東京大学BEATセミナー「楽しさと学びを融合するシナリオデザイン」(9/3)

 9月3日に東京大学情報学環ベネッセ先端教育技術学講座が「楽しさと学びを融合するシナリオデザイン」と題したセミナーを開催します。
 「大航海時代オンライン」ほか数々の歴史テーマのロールプレイングゲームやシミュレーションゲームをプロデュースされているコーエーテクモゲームスの竹田智一さんと、日本で随一のeラーニング人材育成プログラムを提供する熊本大学大学院の鈴木克明先生をお招きしたセッションを行います。楽しさと学びそれぞれの観点から、ユーザーを引き込むシナリオデザインについて議論を行います。

—-以下BEATウェブサイトより転載—
お知らせ BEAT Seminar ─────────────────────
2011年度第2回 BEAT公開研究会
「楽しさと学びを融合するシナリオデザイン」 9月3日(土)開催!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
BEAT(東京大学情報学環ベネッセ先端教育技術学講座)では、
2011年度第2回 BEAT Seminar 「楽しさと学びを融合するシナリオデザイン」
を9月3日(土曜日)に開催致します。

学習環境のデザインにおいて、学習者の意欲を高め、学習活動に引き込む手法
はこれまでにもさまざまな形で提案されています。
ユーザーを活動に引き込むという観点からは、デジタルゲーム開発で
取り組まれている、楽しさを生み出す世界観やコンテンツデザインの手法は
独自の発展を続けています。

今回のBEATセミナーでは、コーエーテクモゲームスで歴史ゲームを
プロデュースされている竹田智一さんと、eラーニング教材開発の専門家
熊本大学の鈴木克明さんにお越しいただき、ユーザーの活動を促進する環境
デザインについて議論します。
みなさまのご参加をお待ちしております。

日時:2011年9月3日(土)14:00~17:00

場所:東京大学 本郷キャンパス 情報学環・福武ホール(赤門横)
福武ラーニングシアター(B2F)
アクセスマップ>>

http://www.beatiii.jp/seminar/seminar-map46.pdf

内容:
14:05-14:45
1.講演1「歴史ゲームのシナリオ開発の実際」
竹田智一 (コーエーテクモゲームス)

14:50-15:30
2.講演2「シナリオを重視した学習コンテンツデザイン」
鈴木克明 (熊本大学)

15:40-16:00
3.参加者によるグループディスカッション

16:00-17:00
4.パネルディスカッション「楽しさと学びを融合するシナリオデザイン」
司会:
高橋 薫 (東京大学)
パネリスト:
竹田智一 (コーエーテクモゲームス)
鈴木克明 (熊本大学)
藤本 徹 (東京大学)

定員:180名
参加費:無料
(懇親会:セミナー終了後1F UT Cafeにて 参加希望者(3,000円))


参加お申し込みはこちらへ
http://www.beatiii.jp/seminar/index.html

シンガポールでSerious Games Conference 2011開催(8/3-5)

今年も8月3~5日にシンガポール Suntec Convention Centreでシリアスゲームカンファレンスが開催されます。

今年は九州大学の松隈先生が登壇し、九州大学のシリアスゲームプロジェクトのリハビリテーション用シリアスゲーム「リハビリウム」など、同プロジェクトの取り組みを紹介するセッションを行います。
また、昨年に続いてIEインスティテュートの和田周久さんも登壇して同社の取り組みを紹介します。

プログラム詳細は下記カンファレンスウェブサイトをご覧ください。
www.asiaevents.com.sg/seriousgames2011

以下、主催者案内より転載

Our 2nd-time Serious Games Conference 2011 (SGC 2011 for short) will take place from 3 – 5 August 2011 this year.
SGC 2011 is supported by MDA (lead agency), IDA, IES, STB and several trade associations including SGI UK (Serious Games Institute, UK), GXA (Games Exchange Alliance) IGDA Asia Chapters (International Game Developers Association), ACM Siggraph and SiTF (Singapore Info-Comm Technology Federation).
 
The event is held concurrently with another event “Defence Science & Research Symposium – on Serious Gaming & Edutainment” www.dsr2011.org
This other event is organised by RealSpace Pte Ltd, a spin-off company from the Mixed Reality Lab @ the National University of Singapore.
MDA has bridged us together as they view good synergy to support both events concurrently to maximize resources to attract a interest from larger set of audiences and hopefully better media coverage.
 
