投稿者「tfuji」のアーカイブ

DiGRA2007参加登録開始のお知らせ

(DiGRA Japanからのリリースを転載)
2007年9月24日から28日にかけて、日本デジタルゲーム学会(DiGRA
JAPAN)は、デジタルゲームの国際会議「DiGRA 2007(The Third
Digital Games Research Association International Conference)」
を開催いたします。
改めてDiGRA2007について説明いたしますと、DiGRAは、2003年より開
催されているデジタルゲームの国際会議であり、世界中の研究者たち
の間で、最新のデジタルゲームに関する研究・開発の発表と、国境を
越えた産官学の交流がおこなわれています。
第3回目に当たる今回の国際会議は、東京大学において、経済産業省
が実施する「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」の一環として、
東京ゲームショウの翌週に、CEDEC(日本のゲーム開発者のカンファ
レンス)とともに開催されます。
先日、DiGRA2007プログラム委員会およびレビュー委員会は、投稿さ
れたデジタルゲームに関する論文170本の厳正な査読をおこない、103
本の一般報告と16本のポスター発表の採択を発表しました。投稿され
た論文のクオリティは例外なく高く、世界的に著名な研究者・開発者
による基調講演3本とシンポジウム約10セッション、ラウンドテー
ブルをあわせ、DiGRA2007が質量とも比類なく充実したデジタルゲー
ムの国際会議になることは間違いありません。
さらに、DiGRA 2007組織委員会ならびに事務局は、DiGRA 2007の参加
登録受付を公式ウェブサイトで開始いたしました。参加費は、一般の方
が45,000円(早期登録40,000円)、DiGRAJAPAN正会員が35,000円(早期
登録30,000円)、学生が20,000円となっています。
参加申込ページ
http://www.digra2007.jp/RegAccom.html
http://www.digrajapan.org/modules/tinyd3/index.php?id=5(日本語)
7月31日までにお申し込みの方には早期登録割引がそれぞれ設定されて
います。世界のデジタルゲーム研究の最先端を知るまたとない機会です
ので、どうかお早めにお申し込みください。

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SGラボのアドバゲーム「The Shochu Bar」

 スクウェア・エニックスと学研のシリアスゲーム会社、SGラボのプロデュースした「アドバゲーム」第一弾、「The Shochu Bar」がリリースされました。
 このゲームは、日本蒸留酒酒造組合のウェブサイト「焼酎SQUARE」内で提供されています。詳しくは、The Shochu Barに関するプレスリリースをご参照ください。
 なお、同社のデモゲームを紹介するページも公開されており、リサイクルや食育を学ぶゲームが紹介されています。

国内のシリアスゲーム事例

 国内のシリアスゲーム事例のなかで、ウェブで無料で提供されているものをいくつかご紹介します。
ライフシミュレーション人生劇場
 宮崎県の就職相談支援センター「ヤングJOBサポートみやざき」が提供しているゲーム型ウェブコンテンツです。ゲームは、分岐型のアドベンチャーゲームとクイズ、パズルゲームが組み合わさった形になっており、15歳から65歳までの人生におけるさまざまなイベントを経験し、キャリアの選択を行いながら、定年退職までの人生の過程を概観する内容になっています。
財務大臣になって予算を作ろう−予算作成ゲーム−
 財務省が提供しているゲーム型ウェブコンテンツです。予算の各項目を増減させて新年度予算を作成する過程に触れながら「プライマリーバランスを意識した予算編成の重要性」を啓蒙することを意図して作られているようです。なお、財務省はこのほかにも「ゴー!ゴー!ふぁいなんすタウン(音に注意)」という子ども向けの(脱力系)ゲームコンテンツを提供しています。
国際緊急援助 被害者を救え! 国際緊急援助隊医療チーム 派遣シミュレーションゲーム
 外務省系の財団法人、国際協力推進協会が提供するゲーム型ウェブコンテンツです。国際緊急援助隊の一員となって、被災国での援助活動の過程に触れながら、この活動の意義や役割、活動内容を理解することを目的に制作されているそうです。ストーリーベースのクイズ教材になっていて、活動に関わる基礎的なクイズに答え、その解説を読みながら進める構成になっています。
 これらの事例を評価する際には、先日ご紹介した最近の海外事例もあわせて見ていくと、ゲームのつくりや学習要素の扱い方などを考えていく上で参考になります。また、拙書「シリアスゲーム―教育・社会に役立つデジタルゲーム」では、「できの悪いゲーム・優れたゲームの特徴」を解説しています。

