シリアスゲーム論ゲスト講演(第3回)開催

ご報告がすっかり遅くなってしまいましたが、東京工芸大学「シリアスゲーム論」のゲスト講演シリーズ最終回を先週18日に開催しました。「エンターテインメントとシリアスの境界」をテーマに、先日「ゲームの教科書」を上梓された馬場保仁氏(セガ)と山本貴光氏(ゲーム作家)をお迎えしたセッションを行いました。
馬場氏からは、先月発売された「プロ野球チームをつくろう!2」のプロデューサーとして活動してきた経験やゲーム業界の現状を踏まえながら、ゲームクリエイターを目指す学生たちに向けて熱く語られました。これからのゲーム開発は、今まで以上にゲームをいかに売るか、そのゲームで遊んでもらいたいユーザーに届けるか、という売り方の部分まで考える必要があるという、プロデュース発想を持つことの重要性の話を中心に、開発現場の話などを交えてビジネスモデルをどう組んでいくか、何を仕掛けていくのか、などの話題でお話しいただきました。PCのトラブルのため、用意してきていただいた資料が使えないというハプニングも平然とアドリブで乗り切る様子に、学生たちはさすがプロのプロデューサーと感銘を受けていた様子でした。
山本氏からは、まず「カオスモス(カオス+コスモス)」をキーワードとして挙げ、混沌と秩序の関係性を考えていくことがゲームクリエイターとしてのものの見方に活きてくるという話がありました。そして企画時に集めた情報は開発過程でそぎ落とされていくという話、コーエーで開発に携わった英語学習ゲーム「EMIT」や日本史学習ゲーム「ゲーム日本史」の事例を挙げて、シリアスゲームの学びと楽しさのバランスのとり方と用途のずれの問題の難しさについての話、そしてコーエーの異色作「That’s QT」の企画のコンセプトとその開発の進め方についてお話しいただきました。
質疑応答で、お二人の視点からのシリアスゲームについてどう見ているかについて伺ったところ、山本氏はコーエーでEMITを開発したころに比べると環境は良くなっているとコメントし、馬場氏は大手がビジネスをイメージできないところが課題であることを指摘しました。この他にも、今回も多くの示唆に富んだアドバイスをいただいて、学生たちにはだいぶ心に響いた様子でした。
ゲストセッションは今回で完結し、これから残りの約1カ月間、学生たちはグループプロジェクトでシリアスゲームの企画を作っていき、最終回の授業で開催する報告会に向けて活動していきます。