Program @ A Glance
3-Aug (Wed): Conference targeting serious games industry (9am-6pm) @ Suntec Convention Centre + Games Industry Networking Event (evening)
4-Aug (Thurs): Biz Matched Meetings (9am-5pm) + Executive Roundtable (afternoon), invite group involving SG govt agencies and serious games industry executives) @ Marina Mandarin Hotel
5-Aug (Fri): Onsite Campus/Serious Games Lab visit (morning, for overseas delegates) + concurrent 2 x Half-Day Serious Games Workshop for Educators (on the benefits of serious games)

立命館大学がゲームニクスに関するシンポジウムを開催(3/17)

3月17日に立命館大学東京キャンパスにて、立命館大学アート・リサーチセンター主催で「電子教科書の未来」と題したシンポジウムが開催されます。

シンポジウムでは、立命館大学とベネッセコーポレーションで進められてきた「ゲームのユーザーインタフェイスのメカニズムを活用した学習コンテンツ」に関する産学共同研究の成果発表とともに、ゲームニクス理論とその応用可能性を議論するセッションが行われます。

会場の立命館大学東京キャンパスは東京駅直結の至便なところにあります。
http://www.ritsumei.jp/tokyocampus/t02_j.html
よい機会ですのでご関心のある皆様はぜひご参加ください。
(参加費無料、参加申し込みは不要です。)

—日本デジタルゲーム学会 ニューズレターより転載—
シンポジウム「電子教科書の未来」のお知らせ

DiGRA Japanは立命館大学アート・リサーチセンター主催の「電子教科書」をテーマとしたシンポジウム「電子教科書の未来」を協賛いたします。本シンポジウムは、以下の日程で行われます。

日時 2011年3月17日(木)14:00から17:00
場所 立命館大学東京キャンパス
主催 立命館大学アートリサーチセンター
共催 立命館慶祥中学校・高等学校、立命館大学経営学部DML
[Design Management Lab]
協賛 日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)
参加に関するお問い合わせは以下までお願いします。
arc-jimu@arc.ritsumei.ac.jp

趣旨
現在、教育現場においても紙の使用量による環境負荷の観点と、IT利用促進の観点からペーパーレスの学習方法として各種の情報端末の活用が求めれる中で、タッチ機能を持つ携帯型ゲーム機も注目されています。しかしソフトとして多くの学習タイトルが発売されているものの、その学習効果や品質については科学的な視点からその有効性の検証がなされていない状況であり、教育現場や、過程から学習効果への疑問視や学習を妨げる存在としてゲームそのものに対する批判も存在しています。立命館大学ではサイトウ・アキヒロ教授の提唱する「ゲームニクス」の研究成果をテレビのリモコンやタッチパネル等の操作画面の設計など応用領域へ活用する実績を挙げてきました。これまで立命館大学と株式会社ベネッセコーポレーションでは、立命館慶祥中学高等学校の協力を得て、2009年10月より「ゲームのユーザーインタフェイスのメカニズムを活用した学習コンテンツ」に関する産学共同研究を行ってきました。

このシンポジウムでは、予備調査から足かけ二年にわたる共同研究の成果を発表するとともに、次世代の携帯型ゲーム機やタッチパネル型の情報端末を利用した新たなコンテンツの開発をめぐる可能性と問題点について考えます。

スケジュール
14:00-14:15 イントロダクション 細井浩一
(共同研究プロジェクト代表/立命館大学映像学部教授/DiGRA Japan会長)

14:15-15:30 第一部 立命館大学Xベネッセ共同研究の概要と成果
大森雅之(株式会社ベネッセコーポレーション)
サイトウ・アキヒロ(立命館大学映像学部教授)
八重樫樫文(立命館大学経営学部准教授)
15:40-17:00 第二部 ゲームニクス理論とその応用可能性
イノベーション教育への<ゲームニクス>応用
鼎談:ゲームニクス-その可能性の中心

九州大学シリアスゲームプロジェクトシンポジウム(3/15)のお知らせ

 九州大学、福岡市、福岡地域のゲーム会社組織GFFで展開されている「シリアスゲームプロジェクト」が「シリアスゲームのビジネスモデルを探る」と題して、活動2年目の成果報告シンポジウムを開催します。

 このシンポジウムでは、シリアスゲームジャパン代表の藤本が講演を行います。九州大学と連携を進めているオランダのユトレヒト芸術大学の研究者の講演もあります。今年度同プロジェクトで取り組まれた「リハビリ」「観光」をテーマにしたゲーム開発の成果報告と、シリアスゲームのビジネス化をテーマにディスカッションが行われます。ぜひご参加ください。