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最近のシリアスゲーム海外事例2つ

 最近出てきたシリアスゲームの海外事例をいくつかまとめてご紹介します。
Planet Green Game
planetgreengame.jpgPlanet Green Game」は、スターバックスと環境保護団体のGlobal Green USAが協力して開発した環境教育ゲームです。ゲームでは、徒歩や自転車、自動車などの移動手段を選択して、マップ中を動き回って各地に設定されたミニゲームをプレイしたり、情報収集を行ったりしながら、環境保護に関する知識を学べる用にデザインされています。WaterCoolerGamesで詳しく紹介されており(英語)、「企業広告と環境教育が組み合わさったゲーム」と評されています。また、日本語でもGarbageNewsで紹介されています
Stop Disasters!
 「Stop Disasters!」は、国連国際防災戦略(UN/ISDR)が開発した、子ども向けの防災教育ゲームです。5つのシナリオで、それぞれ津波、山火事、洪水、ハリケーン、地震への災害対策を立てるミッションが与えられ、防災設備の設置や避難場所の確保などを時間内で行い、災害が起きた際にどれだけ防災の達成度向上を目指す形でゲームがデザインされています。同じく国連が開発したゲーム「Food Force」よりもゲームプレイに関わる情報量が多く、目標達成のために必要な知識が高度になっていると言えます。
stopdisasters.jpg
 ゲームはオンラインで無料でプレイできる上、学校の授業で利用するための情報リソース集も提供されています。ゲームの開発を担当したのは、英国のゲーム開発会社Playthreeで、同社はFood Forceの開発会社でもあります。同じく災害をテーマにした「Disaster watch」というゲームも開発しています。ゲームの詳細については、4Gamersの奥谷海人さんの連載コラムでも詳しく紹介されていますのであわせてご参照ください。
 ところで、奥谷さんのコラムではよくシリアスゲームが取り上げられていておすすめです。たとえば、「今、教育ゲームが面白い」では、環境保全シミュレーションゲーム「Climate Challenge」、食育教育ゲーム「Snack Dash」、アフリカの農民生活シミュレーションゲーム「3rd World Farmer」、バスケットボール選手向けのゲーム型トレーニングプログラム「Basketball IntelliGym」、国際宇宙ステーション生活体験シミュレーションゲーム「SpaceStationSim」が紹介されています。

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シリアスゲーム関連イベント

 今年も各地でシリアスゲーム関連のイベントが開催されます。昨年辺りからヨーロッパでの開催が増えてきています。国内では、DiGRAカンファレンスが9月に東京で開催されます。日程がアナウンスされている主なイベントをご紹介します。
Annenberg Workshop on Games for Learning, Development & Change (5/21-22, 南カリフォルニア大学)
Games for Change Conference 2007 (6/11-12, ニューヨーク)
Apply Serious Games 2007 (6/28, ロンドン)
GLS conference 2007 (7/12-13, ウィスコンシン州マディソン)
Learning with Games 2007 (9/24-26, フランス・ソフィアアナポリス)
DiGRA 2007 (9/24-28, 東京大学)
追記(4/16): GLS conference を追加しました。

