米国の教育会社Kaplanが大学進学適性試験SAT(Scholastic Assessment Test)準備のためのニンテンドーDS向け学習ソフトを開発中であることがNewsweekのLevelupブログで報じられ、ゲーム系ブログなどを経由してニュースが広まっています。
このソフトは、ゲーム開発会社のAspyr Mediaと共同で、ニンテンドーDSのほか、PC、Mac向けにも開発されており、年内発売予定とのことです。Aspyrはテキサス州オースティンを本拠として、人気ゲームの移植を中心にした事業を行っている開発会社で、このタイトルがパブリッシャーとしての初タイトルになるそうです。
先月も、同じく米国の教育会社Plato LearningがPSP向けに学習ソフトシリーズを発売するというニュースが出ていましたし、米国でもモバイル端末向けの学習ソフトの提供が進行する流れに向かっているようです。
Scoop: Kaplan Teams Up With Aspyr Media to Create an SAT Test Prep Game For the Nintendo DS(Newsweek Level Up)
Kaplan and Aspyr Team Up to Create Dynamic Videogames for Nintendo DS, PC and Mac(News release from Aspyr)
投稿者「tfuji」のアーカイブ
Games for Health(5/8-9)セッション概要
ゲームズ・フォー・ヘルス・カンファレンスが5月8〜9日に米国メリーランド州ボルチモアのボルチモア・コンベンション・センターで開催されます。
第4回を迎えるこの国際会議は、ヘルスケア関連のシリアスゲームの最新事例に触れ、この分野の人々とのネットワークを構築するとても良い機会です。エクサゲーミング、医療シミュレーション、健康に関する行動変容、セラピー、看護士教育、ゲーム中毒、リハビリテインメントなど、約40セッションが予定されており、ゲームを試すことのできるデモ展示も行われます。この分野の日本の事例については、シリアスゲームジャパンの藤本がミニセッションで解説してきます。
また、今年は開催前日の5月7日に、身体障がい者向けのシリアスゲーム、ヘルスケア用途の(セカンドライフなどの)仮想世界、の2つのワークショップも開催されます(別料金)。
二日間のカンファレンス参加費は395ドルで、7日のワークショップは別料金で99ドルから122ドルとなっています。
参加申し込みはこちら。
http://www.acteva.com/booking.cfm?bevaID=146432
以下、現在発表されているセッションをいくつか簡単にご紹介します。
SGラボの前田徹哉氏インタビュー記事
4Gamersの「Online Game & Community service conference 2008」(OGC 2008)プレビュー記事特集で、SGラボ代表取締役の前田徹哉氏のインタビュー記事が掲載されました。
[OGC2008#06]SGラボの前田徹哉氏に聞く,シリアスゲームの定義(4Gamers.net)
http://www.4gamer.net/games/024/G002455/20080307012/
この記事は、シリアスゲーム専門会社としてのシリアスゲームに関する見解や、最近公開された同社のプロデュース作品などについての内容です。記事中でもわかりにくいと指摘されているシリアスゲームの概念について、しっかりとした見解を持って事業に取り組まれている様子がうかがえます。
なお、このOGC2008特集記事には、他にもヴァーチャルワールドやeスポーツなどに関するスピーカーのインタビューがとても読み応えがあってこれらのテーマに関心のある方にはためになる記事だと思います。
補足;上記記事中の記者さんのコメントの中で誤った記載があるので、訂正しておきたいと思います。
「シリアスゲーム」という言葉は、もともと1970年に出版された社会学者のクラーク・アプトの著書に由来しており、現在のような形で使われるようになったのは、2004年のシリアスゲームサミットからではなく、シリアスゲームイニシアチブ(Serious Games Initiative)が設立された2002年からです。シリアスゲームという名称もベン・ソーヤーの造語ではなく、当時このテーマに関心のあるグループで議論して決められたと言われています。
また、Ben Sawyerという名前は、一部ベン・スワイヤと表記されたものがネット上で見かけられますが、スワイヤと発音することはないので間違いです。ベン・ソーヤー(トム・ソーヤーのSawyerと同じなので表記を合わせて)と表記する方が適切だと思います。
3/12 追記:上記の指摘について、さっそく記事を修正していただいたみたいです。ご対応ありがとうございました。
SGラボ、サントリーウーロン茶のアドバゲームを提供
SGラボの新作リリース3つ目です。
SGラボが制作したサントリーウーロン茶のアドバゲーム「ウーロン茶物語〜美味しいお茶を求めて〜」が公開されました。
このゲームは、ウーロン茶のつくり方と愉しみ方を紹介するアドバゲームで、ゲームを通して茶葉作りの工程からお茶の淹れ方の知識に触れることができる内容になっています。
