IT Mediaでゲーム研究に関する連載開始

 IT Mediaで「ゲームとアカデミーの素敵なカンケイ」と題したゲーム研究をテーマとした連載が開始され、第1回としてDiGRA Japan会長で東京大学教授の馬場章氏のインタビューが掲載されています。
 記事では、日本のゲーム研究の現状、馬場研究室で取り組んでいる「オンラインゲームの教育目的利用のための研究」、ゲームリテラシーとゲームの社会的地位向上の必要性などのトピックについて語られています。
ゲームとアカデミーの素敵なカンケイ(第1回)――東京大学 大学院情報学環 馬場章教授 (IT Media +D Games)
http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0810/01/news016.html

GameSpotにVirtual Heroes CEO インタビュー掲載

 現在、米国で最も勢いのあるシリアスゲーム開発会社の一つ、Virtual HeroesのCEO、Jerry Heneghan氏のロングインタビューが掲載されました。
Q&A: Virtual Heroes training real heroes (GameSpot)
http://www.gamespot.com/news/6198546.html
 PSP版として提供されることが発表された(プレスリリース)、ヒルトン・ガーデン・インの従業員向けインタラクティブトレーニングゲーム「HGI Ultimate Team Play」をはじめ、軍事、医療、ビジネスなどの各分野で進行中の同社の開発プロジェクトが取り上げられています。米国土安全保障省とGeorge Washington University Medical Centerと同社が開発した、救急対応シミュレーション「Zero Hour: America’s Medic」も公開されており、一般向けにも$15でまもなくダウンロード販売開始されるとのことです。
 米陸軍の「America’s Army」は、シリアスゲームの代表例としてよく知られていますが、このゲームで提供される救急対応トレーニングの知識のおかげで実際に人命救助に貢献できたという話(下記記事参照)も紹介されています。
 また同社は、人気ゲームタイトルを手がけたクリエイターが活動していることでも知られています。以前にもご紹介したように、「サイレントヒル」(コナミ)のアートディレクターとして知られる佐藤隆善氏は現在同社で活動しています。インタビュー中では、佐藤氏が同社に参画することになった経緯が語られていて興味深いです。ほかにも「グランド・セフト・オート」の開発会社Rockstar Gamesで活動していた開発者たちが同社製品の開発に携わっていることなども触れられています。
 
関連記事:
「サイレントヒル」のTakayoshi Sato氏、シリアスゲームについて語る
Gamer uses virtual training to save lives (Yahoo Games)

「ゲーム業界の敵」、弁護士資格剥奪される

 大手ゲーム会社を片っ端から訴えるなど、アンチ暴力ゲーム運動の先頭に立って活動していた弁護士、ジャック・トンプソン(Jack Thompson)氏に対し、9月25日、フロリダ州最高裁より同氏の弁護士資格の永久剥奪と罰金約4万3000ドルの支払いの命令が下されました。
 トンプソン弁護士は、「グランド・セフト・オート」をはじめとする暴力描写を含むゲームを発売するパブリッシャー各社を訴えるなど、ゲーム業界の敵として知られていますが、このほかにもラップ音楽などさまざまなターゲットを見つけては訴えたり、果てはフロリダ州の裁判所や弁護士協会を訴えるなど、不適切な活動や問題行動が続いてきた結果の今回の措置となったようです。
 さっそくこのニュースを取り上げた各ゲーム情報サイトではゲームファンから多くの喜びや同情のコメントが寄せられて話題になっています(ソース:Wikinews)。

Operation: Sleeper Cell: がん研究支援のためのARG

 がん研究活動への認知向上、募金促進を目的とした代替現実ゲーム(ARG、Alternate Reality Game)「Operation: Sleeper Cell」が最近公開され、ARGに関心のある人々の間で話題になっているようです(ソース:Wonderland)。
 このゲームは、英国のがん研究支援組織のCancer Research UK がスポンサーとなって開催されたARGアイデアコンテスト「Let’s Change the Game」から生まれたゲームで、ボランティアで集まった15名のゲーム開発者有志によって結成されたグループ「Law 37」によって開発、運営されてます。
 ゲームは、パズルゲームやライブイベントなどの個々のミッションで構成され、プレイを通してCancer Research UKへの理解を深めたり、募金活動への協力を行ったりできるというものです。
 シリアスゲームの分野では、ARGは社会活動のためのゲーム「ゲームズ・フォー・チェンジ」の一つの形態として捉えられています。ARG がどういうものかについては、日本語での解説記事もいくつか出ています。少し詳しく見てみたい方は下記のような記事から掘り下げてみてはいかがでしょうか。
いよいよ日本上陸をはじめた「ARG」って何だ?(IT media)
ARGという、新ジャンル(4Gamers)
ARG とは?(ARG FAN)

