カテゴリー別アーカイブ: Updates – in Japan

「入門 企業内ゲーム研修」刊行のお知らせ

Ludix Lab編集の電子書籍「入門 企業内ゲーム研修」が4月9日に発売開始されました。

Amazon Kindle版の電子書籍で、Kindle端末がなくてもKindleアプリを入れればどの端末でも利用できます。ゲーム研修の導入に関心がある方を主な対象とした入門ガイドです。企業内研修はもとより、学校教育への導入にも参考にできる内容です。

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「入門 企業内ゲーム研修」

目次(節は抜粋)
第一章:最も質問が多いゲーム研修の効果測定
・まずは用語をきちんとつかむことからはじめよう!
・研修における「効果」の捉え方は各人各様
第二章:効果測定の考え方
・ゲーム研修に特別な効果測定手法は必要?
・自ら体験したことは講義と比べて定着しやすいのか?
・「気づき」は実は測定できる
第三章:ゲームの強み
・経験学習ができるという強み
・ゲーム研修の比較対象は講義ではなくOJT
・具体的な状況で転移させる力を向上させる
・講義だけでは1週間後に20%しか思い出せない
第四章:振り返りを促すファシリテーション
・振り返りをして効果を高める
・大人だって「どう考えるか」は習ってないし、わかっていない
・楽しさは研修の目的ではない
・ファシリテーターがいないと学べない?
第五章:研修企画を通す教育学:導入のための説得ツール
・3つの知識の種類~何を学ぶかをまず理解しよう~
・「門前の小僧」はどうやって学んでいるか?
・教育学の言葉が分かれば研修企画の武器になる!?
第六章:「ゲームと学び」についての3つの誤解
・ゲームの学習効果は学術的に実証されている
・ゲームの要素を使うと研修がこう変わる
・ゲームは長所ばかりではない?
第七章:ビジネスゲームってどんなものなの?
・ゲームと学びの変遷と用語の整理
・ゲーミフィケーションはゲームではない!?
・ゲームとシミュレーションってどう違う?

■編著者紹介
Ludix Labは、教育の活動をしているNPO法人「Educe Technologies」のゲームと学習に関する研究ユニットとして2013年に設立。本書はLudix Lab代表と4名のフェローで編集した。
・池尻良平:東京大学情報学環特任助教、Ludix Labフェロー
専門は「学習の転移」。特に、歴史を現代の社会的な問題に応用させることを研究。高校生に歴史の有用性を実感してもらうゲーム教材を使った歴史の授業もし ている。また、企業研修向けのゲーム研修の教材も共同開発している。共著に「歴史を射つ: 言語論的転回・文化史・パブリックヒストリー・ナショナルヒストリー」(御茶の水書房)
・高橋興史:カレイドソリューションズ株式会社代表取締役、Ludix Labフェロー
起業家。アナログゲームの知見や研修企画のノウハウを応用し、国内唯一の企業研修向けにゲームを使った研修内製化教材を提供する会社を創業。多くのビジネスマンが同社のゲームで経営や財務会計、コミュニケーションを学んでいる。
・為田裕行:フューチャーインスティテュート株式会社取締役、Ludix Labフェロー
ICT利用教育のコンサルティングや導入支援を行う。小中高校生向けに、ボードゲームを使って考える力を養う教育活動や、企業研修でのゲーム研修も行っている。
・藤本徹:東京大学 大学総合教育研究センター特任講師、Ludix Lab代表
教育にテクノロジーを活用する「教育工学」分野の研究者。特にゲームを利用した教育の研究をしており、日本でシリアスゲームの普及を進めてきた。著書に「シリアスゲーム」(東京電機大学出版局)、訳書に「幸せな未来は「ゲーム」が創る」(早川書房)など。
・福山佑樹:東京大学教養学部特任助教、Ludix Labフェロー
専門は「教育工学」。特に現代社会の問題を経験学習するためのゲーム教材の開発と実践を行っている。これまで扱ったテーマには、環境問題・組織市民行動・キャリア教育などがあり、一部の開発物は企業研修でも使用されている。共著に「職場学習の探求」(生産性出版)

