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「シリアスゲーム論」グループプロジェクト中間報告

 東京工芸大学のゲームコースで開講している「シリアスゲーム論」では、先週グループプロジェクトの中間報告を行いました。
 グループプロジェクトでは、40数名の受講生たちが8つのグループに分かれて、シリアスゲームの企画を立て、期末の最終報告に向けて企画の詳細を詰めていきます。学生たちは1か月前にプロジェクトを開始して、自らテーマを設定し、ミニワークショップやゲストセッションなどの授業での活動を通してシリアスゲームの様々な側面を学びながら、これまで作業を進めてきました。今回の授業はプロジェクトの中間報告の回でした。テーマ設定がバラエティに富んでおり、それぞれに見どころのある内容のプロジェクトが出そろいました。学生たちは、次のようなゲームの企画にチャレンジしています。
・動物愛護をテーマとした育成シミュレーションゲーム
・ゴミ分別をテーマとしたパズルゲーム
・就農をテーマとしたシミュレーションゲーム
・おせち料理の知識普及をテーマとしたアクション&クイズゲーム
・就業体験をテーマとしたアクションゲーム
・就職活動支援をテーマとしたクイズゲーム
・排気ガス削減をテーマとしたドライブゲーム
・色彩の知識普及をテーマとした色彩コーディネートゲーム
7月23日に実施する最終報告までこれから企画を詰めていき、これならそのまま商品化も!?と夢の広がる企画がいくつ出てくるかとても楽しみなところです。

シリアスゲーム論ゲスト講演(第3回)開催

ご報告がすっかり遅くなってしまいましたが、東京工芸大学「シリアスゲーム論」のゲスト講演シリーズ最終回を先週18日に開催しました。「エンターテインメントとシリアスの境界」をテーマに、先日「ゲームの教科書」を上梓された馬場保仁氏(セガ)と山本貴光氏(ゲーム作家)をお迎えしたセッションを行いました。
馬場氏からは、先月発売された「プロ野球チームをつくろう!2」のプロデューサーとして活動してきた経験やゲーム業界の現状を踏まえながら、ゲームクリエイターを目指す学生たちに向けて熱く語られました。これからのゲーム開発は、今まで以上にゲームをいかに売るか、そのゲームで遊んでもらいたいユーザーに届けるか、という売り方の部分まで考える必要があるという、プロデュース発想を持つことの重要性の話を中心に、開発現場の話などを交えてビジネスモデルをどう組んでいくか、何を仕掛けていくのか、などの話題でお話しいただきました。PCのトラブルのため、用意してきていただいた資料が使えないというハプニングも平然とアドリブで乗り切る様子に、学生たちはさすがプロのプロデューサーと感銘を受けていた様子でした。
山本氏からは、まず「カオスモス(カオス+コスモス)」をキーワードとして挙げ、混沌と秩序の関係性を考えていくことがゲームクリエイターとしてのものの見方に活きてくるという話がありました。そして企画時に集めた情報は開発過程でそぎ落とされていくという話、コーエーで開発に携わった英語学習ゲーム「EMIT」や日本史学習ゲーム「ゲーム日本史」の事例を挙げて、シリアスゲームの学びと楽しさのバランスのとり方と用途のずれの問題の難しさについての話、そしてコーエーの異色作「That’s QT」の企画のコンセプトとその開発の進め方についてお話しいただきました。
質疑応答で、お二人の視点からのシリアスゲームについてどう見ているかについて伺ったところ、山本氏はコーエーでEMITを開発したころに比べると環境は良くなっているとコメントし、馬場氏は大手がビジネスをイメージできないところが課題であることを指摘しました。この他にも、今回も多くの示唆に富んだアドバイスをいただいて、学生たちにはだいぶ心に響いた様子でした。
ゲストセッションは今回で完結し、これから残りの約1カ月間、学生たちはグループプロジェクトでシリアスゲームの企画を作っていき、最終回の授業で開催する報告会に向けて活動していきます。

ITmedia に代表藤本インタビュー記事掲載

 先日受けたインタビューの記事が掲載されましたのでご紹介します。

http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0903/04/news095.html

via kwout

 4月から東京工芸大学で開講する「シリアスゲーム論」の話や、海外でのシリアスゲームの動向、ゲームのスキルが生活の他の場面でどう役に立つか、などの話をしています。

 なお、以前ご紹介しましたが、この連載記事の第1回でも、東京大学の馬場教授がシリアスゲームについて言及しています。

産経新聞にシリアスゲーム記事掲載:記事リンク

 先日お知らせしました、産経新聞の記事掲載の件、ウェブサイトにも記事が掲載されていますのでご紹介します。
 SGラボの地震対策啓発ソフト、東京大学のオンラインゲームの教育利用研究プロジェクト、海外での動向などが紹介されています。
ゲームで社会問題を解決 高い教育効果、進む研究や開発(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/life/education/090115/edc0901150813000-n1.htm