—–以下、プレスリリースより転載—–
シリアスゲームプロジェクトシンポジウム
「シリアスゲームのビジネスモデルを探る」ご案内

春寒の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
福岡市委託事業シリアスゲームプロジェクト2年目の成果報告シンポジウムのご案内をいたします。
九州大学を中心に産学官連携で2009年にスタートした当プロジェクトですが、今年度は当初の目的でもあるシリアスゲームの産業化の実現を見据え、より具体的にニーズの見える「リハビリ」「観光」をテーマに選んでゲーム制作を行い、2つのゲームが完成いたしました。

今回のシンポジウムでは、プロジェクト2年目の報告や制作したゲームの紹介は勿論、日本におけるシリアスゲーム研究の第一人者である藤本徹氏と、既にシリアスゲームビジネスが盛んなオランダのユトレヒト芸術大学研究員Micah Hrehovcsik氏による、国内外でのビジネスを意識した基調講演を行います。

また、トークセッションではパネラーに「ことばのパズルもじぴったん」シリーズのプロデューサーである中村隆之氏をお迎えし、各分野の代表者と来場の皆様と共に国内外においてシリアスゲームをさまざまな分野の融合事業としてビジネス化させる為の、議論を深めたいと考えております。
ぜひ多くの方々にご来場頂き、議論を盛り上げていただければ幸いです。
(シンポジウム詳細については、案内ウェブサイトをご覧ください)

日時:   2010年3月15日(火) 開場14:00 開演14:30~
場所:   アクロス福岡 円形ホール 
       福岡市中央区天神1-1-1 http://www.acros.or.jp/access/
会費    無 料
主催:   福岡市・九州大学芸術工学研究院
問合せ:  九州大学芸術工学研究院 シリアスゲームプロジェクト事務局
        Tel: 092-553-4499  Email: sa-baba <at>design.kyush-u.ac.jp (担当:馬場)
*事前登録制とさせて頂きますので、参加ご希望の方は下記ホームページよりお申し込み下さい
http://macma-lab.heteml.jp/sgp

**シンポジウム終了後に懇親会を行います。どなたでも歓迎いたしますので、異分野間の交流や意見交換の場としてぜひご参加ください。

登壇者やパネラーの方にもご参加頂く予定です。
  時間:  3月15日(火)18:30~20:30
  場所:  ブロッソ(西鉄イン福岡13F) http://www.blosso.jp/access/
  会費:  ¥3,500 
  申込:  参加ご希望の方は、お名前・所属・ご連絡先(TEL)を記載して3/4までに下記メールアドレス宛にご連絡下さい。
        m_hashi<at>maq.kyushu-u.ac.jp (担当:橋谷)

2011年のシリアスゲーム関連イベント

 今年も米国を中心に、海外で多くのシリアスゲーム関連イベントが開催されます。8回目を迎えるGDCで行われるシリアスゲームサミットをはじめ、同じく8回目のGames for Change、7回目を迎えるGames for Health、GLSカンファレンスなど、商業系、学術系それぞれに定番イベントが行われ、学会の分科会的に開催されるセッションなども含めるとかなりの数にのぼります。以下、開催順にリストにしてご紹介します。まだ把握しきれていないものや今年後半にかけて企画される未アナウンスのものもありますので、見つけ次第、順次追加していきます。

Serious Games Summit GDC
2/28-3/4 (San Fraccisco, CA)
http://www.gdconf.com/conference/sgs.html

SharpBrains Summit
3/30-4/1 (Virtual conference)
http://www.sharpbrains.com/summit/

The 7th Annual Games for Health Conference
5/17-19 (Boston, MA)
http://www.gamesforhealth.org/

Games+Learning+Society (GLS) Conference 7.0
6/15-17 (Madison, WI)
http://www.glsconference.org/2011/

The 8th Annual Games for Change Festival</a>
6/20-22 (New York City, NY)
http://www.gamesforchange.org/

Foundations of Digital Games
6/28-7/1 (Bordeaux, France)
http://www.fdg2011.org/

CGAMES 2011 USA (16th International Conference on Computer Games: AI, Animation, Mobile, Interactive Multimedia, Educational & Serious Games)
7/27-30 (Kentucky, USA)
http://www.cgamesusa.com/

The 5th DiGRA Conference: Think Design Play
9/14-17 (Utrecht, Netherlands)
http://gamesconference.hku.nl/

5th European Conference on Games Based Learning
10/20-21 (Athens, Greece)
http://www.academic-conferences.org/ecgbl/ecgbl2011/ecgbl11-home.htm

SeGAH 2011: 1st International Conference on Serious Games and Applications for Health
11/9-11 (Braga, Portugal)
http://www.ipca.pt/segah2011/

Interservice/Industry Training, Simulation and Education Conference (I/ITSEC)
11/28-12/1 (Orlando, FL)
http://www.iitsec.org/

