親と教師のためのゲームガイドWebサイト「ゲームズ・ペアレンツ・ティーチャーズドットコム(GamesParentsTeachers.com)」が立ち上げられ、整備が進んでいます。
このWebサイトは、「デジタルゲームベースド・ラーニング」の著者マーク・プレンスキ氏の新刊 “Don’t Bother Me Mom — I’m Learning” (「ママ、勉強してるんだからジャマしないでよ」)が近日発売されるのに合わせ、ターゲットの親、教師に向けて、ゲームのポジティブな側面への理解を促すためのソーシャルマーケティングキャンペーン的な活動になっています。
サイトの構成は、「ゲーム紹介」「トピック(対応する科目・分野−準備中)」「リソース(ゲームのポジティブな側面について書かれた文献や情報)」となっていて、プレンスキ氏の呼びかけで、協力者たちによって情報が整備されているところです。
「このサイトの使い方」には次のように記されています。
親:あなたの子どもがプレイしているゲームのタイトルをクリックして、子どもとゲームについて議論するための質問を見つけてください。「リソース」をクリックすると、そのゲームのポジティブな側面についてさらに学ぶことができます。
教師:「トピック」をクリックして、そのトピックにゲームのどんなところが役に立つかを見るか、ゲームタイトルをクリックして、カリキュラムのどこでそのゲームが使えるかを見てください。または「リソース」をクリックすると、ゲームが教育や学習に役に立つことにさらに詳しく知ることができます。
ゲーマー(子どもたち):「貢献」ボタンをクリックして、親や先生に知ってもらいたいゲームタイトルや追加すべきゲームのタイトルを知らせてください。または「トピック」をクリックしてどんなことが書いてあるか見てみてください。
ゲームタイトルとして、「シビライゼーション3」、「シムズ」、「ズータイクーン」などの定番ゲームのほかにも、「ハーフライフ」や「グランド・セフト・オート」のような暴力ゲームとされているようなタイトルも並んでいます。
一例として、「シビライゼーション3」のページには次のように記されています。
シビライゼーション3は、人類の歴史全体を通して、あなたの選択した歴史をプレイすることができます。ゴールは、外交、文化、軍事の意思決定を行ないながら、世界を支配する文明を作り上げることです。ゲームでは、同盟、交渉、貿易システムや外交的な動きが盛り込まれています。上級レベルの貿易システムでは、リソース、貿易経路、テクノロジー普及の流れなどをマネージできます。
シビライゼーション3は最も複雑なゲームの一つで、(かなりの時間をかかりますが)マスターすることで、世界史に関する詳しくて膨大な知識を学習できます。
親御さんたちへ:
もし子どもたちがこのゲームをプレイしていても心配しないで!次のことをたずねてみてください。
1.このゲームは、社会や歴史についてどんなことを伝えていると思う?人類についても何か伝えている?
2.過ちは文明によって修正できる?もしできなかったらどうする?
3.このゲームで戦争はどのように重要?このゲームで戦争は常に問題解決の最善策?実際にはどう?
4.誰とこのゲームで遊ぶ?その時グループの様子はどんな感じ?
5.このゲームのどんなところが一番好き?
6.このゲームから何が学べる?
学校の先生方へ:
このゲームは世界史のどの時代の議論においても使えます。
ゲーマーの皆さんへ:
このゲームは、ほとんどのゲームレビューにおいて、5点満点や90点以上を獲得しています。
また、「グランド・セフト・オート:サンアンドレアス」のページには次のように記されています。
「グランド・セフト・オート:サンアンドレアス」は、ギャングメンバーになって、不正を働く警官に殺された家族の復讐をするという内容のゲームです。ストーリーをたどりながら、ギャングのあらゆる行動(そのほとんどは実社会では許されないものだと子どもたちが理解している、あるいは理解すべき)を働くことができます。このゲームは成人向けに指定されています。
親御さんたちへ:
子どもたちに次の質問をしてください。
1.このゲームはなぜ楽しいと思う?メディアで暴力的過ぎると批判されているのは納得できる?
2.ゲームの中で不快に感じることがあるか?それはなぜ?
3.このゲームから何か社会について学べることがある?
4.このゲームは一人でやる?他の人と?このゲームについて友だちと話をする?どんなことを話す?
5.このゲームのどんなところが一番好き?どんなところが一番嫌い?
6.このゲームからどんなことを学んだ?
学校の先生方へ:
このゲームは社会に存在するサブカルチャーについて議論するのによい題材です。社会における暴力についての社会学的な授業をするのにも使えます。
ゲーマーの皆さんへ:
このゲームはGamerdad.comでは子ども達から遠ざけるよう勧められていますが、GTAはストーリーもミッションデザインも、声優の演技もすばらしく、新しいゲームプレイであり、大人のファンタジーシミュレーターになっているとコメントされています。このゲームが健全か、という点については、おそらく肯定でき
ないため、子ども達にはプレイさせない方がよいでしょう。でも、このゲームが楽しいのは間違いありません。「いつ頃からプレイしてもよいか」については、他の「大人の」楽しみをいつから子ども達に経験させてよいかということと同じく、あなたの教育観に従って決める必要があります。いつから飲酒OK?、セックスは何歳から?といったことはいろんな議論があって、そうしたことへは通常、子どもに厳しい親たちが最悪の反対者であり侵害者です。
子どもたちへのゲームの影響が心配な方のための本
シリアスゲームジャパンのエントリと同じものですが、こちらでもご紹介します。 「デジタルゲームベースド・ラーニング」の著者マーク・プレンスキ氏の新刊 “Don’t Bother Me Mom — I’m Learning” (「ママ、勉強してるんだからジャマしないでよ」)が発売されました。 …