CEDECにてシリアスゲームセッション開催

 9/26-28に東京大学にて開催されたCEDEC2007初日の26日、シリアスゲームジャパン代表の藤本による講演「シリアスゲームの新展開と国内外の最新動向」と、ラウンドテーブルセッション「ビジネスとしてのシリアスゲームの方向性と課題」が行われました。
 講演、ラウンドテーブルとも、シリアスゲームに関心の高い多くの参加者の皆さまにご参加いただいてとても盛況でした。ご来場下さった皆さま、この場を借りてお礼申し上げます。
セッションの模様はインプレスGAME Watch、ファミ通.comで紹介していただいています。
【CEDEC 2007現地レポート】シリアスゲームの国内外の動向と、ビジネスとしての課題(インプレスGAME Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20070926/seri.htm
シリアスゲームとニンテンドーDSの切っても切れない仲とは?CEDEC 2007(ファミ通.com)
http://www.famitsu.com/game/news/1210823_1124.html
 なお、同時開催のDiGRAカンファレンスでも、世界中から集まった研究者により、シリアスゲームに関する多数の研究発表、「テレビゲーム教育論」の著者のマーク・プレンスキー氏による基調講演も行われました。

食事と運動について学べるニンテンドーDSソフト「健康検定」

 日常生活の中での適度な運動、バランスの取れた食生活などの基礎知識を楽しく学び、生活習慣病予防の促進を目的としたニンテンド−DSソフト『健康検定』が11月15日にユードーより発売されます。
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 この「健康検定」では、健康的な食事量を把握するための知識や、適度な運動量を維持するための知識を身につけることができ、特定健診で測定が義務化された腹囲や体重などの健康データの記録と肥満度のチェックもできるそうです。収録されている「食事バランスガイド」は、国立健康・栄養研究所の吉池信男氏、「エクササイズガイド」は同研究所の田畑泉氏がそれぞれ監修しています。
 厚生労働省、農林水産省によってまとめられた「栄養・食育対策の推進」と「運動施策の推進」をもとにした生活習慣病予防に関する基礎知識を、検定、トレーニング問題として1400問収録されており、健康に関する知識の理解度をチェックできるように作られています。なお、書籍版、携帯版も同時に発売されるそうです。

ビジネスウィークで「ゲームのチカラ」特集

 ビジネスウィーク誌のウェブサイトで「The Power of Gaming」という特集記事が組まれています。
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BusinessWeek Special Report: The Power of Gaming
http://www.businessweek.com/innovate/di_special/20070813thepowerof.htm
 この特集は7本の記事で構成されており、ゲーム産業の市場規模が拡大(PwCの予測では2006年316億ドル→2011年418億ドル)し、テクノロジーも飛躍的に向上するなかで、社会的な用途で利用されるシリアスゲームが重要なキーファクターとなってきていることを論じています。マッキンゼー、IBM、ジョンソン&ジョンソン、フィリップスなどの社内研修用に利用されているシリアスゲームも紹介されています。また、大手ゲーム会社がシリアスゲーム市場に参入する例として、スクウェアエニックスと学研がSGラボを設立したことも紹介されています。

DiGRA 2007プログラムのお知らせ

 9月24日(月)から28日(金)にかけて開催される、デジタルゲームの国際学術会議「DiGRA 2007」のプログラム詳細がすでにDiGRAウェブサイトにて告知されています。
http://digra2007.digrajapan.org/program.html
 大会4日目の9月27日(木)は、「Serious Games Day」とタイトルがついており、シリアスゲーム関連の研究発表やシンポジウムが多数行われます。「テレビゲーム教育論」の著者、マーク・プレンスキー氏の基調講演も行われます。そのほかにも「ゲームと学習」をテーマとした発表や関連するゲーム研究の発表が数多く行われます。海外の発表者は英語で発表しますが、日本語への同時通訳セッションも多数あります。
 早期割引は8月24日までですので、お申込はお早めに。

大学教育へのDS導入

 大阪電気通信大学で、授業にニンテンドーDSを導入する取り組みを本格化すると報じられています。
英語や物理の授業でDS 試行で効果アリ 大阪電通大(asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0803/OSK200708020068.html
 同大学では、英語の授業に「英語漬け」を利用する取り組みを試行的に進めていたことは以前にも報じられていましたが、その効果がみられたことで今回他の科目へも拡大し、「1、2年生の必修科目のうち、英語、物理、力学などで全学生にDSを貸与する」のだそうです。さらに、同大学にはデジタルゲーム学科があり、ゲーム開発教育も行っていることから、授業で利用するためのソフトを同学科で独自に開発するとのこと。
 教育へのゲームメディアの導入+教育用ソフトの開発という動きは、ゲーム関連の学科やコースをもつ教育機関にとって、その特長やリソースを活かしやすい取り組みだと思います。うまくいって、他の教育機関にもさらに波及していくとよいですね。

