投稿者「tfuji」のアーカイブ

大学教育へのDS導入

 大阪電気通信大学で、授業にニンテンドーDSを導入する取り組みを本格化すると報じられています。
英語や物理の授業でDS 試行で効果アリ 大阪電通大(asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0803/OSK200708020068.html
 同大学では、英語の授業に「英語漬け」を利用する取り組みを試行的に進めていたことは以前にも報じられていましたが、その効果がみられたことで今回他の科目へも拡大し、「1、2年生の必修科目のうち、英語、物理、力学などで全学生にDSを貸与する」のだそうです。さらに、同大学にはデジタルゲーム学科があり、ゲーム開発教育も行っていることから、授業で利用するためのソフトを同学科で独自に開発するとのこと。
 教育へのゲームメディアの導入+教育用ソフトの開発という動きは、ゲーム関連の学科やコースをもつ教育機関にとって、その特長やリソースを活かしやすい取り組みだと思います。うまくいって、他の教育機関にもさらに波及していくとよいですね。

Wiiとセカンドライフを利用した訓練シミュレーション

 WiredVisionで、Wiiリモコンとセカンドライフを組み合わせて、訓練シミュレーション環境を構築しようという研究が紹介されています。
『Wii』+『Second Life』で、訓練用シミュレーター(1)
http://wiredvision.jp/news/200707/2007073022.html
『Wii』+『Second Life』で、訓練用シミュレーター(2)
http://wiredvision.jp/news/200707/2007073121.html
 自由度の高いバーチャル環境と、人間の自然な動作に近い直感的な入力装置としてのWiiリモコンを組み合わせると、現在よりも一歩進んだ訓練シミュレーション環境が実現できるという期待があり、各分野での取り組みや専門家たちのコメントが紹介されています。
 このほかにも、Wiiリモコンを入力装置として活用しようという関心は高まっているようで、下記のビデオのようにロボットアームを動かしたりという取り組みが進められているようです。

Wii Fit デモビデオ

 先ごろ開催されたE3で披露された、任天堂が開発中の健康ゲームWii Fit。記事を目にした方は多いと思いますし、このビデオもあちこちで貼られているのでもう見た方も多いかもしれませんが、まだ見てない方のためにここにも貼っておきますのでご覧ください。

セカンドライフ内の救急・医療訓練施設

 アイダホ州立大学のIdaho Bioterrorism Awareness and Preparedness Program(IBAPP、アイダホバイオテロリズム認知対策プログラム)は、バーチャル救急・医療訓練施設「Play2Train」をセカンドライフ内で提供しています。
 この取り組みは、Strategic National Stockpile(SNS、戦略国家備蓄) 、Simple Triage Rapid Transportation(START方式と呼ばれる災害医療時の緊急対応法)、Risk Communication and Incident Command System (ICS)(リスクコミュニケーションと危機管理システム)の訓練支援のために行われています。災害やバイオテロなどによって発生した緊急事態をセカンドライフのバーチャル環境で再現し、救急・医療活動のトレーニングを行うというものです。敷地内には病院と訓練場が提供されており、大規模災害や天候を再現するシミュレーション、救助活動シミュレーションがプログラムされた建物、救助用設備のデモ、学習用教材などが設置されているとのことです。下記の16分間のデモビデオ(音声状態がよくないですが)で、どのようなトレーニング環境が提供されているかが紹介されています。