東北大グループの「長時間のゲームプレイの子どもへの影響」論文へのコメント

シリアスゲームジャパン代表の藤本が、東北大グループの「長時間のゲームプレイの子どもへの影響」論文へのコメントを出しました。当ブログにも転載します。

転載元ページ:
http://anotherway.jp/archives/20160110.html

東 北大学の竹内光准教授・川島隆太教授らの研究グループの、小児における長時間のビデオゲームプレイ習慣が言語知能の低下など悪影響を及ぼすことを発見し た、という「Molecular Psychiatry」に掲載された下記の論文が話題になっています。この手の研究が出るたびに、ゲーム業界団体は何か適切なアクションを起こした方が良 いのではと思いますが、このまま放置しておくとゲームの悪いイメージだけが無用に広がりそうなので、少しコメントしたいと思います(私は脳科学や発達心理 の専門ではないので、その点ご留意ください)。

Impact of videogame play on the brain’s microstructural properties: cross-sectional and longitudinal analyses(Molecular Psychiatryに掲載された当該論文)
http://www.nature.com/mp/journal/vaop/ncurrent/full/mp2015193a.html

長時間のビデオゲームが小児の広汎な脳領域の発達や言語性知能に及ぼす悪影響を発見~発達期の小児の長時間のビデオゲームプレイには一層のケアを喚起~(東北大学プレスリリース:2015年1月5日)
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20160105_01web.pdf

1.まず、この研究の一般に向けた示唆としては、ゲームに限らず「何ごとも子どもに過度に与え過ぎるのはよくない」という一般論で理解されていることを科学的に実証しているだけですので、この結果が出たからといって現状以上にゲームを問題視する必要はないと思います。

ゲー ムも子どもの娯楽や趣味の一つであり、よく付き合えばゲームから得られる効果も大きいことはこれまでの多くの研究で示されています(この論文でも、ゲーム の効用についての先行研究を認めた上で議論しています)。避けるべきなのは、この研究の報道を見た親や教師たちが必要以上に警戒して(または都合の良いよ うに解釈して)、適度な時間で楽しんでいる子どもからゲームを取り上げて禁止するような家庭や学校が出ることです。子どもにも個人差があり、はまり易い子 どもとそうでない子どもがいるので、はまり易く長時間遊んでしまいがちな子どもに対して、この結果をもとにプレイ時間のルールを決めたり、少し生活習慣へ の配慮をするくらいでよいと思います。

2.論文中でも制約事項として言及されていますが、この研究の「ビデオゲームのプレイ時間」という のは、質問紙調査で平日のプレイ時間数がどれくらいかを確認したもので、被験者の子どもたちがどんなゲームをどのようにプレイしたのかまでは明らかになっ ていません。また、長時間ゲームで遊ぶ子どもに共通する家庭環境や生活習慣などの他の主要因の影響が、この研究で調べた「ビデオゲームのプレイ時間」の影 響として現れている可能性は、この研究では否定できません。

この研究で扱っているのは、言語性知能への影響なので、同じゲームを長い間プ レイすることで、会話の量や言語情報の多様性が低下した結果というのは想像できます。実際、同じ研究グループで、2年前にテレビの長時間視聴について下記 のように同様の研究結果を発表しています。テレビ視聴やゲームプレイそのものより、家族や周囲が子どもを放置していることで、会話や言語的なインタラク ションが少ない時間が長くなっていることの影響の方が大きいように思います。

長時間テレビ視聴が小児の高次認知脳領域の発達性変化や言語性知能に悪影響を与えることを発見~発達期の小児の長時間のTV視聴には一層のケアを喚起~(東北大学プレスリリース:2013年11月18日)
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20131118_02web.pdf

3.この論文は、脳科学の研究者が適切な手続きで行い、経時変化も測定した実験結果であり、以前物議を醸した「ゲーム脳の恐怖」の恣意的なゲーム悪影響論よりはずっとまともなので、そこは一緒くたにして否定してしまうのは少々気の毒です。