ゲームはサントリーウーロン茶のホームページで公開されています。
サントリーウーロン茶
http://www.suntory.co.jp/softdrink/oolongtea/
SGラボ
http://www.sg-lab.net/
SGラボの東京都福祉保健局・事故防止学習ソフト
SGラボの新作2本目です。
SGラボが東京都の委託を受けて製作した、乳幼児期の事故防止学習ソフト『見つけて防ごう!子どもにとっての身近な危険』が東京都福祉保健局のホームページで公開されています。
このソフトは、子どもの成長に合わせた4つの時期を選択して、その時期の子どもの特徴、事故の例とその対策が分かりやすく解説された内容になっています。ゲーム的な要素を活かして製作されており、部屋の中で子どもにとって危険となるアイテム探しや、子どもによく起こる事故を再現した3D動画、視点を切り替えて子どもの目線での日常の風景の体験、などの内容で構成されています。
東京都によって、子どもを持つ保護者への事故防止啓発ツールとして使用することを目的に企画され、東京都内の保健所で、保健師などの専門職スタッフが使用するDVD版と、保護者自身が自宅で学習できるWEB版の2種類が提供されているとのことです。
Web版は下記東京都福祉保健局ホームページで提供されており、無料で利用できます。
東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/
SGラボ
http://www.sg-lab.net/
SGラボの子ども向け金融教育ゲーム
三井住友銀行のホームページで、子ども向け金融教育ゲーム『わくわく!銀行たんけん隊〜ミドリさんと学ぶ銀行探検ゲーム〜』が公開されています。このゲームは、スクウェア・エニックスと学研のシリアスゲーム開発会社、SGラボの制作によるものです。
ゲームは、三井住友銀行が開催している銀行見学会をバーチャル体験しながら、銀行の各窓口の説明や、お札の数え方、金庫の説明などの銀行に関する知識をクイズでたどっていく内容になっています。
ゲームは三井住友銀行のホームページで提供されており、無料でプレイできます。
三井住友銀行
http://www.smbc.co.jp/
SGラボ
http://www.sg-lab.net/
Serious Games Summit GDC 関連記事まとめ
今年のGDCも盛況のうちに終了したようです(参加者の皆さまおつかれさまでした)。最初の2日間で開催された「シリアスゲームサミットGDC」の模様を紹介する記事が、各ゲーム情報サイトや海外のシリアスゲームブログに掲載されています。今年もライターの皆さんやシリアスゲームブロガー各位がいい記事を書いてくださってますので、順不同で一覧にまとめてみました。
Game Developers Conference 2008が米国サンフランシスコにて開催(GameWatch)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080219/gdc_01.htm
“Serious Games Summit”レポート:シリアスゲーム情勢を通して見る、世界の中の日本(GameWatch)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080220/sg.htm
東大研究員がシリアスゲームの現状を報告、”本当のシリアスゲーム”を見抜くために(ファミ通.com)
http://www.famitsu.com/game/news/1213712_1124.html
シリアスゲームの現場で奮闘するElectronic Arts(4Gamer.net)
http://www.4gamer.net/games/047/G004713/20080219041/
以下、英語のシリアスゲームサミット記事と、Wii Fitなど、興味深かったGDC関連記事です。
SGS Keynote: Sawyer, Smith On Serious Gaming For Life (Gamasutra)
http://www.gamasutra.com/gdc2008/index.php?id=17445
SGS: Djordjevich Talks Disaster Recover With GroundTruth (Gamasutra)
http://www.gamasutra.com/gdc2008/index.php?id=17509
SGS: Microsoft ESP: Taking Flight Simulator From Game To Serious Game(Gamasutra)
http://www.gamasutra.com/gdc2008/index.php?id=17494
SGS: The News Game: Using Neverwinter Nights To Teach Journalism(Gamasutra)
http://www.gamasutra.com/gdc2008/index.php?id=17481
SGS: Video Games To Build And Retain A TV Audience (Gamasutra)
http://www.gamasutra.com/gdc2008/index.php?id=17473