CEDEC:シリアスゲーム講演&ラウンドテーブル

 9月26日(水)〜28日(金)の3日間、ゲーム業界団体CESA主催による日本最大級のゲーム開発者カンファレンス、CEDEC(セデック)が東京大学で開催されます。初日の26日に、シリアスゲームに関する講演とラウンドテーブルを行ないます。(CEDEC公式ウェブサイト
 講演の方では、最近の欧米におけるシリアスゲームの事例紹介や新たな展開の考察を行い、ラウンドテーブルの方では、日本でのシリアスゲームのビジネス展開に関する議論を行ないます。シリアスゲームに関心のある皆さまのご参加をお待ちしております。
1. レギュラーセッション: 「シリアスゲームの新展開と国内外の最新動向」
講師:藤本徹(ペンシルバニア州立大学/シリアスゲームジャパン)
日時:9/26(水)10:40〜12:00
セッション概要:
「シリアスゲーム」の取り組みは、欧米においてここ数年の間に急速に発展を遂げ、ゲーム開発・研究の一分野として確立された。国内においてもニンテンドーDSの学習・実用系コンテンツやセカンドライフのブームなどの流れとともに広まってきている。
本セッションでは、シリアスゲームの国内外の最新動向を紹介・解説するとともに、海外で進化を続ける新たなシリアスゲームの取り組みを分析し、国内においてどのような展開が考えられるかを展望する。
受講スキル:
シリアスゲームに関心のある開発者、研究者、ユーザーを対象としており、特にスキルは必要ありませんが「シリアスゲーム−教育・社会に役立つデジタルゲーム」(東京電機大学出版局、2007)の続編的な内容を中心に話すため、事前に同書と「テレビゲーム教育論」(東京電機大学出版局、2007)を読んでおくと得られるものが大きいと思います。
セッション情報:
http://cedec.cesa.or.jp/contents/r3.html
2. ラウンドテーブルセッション「ビジネスとしてのシリアスゲームの方向性と課題」
講師:藤本徹(ペンシルバニア州立大学/シリアスゲームジャパン)
日時:9/26(水)13:00〜14:20
セッション概要:
欧米ではシリアスゲーム開発の専門会社や、シリアスゲームを事業展開の軸にして成功する会社が出始め、シリアスゲーム研究、開発に提供される資金の額も拡大している。一方、国内ではニンテンドーDSの学習・実用系コンテンツが話題となっているものの、一時的なブームに終わりそうな兆しが見られ、必ずしも先行きは明るいとはいえない。
本ラウンドテーブルでは、国内におけるシリアスゲームのビジネスモデルや事業展開の現状を議論し、シリアスゲームが一つの市場を形成し、確立していくための方向性や課題を検討する。
受講スキル:
シリアスゲームのビジネス展開に関心のある開発者(特に経営者、プロデューサー、プランナー)、スポンサー的立場の方を対象にしており、特にスキルは必要ありませんが、シリアスゲームの事業展開に関するビジネスモデルやマーケティングの話題を中心に議論しますので、経営や企画に関する知識や関心があることが望ましいです。
セッション情報:
http://cedec.cesa.or.jp/contents/t2.html

シリアスゲームジャパンWiki開設

 シリアスゲームの情報を集積するためのWikiを開設しました。今のところは、これまでに当ブログに掲載した情報を再編集して、資料化したものを掲載しています。
 また、現在開催中のhalf-real輪読会の資料も掲載しています。
 Wikiですので、誰でも自由に情報を掲載・編集できます。どうぞお気軽にご利用ください。
シリアスゲームジャパンWiki
http://anotherway.jp/seriousgamesjapan/wiki/