た だ、「ドーパミン作動系領域の拡散性の増大は、メタアンフェタミンの長期ユーザーでも見られる特徴で、ビデオゲーム長時間プレイ者での相同の神経改変を疑 わせました」というところは、他の活動との比較などで細かい度合いまで確認できたわけではないのに覚せい剤中毒患者を引き合いに出すのは言い過ぎではない かという気はします(ゲーム脳本がアルツハイマーを引き合いに出して恐怖心を煽ったのと同じ臭いがします)。

4.最後に、これはこの論文よりもそれを報道する側に対してですが、この論文はあくまで「長時間のゲームプレイ」の影響についての研究結果であって、これをもって周囲が勝手な解釈をして、安易にゲーム全般を否定するような捉え方をすべきでないことです。

こ の点は、一部専門ゲームメディアで「ゲームは子どもに悪影響」という記述をしている記事がありますが、これはこの論文そのものよりもゲーム産業にとって害 のある報道で、このような取り上げ方は慎むべきです。他の一般ニュースメディアは概ねプレスリリースに沿って適切に記述しているにもかかわらず、ゲーム専 門メディア側がこのようなゲームそのものを否定的にとられるような表現で報道するのは配慮がなさすぎるし、意図的にゲームファンの反発を集めて物議をかも そうとしているのであれば、ゲームジャーナリズム全体を貶めることにもつながるのですぐに訂正した方が良いと思います。

むしろ問題視すべ きは、このような研究結果をもとに、ゲーム全般を違法薬物やギャンブルなどと同列に扱って社会的スティグマを押し付けようとする動きや、教育行政や保護者 団体などがこの結果を拡大解釈してゲーム排斥に走る動きなど、以前のゲーム脳騒動のような風評被害につながることであり、そのような動きこそ警戒が必要と 思います。

ゲーミフィケーションの番組とイベントのお知らせ(1月25日)

最近告知関係が後手後手に回ってしまって申し訳ないのですが、明日「ゲーミフィケーションパーティナイ」というUstイベントに代表藤本が出演しますので、ご関心ある方はどうぞご覧ください。

ゲーミフィケーションに関わる本の著者が一同に会す夜
ゲーミフィケーション・パーティナイ(Gamification Party Night)
http://www.s-dogs.jp/dgame/Event/radio01.html

主宰:Gamification Party Night実行委員会
日時:1月25日(水) 19:00~21:30
放送内容:
19:00~ オープニング・トーク
19:30~ プレゼンテーション「ゲーミフィケーションとは何か?」(井上明人)
20:00~ ディスカッション「ゲーミフィケーションを語りつくす!!」(藤本徹/井上明人/松井悠)
20:45~ ディベート「ゲスト vs Ustream視聴者」
21:20~ クロージング・トーク
ハッシュタグ:
#ゲーミフィケーション
Ustream中継:
http://p.tl/OcHT

同じ時間帯に、「爆問学問」のシリアスゲームに続いて、明日1月25日にNHKの「クローズアップ現代」で「ゲームが人を突き動かす~広がる”ゲーミフィケーション”~(仮題)」というテーマでゲーミフィケーションが取り上げられる予定ですのでこちらも楽しみです。

NHK「クローズアップ現代」(19時30分~19時56分):ゲームが未来を救う!?~広がるゲーミフィケーション~
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/yotei/index.cgi

NHK「爆問学問」でシリアスゲームが取り上げられました

事前に告知しそびれてしまいましたが、先日1月19日にNHKの番組「爆笑問題のニッポンの教養」で、FILE171:「君はシリアスゲームを知っているか?」というタイトルでシリアスゲームが取り上げられました。

NHK「爆笑問題のニッポンの教養」FILE171:「君はシリアスゲームを知っているか?」番組紹介
http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20120119.html

番組放送以降、シリアスゲームについてのツイートが急増していましたので、以下のツイートまとめを作成してみました。今も地上波の一般向けテレビ番組の波及力は大きいことが伺えますね。

