去る8月5日に開催された東京大学BEATセミナー「ゲーム・ルネッサンス:いつか来た道、これからの道」のレポートが公開されています。
http://www.beatiii.jp/seminar/023.html
当日の会場で行なわれた、スピーカーによる講演の概要と、参加者とのディスカッションの様子が紹介されています。
「Resources」カテゴリーアーカイブ
熊本大学eラーニング連続セミナー講演資料
熊本大学eラーニング連続セミナーにて講演しました。参加者の皆さま、暑い中ご来場ありがとうございました。北村先生をはじめ、熊本大学の関係者の皆さま、お世話になりました。
今回の藤本講演資料を下記に掲載しましたので、ご利用ください。
資料的には先日のBEATセミナーの内容とかなり重なっていますが、今回はゲーム事例をレビューしながら、「インストラクショナルデザインとシリアスゲームデザイン」の違いや、学習環境デザインにおいて参考になるゲームデザインの知見などの話をしました。
「シリアスゲーム:デジタルゲーム技術を利用した教育課題への取り組み」資料ダウンロード(PDF)
http://anotherway.jp/seriousgamesjapan/archives/Kumamoto080906-Fujimoto.pdf
BEATセミナー講演資料
東京大学BEATセミナーの公開研究会は、無事に終了しました。中原先生、山内先生をはじめ関係者の皆さま、お世話になりました。
今回の藤本講演資料を下記に掲載しましたので、ご利用ください。
「シリアスゲーム:コンセプト、事例とその展開」資料ダウンロード(PDF)
http://anotherway.jp/seriousgamesjapan/archives/BeatSeminar080506-Fujimoto.pdf
今度は来週9日に、熊本大学eラーニング連続セミナーで講演します。シリアスゲームの解説をしつつ、少しデザイン寄りの話をしたいと思います。お近くの方、ぜひお越しください。
MMO研究関連書
Massive Multiplayer Online Game (MMOG・大規模多人数参加型オンラインゲーム) は、シリアスゲーム分野でも関心の高いテーマの一つです。MMO世界の社会性や文化の形成過程には、教育などのエンターテインメント以外の分野への応用の可能性も高く、各分野で研究が進められています。その中から、最近書籍としてリリースされたものをいくつかご紹介します。
Play Between Worlds: Exploring Online Game Culture
T. L. Taylor 著
コペンハーゲン工科大学の准教授である著者が、MMO初期の大ヒット作「エバークエスト」世界をエスノグラフィの手法で研究し、プレイヤーたちの活動や、形成される文化を詳細に記述しています。
Synthetic Worlds: The Business And Culture Of Online Games
Edward Castronova 著
インディアナ大学准教授で、MMO世界経済研究の第一人者である著者による、これまでのMMO世界の経済学的研究の知見をまとめた研究書。巨額の開発費が投じられ、何百万ものプレイヤーが参加するMMO世界で形成される文化や、一つのゲームだけで、リアル世界の一つの国の経済活動を超える規模の経済活動が行なわれている状況の背景や活動のメカニズムを分析的に論じています。
Massively Multiplayer Online Role-Playing Games: The People, the Addiction and the Playing Experience
Richard V. Kelly 著
DEC社でバーチャル世界のシステム開発に取り組んできた著者が、3年間で100人以上のプレイヤーへのインタビューをもとに、人々がそれらのゲームに魅了され、ハマっていく要素を探っています。エバークエストでの研究成果をメインに、数ある主なMMOタイトルについても特徴や概要について言及しています。
韓国のオンラインゲームビジネス研究―無限の可能性を持つサイバービジネス成功の条件
魏 晶玄 著
現時点では、日本語では上記のようなアプローチで書かれた研究書はまだ出ていませんが、関連書としては、韓国のオンラインゲーム研究の第一人者、魏晶玄氏による、オンラインゲームの産業分析を行なった研究書がリリースされています。欧米とは異なる文脈で発達しているアジアのオンラインゲームコミュニティについて、その特性や国ごとのユーザーの違いなどについて触れられています。
(参考) このトピックの関連論文:
藤本徹 (2005). 多人数参加型オンラインゲームの教育利用に向けた研究の方向性.
