内での評価ランキングを競います。
このようなゲームは、代替現実ゲーム(the alternate reality game、略してARG)と呼ぶそうです。詳しい情報はここを参照してください。あるストーリーのもとで、ネットなどのメディアを用いて、多人数がコラボレーションする形で、実際に行動を起こすゲームのことのようです。WWOの場合には、ゲームで実際に皆の意見を集めることで一番良い解決策を見つけることが目的のようです。ざっくり言うと、石油の不足が個人の生活にどのような影響を与えるかをたくさん集めることで、大きな解決策を導こうとしているのではないかと思います。
Halo2のプロモーションに使われたARGと言われている、I Love Beesの開発者たちもこのWWOに参加しています。そのニュースはこちら。 開発者のGDCでのプレゼンスライドはここで見れます。 インタビューはこちらです。
学校において使うことも考えられていて、先生向けの教育ガイドが用意されています。正直なところ、これがゲームなのか、どうやって個々の投稿を価値のある情報に集約するのか(WIKI、BBSなどは用意されています)、など疑問は多々ありますが、要チェックではあるでしょう。
広野淳平

「シリアスゲーム」(藤本徹 著)書評書いてみました

正確には書評モドキですが。
最近読んだ別の本からの示唆もあったので、その本をモノサシ代わりに使わせてもらっています。
ヘルス・コミュニケーション日記
【書評】「シリアスゲーム」(藤本徹 著)&「ハイコンセプト」(ダニエル・ピンク著):次代が求めるものを見つめる二人
え?褒めすぎ?
根が素直なもので、良いものは褒めてしまうのでした^^。

ゲーム業界にかかわる人へ必読の50冊

50 Books For Everyone In the Game Industry
ゲームデザイナーのErnest Adams氏が、ゲーム業界にかかわる人のために必読の50冊を紹介されています。(少し古い記事ですが。)
以下のような質問に答える本がピックアップされています。
・ゲーム、ビデオゲームとは何か?
・ビデオゲームの歴史
・ゲームとそのほかのメディアとの関係
・どうやって、どうして、人はゲームをするのか。そして、どうやってそれをデザインし作るか
また、以下のように分類されています。
1. Theory
2. Design Practice
3. Writing
4. Graphic Design
5. Music / Audio
6. Online Community
7. The History of Games
8. Sociology
9. People, Projects, and Businesses
10. Other Media and Useful Disciplines
11. Deep Background
12. Inspirations
コツコツ読んでいるので、ここにあげられた本の書評もしていこうと思います。
広野

MuzzyLaneにハーバード歴史家が参加

Muzzy Lane, Harvard Historian Partner For Serious Games
歴史教育ゲームMaking Historyで有名なMuzzy Laneに、ハーバードの歴史学者Niall Fergusonがパートナーとして参加したとアナウンスがありました。
Niall Ferguson
ハーバード大学歴史研究家
2004年に、タイム誌が選ぶ世界に影響力のある100人に選ばれる。
著書に、The Price of America’s Empireなどがある。
Fergusonは、Muzzy Lane社と共同で新しいコンピューターストラテジーゲームを開発するそうです。題材に、国際テロやグローバル経済に対応しなければならない21世紀の国々を選び、プレイヤーは国を選んで参加する形をとっています。MuzzyLane社開発のSIGMAエンジンを使っており、プレイヤーやサードパーティの会社が新しいシナリオを追加することもできるようです。(MODですね。)
また、Fergusonはこうも言っています。
「ビデオゲームは文化的な現象であり、人々の考え方を変えるものである。Muzzy Lane社は、洗練されたゲームに、完全に新しいたぐいの歴史的知識を加えることができると確信している。」

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