1月17~24日の「シリアスゲーム」に関するツイート
http://togetter.com/li/246536

「幸せな未来は『ゲーム』が創る」紹介記事

10月に出版されました「幸せな未来は『ゲーム』が創る」は、年明け早々に増刷されることになりました。新聞の書評やブログなどでも紹介していただいておりますので、また折を見てまとめてご紹介したいと思います。

今回は、先日12月27日に発行された、東京大学大学院情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」が発行するメールマガジン「Beating」第91号に、「幸せな未来は『ゲーム』が創る」の紹介記事を寄稿しましたので、こちらでも紹介させていただきます。

なお、この「Beating」は、教育工学分野の研究論文紹介や、BEATで開催しているBEATセミナーの情報などを掲載して月1回発行されています。メールマガジンの詳細は下記BEATウェブサイトをご覧ください。

http://www.beatiii.jp/beating/index.html

—以下、Beatingより転載—
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書籍紹介  ─────────────────────────────
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「幸せな未来は『ゲーム』が創る」
ジェイン・マクゴニガル(著)、妹尾堅一郎 (監修)
藤本徹 (翻訳)、藤井清美 (翻訳)、 武山政直 (解説)
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━━━━

Beating読者の皆さま、こんにちは。BEAT特任助教の藤本徹です。
今回は、私が共訳者として10月に上梓しました「幸せな未来は『ゲーム』が創る」
を紹介させていただきます。本書は、2011年1月に米国で出版された「Reality is
Broken」の日本語訳で、最近、各分野で注目が集まっている「ゲーミフィケー
ション」(ゲームデザイン手法の社会的応用)の基本文献として広く読まれて
います。

著者のジェイン・マクゴニガルは、カリフォルニア大学バークレー校パフォー
マンススタディーズ専攻で博士号を取得して、現在はシンクタンクのインスティ
テュート・フォー・ザ・フューチャーでゲーム研究開発部門のディレクターを
務める気鋭のゲーム研究者/ゲームデザイナーです。日本語字幕付きのTEDでの
講演映像が公開されており、本書で論じられている内容の一部を著者本人が語っ
ています。

—-
Jane McGonigal「ゲームで築くより良い世界」(TED)
http://ow.ly/8a1LU
—-

本書ではまず、「ゲーム」の持つ要素や優れたゲームが引き起こす感情について
検討します。近年のポジティブ心理学や認知科学の研究成果を引用しながら、
ゲームがなぜ人を夢中にし、幸せにするかを考察しています。優れたゲーム
デザイナーたちによって生み出されたゲームによって、巨大なゲーマーコミュ
ニティが形成される状況や、そこで起きている多くの興味深い現象について、
あまりゲームに馴染みのない人にも理解できるように丁寧に解説しています。
そして、現実世界でゲームが繰り広げられる「代替現実ゲーム(ARG)」の事例や
がん治療、貧困根絶など、世界が抱える深刻な問題に取り組むためにデザインされた
社会変革のためのゲームの事例を紹介しています。ゲームデザインの枠組で社会
を捉え直し、「壊れた」現実の問題点を浮き彫りにして、人々が幸福になるよう
に現実をデザインしていくための「現実修復法」が示されています。

ネット上で何万人、何十万人もの人々がつながりを持ち、壮大な規模のことを
達成していたり、家族や友達同士での新たなコミュニケーションツールとなって
いたり、ゲームを通して人々の新たな関係が生み出されていることがさまざまな
事例を通して語られます。「仕事の生産性と幸福感」や社会問題解決のための
コミュニティ形成についても、ゲームデザインの観点で見ると、従来とは異なる
形で捉え直すことができるという著者の「ゲームデザイン思考」が惜しみなく
盛り込まれています。

書名から一見すると、ゲーマーやゲームに興味のある方向けの本だと思われるか
もしれませんが、むしろ社会変革や人々の活動のデザインに興味のある方向けに
書かれている本だと言えると思います。人々の幸せについての研究の話も豊富に
盛り込まれているので、幸福感や楽しさについて考えを深めたい方にとっても
よいきっかけが得られる本だと思います。