Wiiとセカンドライフを利用した訓練シミュレーション

 WiredVisionで、Wiiリモコンとセカンドライフを組み合わせて、訓練シミュレーション環境を構築しようという研究が紹介されています。
『Wii』+『Second Life』で、訓練用シミュレーター(1)
http://wiredvision.jp/news/200707/2007073022.html
『Wii』+『Second Life』で、訓練用シミュレーター(2)
http://wiredvision.jp/news/200707/2007073121.html
 自由度の高いバーチャル環境と、人間の自然な動作に近い直感的な入力装置としてのWiiリモコンを組み合わせると、現在よりも一歩進んだ訓練シミュレーション環境が実現できるという期待があり、各分野での取り組みや専門家たちのコメントが紹介されています。
 このほかにも、Wiiリモコンを入力装置として活用しようという関心は高まっているようで、下記のビデオのようにロボットアームを動かしたりという取り組みが進められているようです。

Wii Fit デモビデオ

 先ごろ開催されたE3で披露された、任天堂が開発中の健康ゲームWii Fit。記事を目にした方は多いと思いますし、このビデオもあちこちで貼られているのでもう見た方も多いかもしれませんが、まだ見てない方のためにここにも貼っておきますのでご覧ください。

セカンドライフ内の救急・医療訓練施設

 アイダホ州立大学のIdaho Bioterrorism Awareness and Preparedness Program(IBAPP、アイダホバイオテロリズム認知対策プログラム)は、バーチャル救急・医療訓練施設「Play2Train」をセカンドライフ内で提供しています。
 この取り組みは、Strategic National Stockpile(SNS、戦略国家備蓄) 、Simple Triage Rapid Transportation(START方式と呼ばれる災害医療時の緊急対応法)、Risk Communication and Incident Command System (ICS)(リスクコミュニケーションと危機管理システム)の訓練支援のために行われています。災害やバイオテロなどによって発生した緊急事態をセカンドライフのバーチャル環境で再現し、救急・医療活動のトレーニングを行うというものです。敷地内には病院と訓練場が提供されており、大規模災害や天候を再現するシミュレーション、救助活動シミュレーションがプログラムされた建物、救助用設備のデモ、学習用教材などが設置されているとのことです。下記の16分間のデモビデオ(音声状態がよくないですが)で、どのようなトレーニング環境が提供されているかが紹介されています。

CEDEC:シリアスゲーム講演&ラウンドテーブル

 9月26日(水)〜28日(金)の3日間、ゲーム業界団体CESA主催による日本最大級のゲーム開発者カンファレンス、CEDEC(セデック)が東京大学で開催されます。初日の26日に、シリアスゲームに関する講演とラウンドテーブルを行ないます。(CEDEC公式ウェブサイト
 講演の方では、最近の欧米におけるシリアスゲームの事例紹介や新たな展開の考察を行い、ラウンドテーブルの方では、日本でのシリアスゲームのビジネス展開に関する議論を行ないます。シリアスゲームに関心のある皆さまのご参加をお待ちしております。
1. レギュラーセッション: 「シリアスゲームの新展開と国内外の最新動向」
講師:藤本徹(ペンシルバニア州立大学/シリアスゲームジャパン)
日時:9/26(水)10:40〜12:00
セッション概要:
「シリアスゲーム」の取り組みは、欧米においてここ数年の間に急速に発展を遂げ、ゲーム開発・研究の一分野として確立された。国内においてもニンテンドーDSの学習・実用系コンテンツやセカンドライフのブームなどの流れとともに広まってきている。
本セッションでは、シリアスゲームの国内外の最新動向を紹介・解説するとともに、海外で進化を続ける新たなシリアスゲームの取り組みを分析し、国内においてどのような展開が考えられるかを展望する。
受講スキル:
シリアスゲームに関心のある開発者、研究者、ユーザーを対象としており、特にスキルは必要ありませんが「シリアスゲーム−教育・社会に役立つデジタルゲーム」(東京電機大学出版局、2007)の続編的な内容を中心に話すため、事前に同書と「テレビゲーム教育論」(東京電機大学出版局、2007)を読んでおくと得られるものが大きいと思います。
セッション情報:
http://cedec.cesa.or.jp/contents/r3.html
2. ラウンドテーブルセッション「ビジネスとしてのシリアスゲームの方向性と課題」
講師:藤本徹(ペンシルバニア州立大学/シリアスゲームジャパン)
日時:9/26(水)13:00〜14:20
セッション概要:
欧米ではシリアスゲーム開発の専門会社や、シリアスゲームを事業展開の軸にして成功する会社が出始め、シリアスゲーム研究、開発に提供される資金の額も拡大している。一方、国内ではニンテンドーDSの学習・実用系コンテンツが話題となっているものの、一時的なブームに終わりそうな兆しが見られ、必ずしも先行きは明るいとはいえない。
本ラウンドテーブルでは、国内におけるシリアスゲームのビジネスモデルや事業展開の現状を議論し、シリアスゲームが一つの市場を形成し、確立していくための方向性や課題を検討する。
受講スキル:
シリアスゲームのビジネス展開に関心のある開発者(特に経営者、プロデューサー、プランナー)、スポンサー的立場の方を対象にしており、特にスキルは必要ありませんが、シリアスゲームの事業展開に関するビジネスモデルやマーケティングの話題を中心に議論しますので、経営や企画に関する知識や関心があることが望ましいです。
セッション情報:
http://cedec.cesa.or.jp/contents/t2.html