中学校でPSPを利用した教育−英国

 英国バーミンガムの中学校で、ソニーのプレイステーションポータブル(PSP)を教育メディアとして利用する実験が行われていると報道されています。
Pupils get lessons in PlayStation (BBC News)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/education/6505861.stm
 この中学校では、フランス語、歴史、地理の授業でPSP上で画像やビデオ、ポッドキャストなどの教材を利用する実験授業が進められており、今年度末まで続けられるそうです。生徒に配布された端末は、市販ゲームが利用できないように設定されていて、教育用のみに利用可能になっているとのことです。
 ラップトップパソコンや携帯電話端末を教育の場で生徒の個人用メディアとして利用する取り組みに加えて、この事例のようにPSP、あるいはニンテンドーDSなどの携帯ゲーム端末の利用についても教育的な関心が高まってきていることが伺えます。

シリアスゲームの教師用ガイド

 学校の授業でゲームを利用する場合、重要なのはそのゲームを使って教える教師への支援です。その支援の手段の一つとして、教師用ガイドの提供がよく行われています。日本では国連世界食糧計画(WFP)が開発し、無料ダウンロード配布されている人道援助ゲーム「フードフォース」の教師用ガイドが提供されています。また、「シムシティDS」を利用した授業を行うためのコラボレーションキットも制作されたそうです。
人道援助ゲーム「フードフォース」教師用ガイド、配布中
http://www.wfp.or.jp/activities/story_detail.php?seq=34
[よのなか]科と『シムシティ DS』コラボレーションキット 20校に提供
http://www.simcity.jp/ds/pc/06_special_topics03.html
なお、英語版の学校教育・子ども向けゲームにおいても、同様の取り組みが以前から行われています。
動物園経営シミュレーションゲーム「Zoo Tycoon2」の教師用ガイド(英語・PDF)
http://www.ymiteacher.com/pdf/ZooTycoon.pdf
学校教育用歴史シミュレーションゲーム「メイキング・ヒストリー」教師支援サイト(英語)
http://www.making-history.com/edu/content_packs/calm/curriculum.php
ディズニーの子ども向け起業教育ゲーム「ホットショットビジネス」(英語、右上のTeacher’s Guideをクリック)
http://spapps.go.com/hsb4/landing/

「シリアスゲーム」立ち読みコーナー:教育編

 先日出版しました「シリアスゲーム−教育・社会に役立つデジタルゲーム」(藤本徹 著、東京電機大学出版局)の中身をご紹介する「立ち読みコーナー」です。今回は教育分野に関心のある方向けの内容を本書から一部抜粋してご紹介します。
ゲームと学習の関係を阻害する3つの誤解 (本書P7-9)

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シリアスゲームサミット関連記事

 GDC内で開催されたシリアスゲームサミットも盛況のうちに終了しました。詳細レポートはあらためてということで、今回は関連記事をご紹介します。
スクウェア・エニックスの乙部氏、GDCでシリアスゲームの重要性を強調(CNET)
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20344735,00.htm
手術はゲームのうまい医者にまかせたい!? 進んできた「シリアスゲーム」研究(Nikkei IT Plus)
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000009032007
サンフランシスコにてGame Developers Conference 2007が開催(Impress Game Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20070306/gdc2007.htm
GDC: Square Enix Shows Its Serious Side(Serious Games Sourse)(英語)
http://seriousgamessource.com/item.php?story=12989
GDC: SJ Klein Asks For Serious OLPC Content(Serious Games Sourse)(英語)
http://seriousgamessource.com/item.php?story=13017
GDC 07: Games need to get serious(GameSpot)(英語)
http://www.gamespot.com/events/gdc07/story.html?sid=6166803

「シリアスゲーム」参考文献リスト

 先日出版しました、「シリアスゲーム−教育・社会に役立つデジタルゲーム」(藤本徹 著、東京電機大学出版局)の巻末でご案内しましたように、本書で参照した参考文献リストを公開しますのでご利用ください。リンク切れ等、不具合にお気づきの際はご一報くださればたいへん助かります。

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