翻訳者として苦労のたえないプロジェクトでしたが、お読みいただいた方が
本書から何か示唆を得て、幸福感が高まるものになればと願いつつ翻訳いたしました。
500ページを超えるボリュームの読み応えある本ですので、お正月休みや週末の
おともに、ゆっくりお読みいただければ嬉しいです。
(藤本 徹)

ジェイン・マクゴニガル「幸せな未来は「ゲーム」が創る」出版のお知らせ

先週、ジェイン・マクゴニガル著「幸せな未来は「ゲーム」が創る」が早川書房より発売されました。
本書は今年1月に米国で出版されて話題になっているJane McGonigal 「Reality is Broken」の日本語版です。シリアスゲームジャパン代表の藤本徹が共訳者として翻訳を担当しました。

著者のジェイン・マクゴニガルは、以前当サイトでもご紹介しましたが(ゲーミフィケーションに関するリソース集)GDCの講演やTED Talkで話題になった気鋭のゲームデザイナーです。今年のGDCのシリアスゲームサミットで行われた彼女の講演(GDCのサイトで無料公開中)は大入りの人気セッションでした。

本書は海外でゲーミフィケーションの基本文献としてよく紹介されています。最近のゲーミフィケーションの話は、マーケティングテクニック寄りの話題が中心になっていますが、本書は従来からのゲーム文化や最近のソーシャルゲーム、ARGなどの興味深い事例を豊富に取り上げつつ、ゲームデザインの社会的応用の可能性について議論していますので、合わせてお読みいただくことでゲーミフィケーションの可能性や、これまでシリアスゲームの文脈で取り組まれてきた考え方をバランスよく理解できる内容になっています。

以下、本書への推薦の声と紹介文です。

脳と魂を揺さぶる本書は、あなたの「ゲーム」観のみならず、価値観をも一変させる!
――ダニエル・ピンク(『モチベーション3.0』著者)

マクゴニガル以外に、世界をよりよくするようなゲームを開発できるデザイナーは存在しない。
本書は世界を変えたいと思うすべての人々の必読書だ!
――ジミー・ウェールズ(Wikipedia創設者)

ユニークなアイデアを思いつくだけでなく、それを実際に世界に影響を与える形で利用できる人物はほとんどいない。
マクゴニガルはその貴重な一人である。本書が説くように、
生活やビジネスや教育の場でゲームを活用できれば、
世界は想像超えた変化を遂げるはずだ。
――トニー・シェー(ザッポスCEO)

近年、世界のオンラインゲーマーのコミュニティは数億人に達し、莫大な時間と労力がヴァーチャルな世界で費やされている。これは現実に不満を持つ人々によ
る「大脱出」にほかならない。 なぜ人々は「ゲーム」に惹かれるのか?
それは現実があまりに不完全なせいだ。現実においては、ルールやゴールがわかりづらく、成功への希望は膨らまず、人々のやる気はますますそがれていく。
そんな現実を修復すべく、ゲームデザイナーの著者は、「ゲーム」のポジティブな利用と最先端ゲームデザイン技術の現実への応用を説く。コミュニケーショ
ン、教育、政治、環境破壊、資源枯渇などの諸問題は、「ゲーム」の手法で解決できるのだ。
世界最高のイノベーターと評されるゲーム界のカリスマによる刺激的社会改革論。

現時点でアマゾンは在庫切れのようですが、楽天ブックスなど他社オンライン書店には在庫があるようですのでそちらもご利用ください。

 

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九州大学シリアスゲームプロジェクトがウェブサイト開設

福岡市の委託事業として、九州大学芸術工学研究院が中心となって実施されている「シリアスゲームプロジェクト」のウェブサイトが開設されました。

九州大学 シリアスゲームプロジェクトのウェブサイト
http://bit.ly/d2usXl

このウェブサイトでは、昨年度の事業活動で開発された4本のシリアスゲームが紹介されているほか(6月1日よりダウンロードできるそうです)、3月に開催されたシンポジウム「産学官連携によるシリアスゲーム制作の可能性」のレポートも掲載されています。

