12月3日、フランス・リヨンにてSerious Games Sessions Europeが開催されました。
今回で3回目を数えるこのカンファレンスは、前回まではCMPが運営していましたが、今回はCMPと契約解消し、主催者のAgence Rhone-Alpes Numerique とLyon Gameが直接運営する形での開催となりました。隣の会場でLyon GDCが同時開催、翌日からはGame Connection Europeも開催と、リヨンはゲームカンファレンスウィークでした。
このSGS Europeでは、主にヨーロッパ各地から集まったシリアスゲーム開発者、研究者による17の発表、展示ブースでは10数社の企業各社によるシリアスゲームや関連サービスのデモや紹介が行われました。
基調講演はシリアスゲーム開発会社BreakawayのCEO、Doug Whatlay氏が各分野に広がり続けるシリアスゲームの動向を解説し、これまでの同社の経験をもとにこの分野に参入する企業に向けたアドバイスが示されました。
先日お知らせしたように、アジアからは韓国ソウル中央大学のウィ・ジョヒン氏がこれまでの5年間に渡る韓国でのMMOゲームの教育利用の研究について発表し、シリアスゲームジャパンの藤本が日本でのニンテンドーDSに見られる学習・実用ソフトの増加など、独自の展開が進む日本のシリアスゲームの動向を解説しました。
そのほか、イギリスのシリアスゲーム開発会社PlayGenが開発したナノテクノロジーを学ぶゲームNanomission、PixeLearningのゲーム型社員教育プログラム、デンマークのSerious Games Interactiveが開発したパレスチナ問題を学ぶGlobal Conflict: Palestine、フランスのNet Divisionがロレヤルのビューティーサロンスタッフ教育のために開発したゲーム型教材など、ヨーロッパ各国の事例が紹介されました。
イタリアの開発会社による3Dプロジェクターを用いた没入環境開発や、スウェーデンの研究者による複数画面を配置したドライビングシミュレータと消防訓練環境の技術研究事例は、通常のパソコン画面上で提供されるアプリケーションの枠を超えた環境を提供する技術として、今後の実用化に向けた展開が期待されるものでした。
Serious Games Sessions Europe
http://www.sgseurope.fr/uk/home.html
(おまけ:この会の藤本の個人的な感想もこちらの個人ブログに書いています。)