セカンドライフ関連書リスト

 ここ数ヶ月の間にすごい勢いでセカンドライフの関連書が増えてきたので、どんなのがあるか一覧にしてみました。セカンドライフの可能性を論じた新書から、セカンドライフを始めるためのガイドブック、雑誌までさまざまあります。ご参考まで(だいたい発売日順、ソースはアマゾンより)。この他にも続々出てると思いますし、以前のものも抜けがあったらご一報ください。
爆発するソーシャルメディア セカンドライフからモバゲータウンまで グーグルを超えるウェブの新潮流 [ソフトバンク新書](ソフトバンク クリエイティブ、2007/3/16)
セカンドライフの歩き方(アスキー、2007/3/26)
ウェブ仮想社会「セカンドライフ」 ネットビジネスの新大陸(アスキー、2007/4/10)
セカンドライフスタートガイドブック―600万人以上が集まるその魅力をとことん紹介!!(ローカス、2007/05)
セカンドライフ (Second Life) はじめ方から稼ぎ方まで(毎日コミュニケーションズ、2007/5/18)
セカンドライフ公式ガイド Second life the official guide(インプレスR&D、2007/5/17)
セカンドライフ非公式まるわかりガイド徳間書店 (2007/06)
やさしいセカンドライフ入門(スタジオセロ、2007/06)
日本語ではじめよう セカンドライフ スピード攻略(日経BP出版センター 、2007/6/18)
セカンドライフ メタバースビジネス(ソフトバンククリエイティブ、2007/6/28)
セカンドライフの達人(翔泳社、2007/6/29)
セカンドライフ [Second Life] 創世記 3Dインターネット・ビジネスの衝撃(インプレスジャパン、2007/7/5)
セカンドライフの作り方(アスキー、2007/7/19)
セカンドライフのすべて 週刊アスキー 2007年 7/24号 臨時増刊 [雑誌](アスキー、2007/6/28)
セカンドライフで作る リンデンスクリプト入門(CDROM付)(インプレスR&D、2007/7/31)
Second Life操作・活用パーフェクトマニュアル(日本実業出版社、2007/8/11)

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「テレビゲーム教育論」発行のお知らせ

 DiGRAで基調講演を行うマーク・プレンスキー氏の著書「Don’t Bother Me Mom-I’m Learning!: How Computer And Video Games Are Preparing Your Kids for Twenty-First Century Success」の翻訳書「テレビゲーム教育論 – ママ! ジャマしないでよ 勉強してるんだから」が7月10日に発行されます。本書では、否定的に捉えられがちなテレビゲームを肯定的に捉え、子どもたちの将来のためにゲームが役に立つことや、テレビゲームを子育てに役立てるための子どもたちとのコミュニケーションの取り方を中心に論じています。
DBMMcover.jpg
マーク・プレンスキー 著/藤本 徹 訳
四六判・上製・386頁
定価2520円(本体2400円+税)
ISBN 978-4-501-54230-6
発行日 2007年7月10日

DiGRA2007: 基調講演にシリアスゲームの第一人者が登壇

DiGRA2007ウェブサイトより転載
DiGRA2007速報: 基調講演にシリアスゲームの第一人者が登壇
9月24日から28日にかけて東京大学にて開催されるゲーム研究の国際大会「DiGRA2007」の速報をお届けします。
DiGRA2007では基調講演が連日開催されます。すでにエドワード・カストロノヴァ准教授の講演が決定していますが、新たにシリアスゲームの開発者・研究者として世界的に著名であるマーク・プレンスキー氏の登壇が決定しました。
マーク・プレンスキー氏は、アメリカのコンサルタント、デザイナー、ジャーナリストです。ハーバードとエールでマスターの学位を取得した後、『Games2train』を設立し、教育やビジネストレーニングに役立つデジタルゲーム(シリアスゲーム)を50本以上開発しています(そのクライアントには、IBM、ノキア、米国国防総省などが名を連ねています)。
また、氏はジャーナリストとしても知られ、デジタルゲームが現代の子どもたちの教育に役立つことを明らかにした『Degital Game-Based Learnig』(2001)や、『Don’t Bother Me, Mom–I’m Learning!』(2006)の著者でもあります。
(なお『Don’t〜』は『テレビゲーム教育論』というタイトルで、シリアスゲームジャパンの藤本徹氏による翻訳が7月に刊行される予定です)。
これらの本は、デジタルゲームやコンピュータの教育利用に関心のある研究者だけでなく、ポストモダン社会における子どもたち(デジタル・ネイティブ)の教育・学習に関わる人びとの注目を浴び、ニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナル、CNN、BBCなどでも大きく報道されました。
これまで日本ではデジタルゲームの負の側面ばかりが社会的注目を集めてきましたが、Nintendo DSの『脳トレ』ブームや教育ゲームの隆盛に見られるように、近年ではその教育効果への期待が高まっています。今回の基調講演は、世界のシリアスゲーム研究・開発の最前線のノウハウを知るためのまたとない機会ですので、ぜひ積極的にご活用ください。