最近のシリアスゲーム関連書紹介(1)

 ここ数年の間に、学術系・開発系シリアスゲーム関連書の洋書が数冊出版されています。しばらくご紹介していなかったので、全3回に分けてまとめてご紹介します。
 今回は、学術系の方から、「Good Video Games + Good Learning」、「How Computer Games Help Children Learn」、「Educational Potential of Computer Games」、の3冊をご紹介します。


Good Video Games + Good Learning: Collected Essays on Video Games, Learning and Literacy
 MITのヘンリー・ジェンキンス教授と並び、シリアスゲーム分野の理論的支柱のような存在として活躍する、アリゾナ州立大学のジェームズ・ポール・ジー教授(ウィスコンシン大学より昨年移籍)のゲームとリテラシーに関する近年の小論をまとめた本。「コミュニティ・オブ・プラクティス」に代わる概念としてジー教授が提唱する「アフィニティ・スペース」の考え方や、子どもたちへのゲームの影響やゲームを通して学んでいることなど、ゲームが学習のどのようなところによいのかをリテラシー教育研究者の立場から豊富な事例とともに丁寧に解説しています。
How Computer Games Help Children Learn
 ウィスコンシン大学のデビッド・シャッファー准教授による「Epistemic Games」という概念を解説した本。Epistemic Games とは、何かの職業や専門家が利用するスキルや知識を身につけるのを助けるデジタルゲームのことで、ゲームを通して子どもたちが身につけている概念的なリテラシーや領域の知識の獲得過程やその助けをどのように行うかを学術的に解説しています。
Educational Potential of Computer Games
 「Global Conflicts: Palestine」の開発会社として知られる、デンマークの「Serious Games Interative」のCEO、サイモン・イゲンフェルト-ニールセン氏が大学院在籍中に執筆した博士論文をもとに書籍化されたゲームの教育利用に関する研究書。これまでに多様な教育分野で行われてきたゲーム・シミュレーションの教育利用研究のレビューを網羅的に行っており、このテーマの学術研究動向を把握するための資料として役に立つ一冊です。