http://anotherway.jp/seriousgamesjapan/archives/files/MMOGResearchFrameworks-Fujimoto.pdf
シリアスゲーム論文
財団法人デジタルコンテンツ協会が実施した「デジタルコンテンツの次世代基盤技術に関する調査研究」の研究報告書に「シリアスゲームと次世代コンテンツ」と題した論文を寄稿しました。シリアスゲームの定義、欧米で発展した経緯、開発事例、利用される技術、事業として期待される効果、などについて論じています。
藤本徹(2006) 「シリアスゲームと次世代コンテンツ」、財団法人デジタルコンテンツ協会編「デジタルコンテンツの次世代基盤技術に関する調査研究」第四章(PDFファイル)
CMPのシリアスゲームリソースサイト
GamasutraやGDCの運営を行なっているCMPによるシリアスゲームリソースサイト「Seriousgamessource.com」が開設されました。
Seriousgamessource.com
http://www.seriousgamessource.com/
Gamasutraに掲載されたシリアスゲーム関連記事の他、求人情報、プロジェクト情報、講義録のオンライン販売なども今後掲載されていくようです。
シリアスゲームサミットDCストリーミング
rhoshinoさんから、次のような情報を提供していただきました。ありがとうございます。
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CMPのストリーミングサービスGDCTVにシリアスゲームサミットDCの講演も追加されています。フードフォース、Hazmat、BioWareのコミュニティ戦略など7セッションが登録するだけで無料で見られます。
GDCTV
http://www.pqhp.com/cmp/gdctv/
ゲームで遊ぶ子どもたちが心配な親のための本
「デジタルゲームベースド・ラーニング」の著者マーク・プレンスキ氏の新刊 “Don’t Bother Me Mom — I’m Learning” (「ママ、勉強してるんだからジャマしないでよ」)が発売されました。
この本は、子どもがゲームで遊ぶのを心配する大人のための、ゲームとポジティブに、かしこく付き合うための解説書です。ゲームは有害ではなく、むしろ子どもたちや若者たちの成長を助け、能力を高めているという研究事例を引用しながら、ゲームを子どもの学習環境の中にうまく取り込むことで、子どもたちがデジタル技術の進化した社会でよりよく生きていくためのリテラシーを身につけながら成長していくことができるという考え方を提示しています。
ゲームで遊ぶ子どものことを心配する大人たちの多くは自分でゲームをプレイしないため、ゲームプレイを通して子どもたちが身につけているリテラシーについてを理解できず、そのためにゲームが有害であるとする誤った二次情報によって翻弄されています。
この本ではそうした情報がいかに誤っているかを指摘しながら、ゲームの持つポジティブな効能を実際の事例に基づいて解説し、ゲームについて子どもたちとよりよい関係を築いていくための考え方や方法を紹介しています。
ゲームの世界がどんな感じで、子どもたちがその中でどういう経験をしているのか、子ども達の身につけているスキルがどんなもので、どんな風に社会で役に立っているのか、子どもたちがゲームを通した経験を学習に活かしていくには子どもたちとどういう会話をすればよいのか、といったことに関心のある「非ゲーム世代」の方にお勧めの一冊です。
過去の関連エントリ:親と教師のためのゲームガイド
USアマゾンをご利用の方
親と教師のためのゲームガイド
親と教師のためのゲームガイドWebサイト「ゲームズ・ペアレンツ・ティーチャーズドットコム(GamesParentsTeachers.com)」が立ち上げられ、整備が進んでいます。
このWebサイトは、「デジタルゲームベースド・ラーニング」の著者マーク・プレンスキ氏の新刊 “Don’t Bother Me Mom — I’m Learning” (「ママ、勉強してるんだからジャマしないでよ」)が近日発売されるのに合わせ、ターゲットの親、教師に向けて、ゲームのポジティブな側面への理解を促すためのソーシャルマーケティングキャンペーン的な活動になっています。
サイトの構成は、「ゲーム紹介」「トピック(対応する科目・分野−準備中)」「リソース(ゲームのポジティブな側面について書かれた文献や情報)」となっていて、プレンスキ氏の呼びかけで、協力者たちによって情報が整備されているところです。
MMOGの教育利用に向けた研究の方向性
多人数参加型オンラインゲーム(MMOG)を教育用途で利用するための基礎研究の枠組についてまとめた資料を公開します。
藤本徹:”多人数参加型オンラインゲームの教育利用に向けた研究の方向性”,
http://anotherway.jp/seriousgamesjapan/archives/files/MMOGResearchFrameworks-Fujimoto.pdf, (2005)
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