産経新聞にシリアスゲーム記事掲載

 明日1月15日付の産経新聞紙面にシリアスゲームに関する記事が掲載されるとのことです。
先日藤本が取材を受けた記者さんからの情報です。国内のシリアスゲーム有識者に取材して、シリアスゲームの海外、国内動向を記事にしているとのことです。
追記:掲載日を一日間違えてましたので修正しました。

日本賞トークセッション「ゲームを教育メディアとしてどのように活かすか?」

 教育コンテンツの国際コンクール第35回“日本賞”のイベントとして行われたトークセッションで、レベルファイブ社長の日野晃博氏と、東京大学大学院情報学環教授で日本デジタルゲーム学会会長の馬場章氏が「ゲームを教育メディアとしてどのように活かすか?」というテーマで対談を行いました。その模様がファミ通.comで紹介されています。
第35回日本賞のイベントにレベルファイブの日野晃博社長、東大の馬場章教授が登場(ファミ通.com)
http://www.famitsu.com/game/news/1219279_1124.html
 記事では、レベルファイブが開発を手がけた「ドラゴンクエストVIII」や「レイトン教授」シリーズを題材とした教育コンテンツとしてのゲームの議論や、馬場教授の研究グループで取り組んでいる「大航海時代オンライン」の教育利用研究の話題などが語られた様子が紹介されています。

VISIONWEBのシリアスゲーム対談

 eラーニングの総合情報サイト VISIONWEB のeラーニングに関する対談コーナー「Talking about e-learning」で、SGラボ社長の前田徹哉氏のインタビューが掲載されています。記事では、同社のシリアスゲーム事業の取り組みについて語られています。
「シリアスゲーム」がeラーニングの重要なコンテンツへ(VISIONWEB)
http://www.elearning.ne.jp/discussion/002/
 日本のeラーニング業界でシリアスゲームがどれくらい浸透しているのかわかりませんが、シリアスゲームが直接的に活用できる業界ですし、今後もこのような形で注目される動きが進んでいくことが期待されます。

IT Mediaでゲーム研究に関する連載開始

 IT Mediaで「ゲームとアカデミーの素敵なカンケイ」と題したゲーム研究をテーマとした連載が開始され、第1回としてDiGRA Japan会長で東京大学教授の馬場章氏のインタビューが掲載されています。
 記事では、日本のゲーム研究の現状、馬場研究室で取り組んでいる「オンラインゲームの教育目的利用のための研究」、ゲームリテラシーとゲームの社会的地位向上の必要性などのトピックについて語られています。
ゲームとアカデミーの素敵なカンケイ(第1回)――東京大学 大学院情報学環 馬場章教授 (IT Media +D Games)
http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0810/01/news016.html

日経キッズプラスで「ゲームと子ども」の特集

 先日発売された、日経キッズプラス8月号の特集「ゲーム・テレビとうまく付き合う」の記事で、代表の藤本が取材を受けて「テレビゲーム教育論」に関連して「よいゲームとの付き合い方」についてコメントをしています。書店等で見かけたらご覧ください。

SGラボの前田徹哉氏インタビュー記事

 4Gamersの「Online Game & Community service conference 2008」(OGC 2008)プレビュー記事特集で、SGラボ代表取締役の前田徹哉氏のインタビュー記事が掲載されました。
[OGC2008#06]SGラボの前田徹哉氏に聞く,シリアスゲームの定義(4Gamers.net)
http://www.4gamer.net/games/024/G002455/20080307012/
 この記事は、シリアスゲーム専門会社としてのシリアスゲームに関する見解や、最近公開された同社のプロデュース作品などについての内容です。記事中でもわかりにくいと指摘されているシリアスゲームの概念について、しっかりとした見解を持って事業に取り組まれている様子がうかがえます。
 なお、このOGC2008特集記事には、他にもヴァーチャルワールドやeスポーツなどに関するスピーカーのインタビューがとても読み応えがあってこれらのテーマに関心のある方にはためになる記事だと思います。
 補足;上記記事中の記者さんのコメントの中で誤った記載があるので、訂正しておきたいと思います。
 「シリアスゲーム」という言葉は、もともと1970年に出版された社会学者のクラーク・アプトの著書に由来しており、現在のような形で使われるようになったのは、2004年のシリアスゲームサミットからではなく、シリアスゲームイニシアチブ(Serious Games Initiative)が設立された2002年からです。シリアスゲームという名称もベン・ソーヤーの造語ではなく、当時このテーマに関心のあるグループで議論して決められたと言われています。
 また、Ben Sawyerという名前は、一部ベン・スワイヤと表記されたものがネット上で見かけられますが、スワイヤと発音することはないので間違いです。ベン・ソーヤー(トム・ソーヤーのSawyerと同じなので表記を合わせて)と表記する方が適切だと思います。
3/12 追記:上記の指摘について、さっそく記事を修正していただいたみたいです。ご対応ありがとうございました。