シリアスゲームサミットGDCのプログラム紹介

 今年も2/28-3/4にサンフランシスコで開催されるGame Developers Conferenceの初日と二日目にシリアスゲームサミットが行われます。2004年から始まったこのイベントも今年で8回目を迎えます。

 複数トラック行われていた頃に比べるとセッション数はだいぶ少なくなりましたが、その分テーマを絞って行うスタイルを取っています。初日はゲームズ・フォー・ヘルス、二日目は最近注目を集めているゲーミフィケーションをテーマにしたセッションが行われます。

 ゲームズ・フォー・ヘルスは米国のシリアスゲームの中でも当初から活発に活動が続いてきた分野で、研究成果も蓄積されてきています。これまでの動向をおさらいするセッションやいくつかの興味深い事例をピックアップしたセッション、最新事例のショーケースセッションなどが予定されています。

 ゲーミフィケーションはゲーム開発者の間でも賛否が分かれており、今回はこのテーマについてじっくり議論する機会として設定されています。ゲーミフィケーション推進者による事例解説セッションや、識者が賛否分かれて論点を主張しあうディベートセッションなど、面白そうなセッションが企画されており、どのような議論が繰り広げられるか楽しみです。

下記はセッションタイトルの一覧です。プログラム詳細は、GDC公式サイトの日程表を参照してください。
http://schedule.gdconf.com/sessions/track/Serious-Games-Summit

初日:2/28(月)
Pioneers, Promise & Possibilities: Fitting Together Videogames & Health
Paul Tarini (Robert Wood Johnson Foundation)

Hakkar’s Corrupted Blood Plague: How an Outbreak in WoW is Helping Epidemiologists Create Better Disease Models [SGS Health]
Nina H. Fefferman (Rutgers University)

Video Game Play as Nightmare Protection [SGS Health]
Jayne Gackenbach (Grant MacEwan University)

Serious Game Summit Playfest [SGS Health]
Speaker TBA

Healthy Microtalks [SGS Health]
Corey Bohil (Michigan State University), Don Miller (Playpower.org), Ben Sawyer (Digitalmill), Doris C. Rusch (MIT), Tadeusz Stach (Queen’s University) and Derek Lomas (Playpower.org)

My Avatar: Quantified Self Meets Behavior-Change Games [SGS Health]
BJ Fogg (Stanford University Persuasive Technology Lab), Richard Tate (HopeLab/Zamzee), Michael Kim (Kairos Labs), Ricky Engelberg (Nike Digital Sport)

二日目:3/1(月)
Gamification 201 – 60 Tactics in 60 Minutes [SGS Gamification]
Molly Kittle (Bunchball)

Deeper Problems, Deeper Gamification: Solving Hard Real-world Problems with Games [SGS Gamification]
Seth Cooper (University of Washington) and Zoran Popović (University of Washington)

Hyperlocal Game Design: Connecting Social Currency to Real World Currency [SGS Gamification]
Kati London (Area/Code)

We Don’t Need No Stinkin’ Badges: How to Re-invent Reality Without Gamification [SGS Gamification]
Jane McGonigal (Institute for the Future)

GameJamification [SGS Gamification]
Speaker TBA

The Great Gamification Debate! [SGS Gamification]
Jesse Schell (Schell Games), Ben Sawyer (Digitalmill), Jane McGonigal (Institute for the Future), Ian Bogost (The Georgia Institute of Technology)

最近海外で刊行されたシリアスゲーム関連書2010(2)

 少し前に書きかけてすっかり忘れていましたが、海外で刊行されたシリアスゲーム、ゲームと教育・学習に関する学術書や開発ガイド紹介の2回目です。

The
Complete Guide to Simulations and Serious Games: How the Most Valuable
Content Will be Created in the Age Beyond Gutenberg to Google

Learning
Online with Games, Simulations, and Virtual Worlds: Strategies for
Online Instruction

まず、リーダーシップトレーニングシミュレーション「Virtual Leader」のデザイナーで、「Simulations and the Future of Learning
」と「Learning by Doing
の著者として知られるクラーク・アルドリッチによるシリアスゲーム開発ガイドと解説書です。「The Complete Guide・・」の方は、500ページを超えるボリュームで、さまざまなデザインフレームワークや開発アプローチの解説を行っています。

End-to-End
Game Development: Creating Independent Serious Games and Simulations
from Start to Finish

こちらは「Story and Simulations for Serious Games」の著者による2冊目のシリアスゲーム開発ガイド本です。個人開発者向けのシリアスゲーム開発入門書といった内容です。

