シリアスゲームサミットGDC2005 (1)

シリアスゲームサミットGDC2005
場所:モスコーニウェストコンベンションセンター (Game Developers Conference内)
日時:2005年3月7〜8日
 昨年から始まったシリアスゲームサミットGDC、今年もGDCのチュートリアルセッションの一つとして開催された。昨年の参加者数が約300人だったのに対して、今年は450人以上の参加者数となった。昨年は一部屋のみだったが、今年は3部屋に拡充されて、セッション数も大幅増となった。開催前のプロモーション時の扱いも、今年は格段に大きな取り上げられ方をされていて、シリアスゲームのGDC内での存在感の高まりを示しているようであった。


 サミットの冒頭、シリアスゲームコミュニティの顔であるBen Sawyerが登場し、これまでのシリアスゲームムーブメントの現状を報告しつつ、今回のセッションの見所などを紹介した。「30年前からゲームはエンターテイメント以外に使えるんじゃないかと考えられていたが、ではどんな風に使えるのか、というのがずっと課題だった」という導入で切り出しつつ、ここ2年ほどでシリアスゲームコミュニティが大きく成長してきたことを解説した。ここ一年のうちに、開発されたシリアスゲームの事例、市販ゲームを教育等の現場で活用する事例は順調に増え続け、シリアスゲーム開発に投資する組織、機関も増えていることを紹介した。そしてエンターテイメント用の市販ゲームとシリアスゲームのオーバーラップが進みつつあるなか、「すべてのゲームはシリアスである」と考えていく必要があると述べた。
 最後に今後開催される予定のシリアスゲーム関連のカンファレンスの予定が紹介された。6月のウィスコンシン大のシリアスゲーム研究者グループが主催するGLSConference、Digra、8月のGames for Health、そして次回のシリアスゲームサミットDC(10月31日,11月1日)と、半年の間にイベントが目白押しとなっている。開催場所は広い北米のあちこちに散らばっており、それぞれに主となる参加者層が異なっている上、テーマの焦点や領域も異なる。この1年でシリアスゲームコミュニティは大きく成長したが、このイベント予定をみると、次の1年もさらに発展を続けていく準備を着々と進めているようであった。