米国心理学会のゲームの効果に関する声明

 8月に米国心理学会(APA)の年次大会においてデジタルゲームの効果に関するセッションが行われ、その発表内容が同学会のプレスリリースとしてアナウンスされました。
PLAYING VIDEO GAMES OFFERS LEARNING ACROSS LIFE SPAN, SAY STUDIES (American Psychological Association)
http://www.apa.org/releases/videogamesC08.html

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The Free Culture Game: クリエイティブ・コモンズの精神をプレイするゲーム

 ローレンス・レッシグ教授の提唱するクリエイティブ・コモンズの概念をもとにデザインされたゲーム「The Free Culture Game」が最近公開されて話題になっているようです(ソース: WaterCoolerGames)。
The Free Culture Game
http://www.molleindustria.org/freeculturegame-eng
freeculture.jpg

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オバマ候補応援ゲーム

debate.jpg
 前回の米大統領選の時に民主党候補だったハワード・ディーン氏の選挙キャンペーンゲーム「Howard Dean for Iowa Game」を開発したGonzalo Frasca氏が、今回は民主党のオバマ候補応援ゲーム「Debate Night」を開発し、先日公開しました。
 このゲームは、Frasca氏の率いるゲームスタジオ、Powerful Robot Gamesが開発したもので、今回はオバマ候補からのスポンサーはついておらず、アンオフィシャルな勝手応援ゲームとのことです。
 パズルゲームのZumaをフォーマットとして、大統領ディベートの論点をアイコン化したものをゲームに使用しています。マケイン候補が打ち出してくる論点を切り返し、決めての論点をカウンターでぶつけるというメタファーがメッセージとなっているのがこのゲームの特徴です。また、ゲームオーバー画面もゆかいなパロディになってます。
Debate Night (Powerful Robot Games)

SERIOUS GAMES SUMMIT GDC 2009の発表者応募受付中

 来年3月18-22日にサンフランシスコで開催されるゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC) 内で、シリアスゲームサミット(3月18-19日)が行われます。現在、発表者を募集中です。
 このサミットは2004年からこの形式で行われており、今度で6回目となります。シリアスゲームに関心のある人々が集う最大のイベントとして定着しており、この分野の最新情報の収集や人的ネットワークの形成の場となる良い機会です。
 レクチャー、パネル、ケーススタディ、ポスター、デモ、の五種類のセッションにそれぞれ発表者を募集しています。応募締め切り日は9月24日です。募集内容等詳細は公式ウェブサイト(英語)でご確認ください。
http://www.gdconf.com/conference/sgssubmissions09.htm

「デジタルメディアと学習」コンペ、今年は日本からも応募可

 マッカーサー財団がスポンサーとなって昨年から開催されているDigital Media and Lerning Competition の今年の応募受付が開始されました。今年は日本からも応募を受け付けているので少し概要をご紹介します。
Digital Media and Learning Competition Website
http://www.dmlcompetition.net/

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シリアスゲーム製品販売ウェブサイト

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 シリアスゲーム関連製品販売ウェブサイト「Buy Serious Games」が開設されました。
 このウェブサイトは、英国ウェストミッドランド地域開発公社がスポンサーとなって推進されているSerious Games Exposed project が主体となり、英国コベントリー大学のSerious Games Institute ほか、同公社が支援する各機関と共同でシリアスゲーム振興活動の一環として運営されています。
 Paypalやクレジットカード決済でオンライン購入が可能になっており、現在はビジネスシミュレーションゲームやゲーム開発ツールなどが8点ほどが展示されています。これからバラエティも品数も充実していくことと思います。シリアスゲーム振興として、製品の流通手段を提供しようという試みで、今後英国からこのような試みがどのように展開されていくかが楽しみなところです。
Buy Serious Games ウェブサイト
http://www.buyseriousgames.com/