—以下、出版社サイトより転載—

続きを読む

ゲーミフィケーションに関するリソース集

 ここ最近、マーケティングやWebサービス分野を中心に、ゲーミフィケーション(Gamification)というバズワードが米国で広がっており、毎日のようにブログ等で言及されて普及が進んでいます。ゲーミフィケーションは直訳すれば「ゲーム化」、ゲームデザインの発想を取り入れて、ユーザーの参加度を高める活動全般を指しています。

 欧米のシリアスゲームのコミュニティでも話題にあがっているのをよく見かけるようになり、次回のシリアスゲームサミットでもゲーミフィケーションをテーマにセッションを組む準備を進めているようです。シリアスゲームはデジタルゲームのメディアの枠内で議論されていましたが、このゲーミフィケーションはゲームデザインの他のメディアの開発やサービス活動への応用であり、ゲーム概念の拡張とも捉えられます。

 ゲーミフィケーションのデザイン手法として紹介されているテクニックは、個別には「ポイント制」や「ランクアップ」、「個人アバター」などすでによく用いられているものが目立ちますが、「達成感の演出」や「進捗状況の可視化」、「チャレンジの連鎖」、「他者との競争・連携」など、さらにゲームデザインの枠組みで捉え直すことで、より効果の高いサービス開発を目指すところに焦点があるようです。個別のメカニクスやデザインテクニックの解説は Gamification.orgのWiki に掲載されています。

 日本語で読める記事は今のところわずかですが、少しずつ出てきています。4Gamerの奥谷海人さんの記事で丁寧に解説されていますし、他にも以下のような記事で紹介されています。

奥谷海人のAccess Accepted / 第284回:ゲームが社会の一部として活用される時代(4Gamer)
http://www.4gamer.net/games/036/G003691/20101122020/

Gamification:なぜいまゲーム化なのか(Social Media Experience)
http://socialmediaexperience.jp/1596

オンラインゲームが”単なる”ゲームでなくなるとき(Venture Now)
http://www.venturenow.jp/column/ogawa/20101206009039.html

 ゲーミフィケーションについてさらに理解するためにまず手始めにあたってみる資料としては、以下の講演動画をご覧になるのがよいでしょう。まず、TEDでのジェーン・マゴニガル、DICE2010でのカーネギーメロン大学のJesse Schell、Google Tech Talkでの「Game-Based Marketing」の著者、Gabe Zichermannの講演は、それぞれゲーミフィケーションの考え方を分かりやすく解説しています。この他にも前述の Gamification.orgのWiki で紹介されています。

ジェーン・マゴニガル 「ゲームで築くより良い世界」(日本語字幕付き)

Jesse Schell @ DICE2010 (Part 1~3)

Gabe Zichermann
Fun is the Future: Mastering Gamification

書籍も関連書はこれから何冊か出てくる様子なので、とりあえず上記の著者による3冊をご紹介しておきます。

Reality Is Broken: Why Games Make Us Better and How They Can Change the World

The Art of Game Design: A book of lenses

Game-Based Marketing: Inspire Customer Loyalty Through Rewards, Challenges, and Contests

今月のシリアスゲーム関連イベント

今年も残りわずかとなりましたが、年内に2つのシリアスゲーム関連イベントが開催されますのでご紹介します。

まず一つ目は、12月16日に福岡市・九州大学芸術工学研究院の主催で「シリアスゲームセミナー」が開催されます。代表藤本が最近の海外のシリアスゲームの動向について講演し、九州大学のシリアスゲームプロジェクトの取り組みの紹介、シリアスゲームのビジネスモデルについてのラウンドテーブルが行われます。すでに満席のようですが、また後日、セミナーの模様などご紹介します。

二つ目は、12月19日、20日に芝浦工業大学芝浦キャンパスで開催される、日本デジタルゲーム学会の年次大会です。以下のようなシリアスゲーム関連の研究発表が行われます。

シリアスゲームを題材としたゲーム開発者教育の取り組み (藤本徹)
学校教育におけるテレビゲームの活用に関する実践的研究(塩田真吾)
環境問題をテーマとしたシリアスゲームの効果測定(財津康輔)

この他にも、立命館大学のサイトウアキヒロ教授のカーナビ開発へのゲームニクスの応用に関する発表など、シリアスゲーム研究に関連した発表が行われます。学会員以外の一般参加も大歓迎です。また、大会に合わせて発刊される学会誌「デジタルゲーム学研究」最新号は「シリアスゲーム研究」特集号ですし、今後も当学会ではシリアスゲーム研究を盛り上げていきますので、ぜひこの機に入会もご検討ください。

開催概要詳細、参加申込は下記学会サイトをご参照ください:
http://www.digrajapan.org/modules/tinyd3/