日常生活の中での適度な運動、バランスの取れた食生活などの基礎知識を楽しく学び、生活習慣病予防の促進を目的としたニンテンド−DSソフト『健康検定』が11月15日にユードーより発売されます。
この「健康検定」では、健康的な食事量を把握するための知識や、適度な運動量を維持するための知識を身につけることができ、特定健診で測定が義務化された腹囲や体重などの健康データの記録と肥満度のチェックもできるそうです。収録されている「食事バランスガイド」は、国立健康・栄養研究所の吉池信男氏、「エクササイズガイド」は同研究所の田畑泉氏がそれぞれ監修しています。
厚生労働省、農林水産省によってまとめられた「栄養・食育対策の推進」と「運動施策の推進」をもとにした生活習慣病予防に関する基礎知識を、検定、トレーニング問題として1400問収録されており、健康に関する知識の理解度をチェックできるように作られています。なお、書籍版、携帯版も同時に発売されるそうです。
「Cases – in Japan」カテゴリーアーカイブ
大学教育へのDS導入
大阪電気通信大学で、授業にニンテンドーDSを導入する取り組みを本格化すると報じられています。
英語や物理の授業でDS 試行で効果アリ 大阪電通大(asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0803/OSK200708020068.html
同大学では、英語の授業に「英語漬け」を利用する取り組みを試行的に進めていたことは以前にも報じられていましたが、その効果がみられたことで今回他の科目へも拡大し、「1、2年生の必修科目のうち、英語、物理、力学などで全学生にDSを貸与する」のだそうです。さらに、同大学にはデジタルゲーム学科があり、ゲーム開発教育も行っていることから、授業で利用するためのソフトを同学科で独自に開発するとのこと。
教育へのゲームメディアの導入+教育用ソフトの開発という動きは、ゲーム関連の学科やコースをもつ教育機関にとって、その特長やリソースを活かしやすい取り組みだと思います。うまくいって、他の教育機関にもさらに波及していくとよいですね。
SGラボのアドバゲーム「The Shochu Bar」
スクウェア・エニックスと学研のシリアスゲーム会社、SGラボのプロデュースした「アドバゲーム」第一弾、「The Shochu Bar」がリリースされました。
このゲームは、日本蒸留酒酒造組合のウェブサイト「焼酎SQUARE」内で提供されています。詳しくは、The Shochu Barに関するプレスリリースをご参照ください。
なお、同社のデモゲームを紹介するページも公開されており、リサイクルや食育を学ぶゲームが紹介されています。
Gpara.comより “二匹目のどじょう”は何匹いた?『脳トレ』系ソフトの現実
Gpara.com
“二匹目のどじょう”は何匹いた?『脳トレ』系ソフトの現実
http://www.gpara.com/ranking/mediacreatebn/20070523brain.php
ゲーム情報ポータルサイトのGpara.comにて、NDSでこれまで発売された脳トレ系ジャンルのソフトとその販売本数をまとめた記事が掲載されている。
その数95タイトル。
ミリオンを超えているのは、内5タイトル。以下、約90タイトルのほとんどが10万本以下。なかには1万本にも届かないものもある。
ターゲットの違いとブランド力に差が出た、という見方が示されており、結局のところ、“二匹目のどじょう”はいなかったと記事では結論されている。
軽い気持ちで「ちょっとやってみっか」と、自らこれらのジャンルのソフトを購入する層は大人であるとして、子どもをターゲットとしたソフトは、軒並み販売本数を落としている。
サードパーティはこぞって開拓地に殺到し、急速に一大ジャンルへ発達したこれらの市場も、そのほとんどはまだまだチョコレートに包まれたブロッコリーから脱却できてない証拠なのか、とも感じた。
また記事の中で、
『漢検』系ソフトの2タイトルが合わせて100万本に近づいているのに比べて、
『TOEIC(R) TEST DSトレーニング」は約4万本と、
実際の受験者数が漢検200万人、TOEIC(R)150万人という実情を踏まえると、ゲームソフトの方では歴然たる差が確認できる事象が紹介されており、興味深い。
国内のシリアスゲーム事例
国内のシリアスゲーム事例のなかで、ウェブで無料で提供されているものをいくつかご紹介します。
「ライフシミュレーション人生劇場」
宮崎県の就職相談支援センター「ヤングJOBサポートみやざき」が提供しているゲーム型ウェブコンテンツです。ゲームは、分岐型のアドベンチャーゲームとクイズ、パズルゲームが組み合わさった形になっており、15歳から65歳までの人生におけるさまざまなイベントを経験し、キャリアの選択を行いながら、定年退職までの人生の過程を概観する内容になっています。
「財務大臣になって予算を作ろう−予算作成ゲーム−」
財務省が提供しているゲーム型ウェブコンテンツです。予算の各項目を増減させて新年度予算を作成する過程に触れながら「プライマリーバランスを意識した予算編成の重要性」を啓蒙することを意図して作られているようです。なお、財務省はこのほかにも「ゴー!ゴー!ふぁいなんすタウン(音に注意)」という子ども向けの(脱力系)ゲームコンテンツを提供しています。
「国際緊急援助 被害者を救え! 国際緊急援助隊医療チーム 派遣シミュレーションゲーム」
外務省系の財団法人、国際協力推進協会が提供するゲーム型ウェブコンテンツです。国際緊急援助隊の一員となって、被災国での援助活動の過程に触れながら、この活動の意義や役割、活動内容を理解することを目的に制作されているそうです。ストーリーベースのクイズ教材になっていて、活動に関わる基礎的なクイズに答え、その解説を読みながら進める構成になっています。
これらの事例を評価する際には、先日ご紹介した最近の海外事例もあわせて見ていくと、ゲームのつくりや学習要素の扱い方などを考えていく上で参考になります。また、拙書「シリアスゲーム―教育・社会に役立つデジタルゲーム」では、「できの悪いゲーム・優れたゲームの特徴」を解説しています。
株式売買シミュレーションゲーム
映像のないサラウンド音楽ゲーム
ユードーが「映像のないサラウンドの音楽ゲーム」を制作中であることを発表しました。
映像の無いサラウンドのゲームを発表(プレスリリース)
http://www.yudo.jp/news.html#060830
このゲームは、慶應義塾大学の大岩研究室との共同研究で、文部科学省が行なう「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」の助成を受けて行った「コラボレイティブ・マネジメント型情報教育」の一環で取り組まれています。株式会社CRI・ミドルウェア社のCRI Audioを使用し、ドルビーラボラトリーズインターナショナルサービスインク日本支社、株式会社マランツ コンシューマーマーケティングが技術協力を行ってゲームの試作が進められています。ユードーは、モバイルコンテンツやゲームの企画・制作、音楽制作などを行う制作会社で、創業者の南雲玲生氏は、コナミの「ビートマニア」を制作し、その後の同社の音楽ゲームの流行を生み出すことに大きく貢献したサウンドクリエイターとして知られています。
このゲームは、「サラウンドを利用することで、音源の発音する定位、位置情報や音色、リズムなどを聞き分けて仮想の空間を移動する新しいギミックとなり、想像力を高められ、シリアスゲームの一環として様々な人が遊べるゲームとなる(同社プレスリリースより)」とのことで、視覚に障害を持つ人も一緒に楽しめるゲーム、聴覚を鍛えるゲーム、癒しを生むサウンドスケープ的なゲームなど、シリアスゲームとしての展開可能性の高い技術として期待できます。同社はこの技術を特許出願中で、今後もさらにサウンドの専門技術を駆使したゲームの開発に取り組むとのことです。