GDC ’08: EA takes games seriously(Gamespot)
http://www.gamespot.com/news/6186239.html
GDC 2008: Out of the Box, EA Fuels New Ideas with Madden and Sims Titles(Watercoolergames)
http://www.watercoolergames.org/archives/000893.shtml
以下はシリアスゲームサミットではないですが、関連して面白かった記事を。
任天堂のネットワークのキーマンが語るWiiメニューの企画、デザイン、Wiiウェア(ファミ通.com)
http://www.famitsu.com/game/news/1213817_1124.html
宮本茂氏の”ちゃぶ台返し”も…… “『Wii Fit』誕生物語”(ファミ通.com)
http://www.famitsu.com/game/news/1213735_1124.html
“Game God”、Sid Meierが語るゲームデザイン哲学(GameWatch)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080221/sid.htm
GDC恒例(?)の「Spore」セッションが開催。今回の議題はコンテンツの共有について(4Gamers.net)
http://www.4gamer.net/games/020/G002026/20080222064/
MMOG界の伝道師ラフ・コスター氏が語る「理想の窓」(4Gamers.net)
http://www.4gamer.net/games/047/G004713/20080219023/
GDC 2008: Wii Fit, Creating a Brand New Interface for the Home Console(Watercoolergames)
http://www.watercoolergames.org/archives/000895.shtml
セカンドライフのエコツアー
仮想世界「セカンドライフ」を久しぶりに取り上げますが、環境問題をテーマとしたセカンドライフ内の活動を紹介するビデオが公開されています。
欧米各国の環境問題に取り組む研究機関や非営利団体のセカンドライフ内での活動概要をまとめて紹介しています。
仮想のエネルギー管理システムや、エコライフを実践するエコビレッジ、絶滅の危機に瀕した植物の仮想自然林とその保護活動など、環境問題に関するさまざまな取り組みが行われている様子を知ることができるビデオです。英語のリスニング学習にもどうぞ。
Virtual Solutions to Real-World Problems(Woodrow Wilson International Center for Scholars)
http://www.wilsoncenter.org/index.cfm?fuseaction=news.item&news_id=393493
Second Life Eco Tour (動画)
http://mannea.blip.tv/#673654
IBMが環境学習MMOをリリース
IBMが環境学習のためのマルチプレイヤーオンラインゲーム「PowerUp」をリリースしたと報じられています。
IBM Announces Environmental Learning MMO For Kids (Gamasutra)
http://www.gamasutra.com/php-bin/news_index.php?story=17422
このゲームは、子ども向けの環境学習のために作られており、架空の惑星を舞台にして太陽光、水力、風力に関するミッションが提供されており、惑星の環境が破壊されてしまう前に問題を解決するという内容です。下記のゲームウェブサイトから無料でダウンロードでき、授業で使用するための教員ガイドも合わせて提供されています。
PowerUpウェブサイト
http://www.powerupthegame.org/
GDCでも「Wiiハビリテーション」事例発表
前のエントリーのWiiを利用したリハビリテーション事例について一つ見落としていたので追加です。
2月18日より開催されるシリアスゲームサミットGDCで、Wiiリモコンを利用したパーキンソン病治療のためのトレーニングプログラムの研究開発事例の発表が予定されています。このプログラムは、NIHの支援を受けてRed Hill Studios とUCSF School of Nursingが共同で開発しています。
Day 2: Tuesday (February 19, 2008) Time: 10-10:30am
PDwii: Using Novel Interfaces to Promote Physical Rehabilitation & Achieve Quantifiable Results
Speaker(s): Bob Hone & Wolf Schuster (Red Hill Studios)
なお、GDC公式ウェブサイトに、シリアスゲームサミットGDCの日程詳細が掲載されています。