プロジェクトは3年計画の2年目に入り、今年度は「ヘルスケア」「観光」などのテーマで、事業化を目指したシリアスゲーム開発の取り組みを進めていくとのことです。

2009年のシリアスゲーム動向を振り返る

 しばらく更新できずにいましたので、ご紹介したい情報がたまりすぎてしまいました。キャッチアップの意味も含めて、今年の国内外のシリアスゲーム動向について少し振り返りたいと思います。

 今年もシリアスゲーム系のイベントは、GDCで行われるSerious Games Summit、Games for Change, Games for Healthの年次カンファレンスがすっかり定着したほか、学会や商業カンファレンスのサブセッションテーマとしてシリアスゲームを取り上げる動きはもはや珍しくなくなりました。

 そうした流れに加え、今年一番注目を集めたのは、米国でオバマ大統領が教育政策の一環としてデジタルゲーム活用を明確に示したことでした。ESA、ソニー、マイクロソフト、マッカーサー財団など、ゲーム業界団体や大手ゲーム会社と非営利財団が協力して、数学・科学教育支援のために図書館へのPS3寄付やゲームコンテスト開催などの一連の活動に着手しています。これまでは政治家がゲーム業界を敵にした動きばかりが目立ちましたが、これでゲーム業界への政治的な風向きも変わることが期待できそうです。ゲーム業界団体はこれまでレーティングによる自主規制など防御的な動きが中心でしたが、今回はゲームの良い面に積極的に目を向けさせた働きかけが功を奏したと言えるでしょう。

アメリカ政府がPS3を教育機関に導入(Kotaku Japan)
http://www.kotaku.jp/2009/11/lbp_game_competition.html
注目! オバマ大統領のゲーム教育政策(Kotaku Japan)
http://www.kotaku.jp/2009/11/obama_game_education.html
オバマ大統領「ゲームは科学や数学への興味を維持させる」-米国で教育ゲームを競う二つのコンテストが開催(インサイド)
http://www.inside-games.jp/article/2009/11/27/39029.html
ESA, Sony, Microsoft Respond To Obama’s Call For STEM Education(Serious Games Source)
http://www.seriousgamessource.com/item.php?story=26203

 そのほか海外の状況として目立ったのは、韓国での盛り上がりでした。韓国ではシリアスゲームは「機能性ゲーム」という名称でここ数年で徐々に普及が進んでいましたが、今年5月に韓国政府が、2012年までにこの分野に800億ウォン(約60億円)を投じて5000億ウォン(約370億円)規模の市場を育成すると発表したことで、機能性ゲーム市場形成に向けた動きが大きく進んでいます。9月にはソウルで機能性ゲームフェスティバルが行われ、機能性ゲーム市場の創出を京畿道地域の産業振興策として取り組む動きが起きています。また、NHNやNCソフトなどの韓国のゲームソフト会社でも機能性ゲーム部門を設置して製品開発を行っており、G-Starのようなゲーム業界のカンファレンスでも数々の機能性ゲーム製品がプロモーションされるなど、この市場に対応した動きが進んでいます。

韓国政府がシリアスゲームへ60億円投資
http://seriousgames.jp/2009/05/60-1.html

【韓国】非暴力、機能性ゲーム、成功へ向け翼を広げる(internet.com)
http://japan.internet.com/busnews/20091117/5.html

 国内では東京大学の馬場教授のグループがシリアスゲームへの注目を集める取り組みをけん引しており、今年はバンダイナムコ、品川区との新たな共同研究プロジェクトの取り組みに着手しています。

東京大学とバンダイナムコ「ゲームと教育」をテーマとした共同研究プロジェクト発足
http://seriousgames.jp/2009/07/post-66.html

 NHKが主催する教育コンテンツ国際コンクール「日本賞」で、昨年に引き続いてシリアスゲームのセッションが行われました。

教育コンテンツ国際コンクール”第36回日本賞”が開催! 佐藤隆善氏、水口哲也氏がシリアスゲームの可能性を語る(ファミ通.com)
http://www.famitsu.com/game/news/1228908_1124.html

 文部科学省の取り組みとして、インターネット上で科学技術について楽しく学べる子ども向けゲームコンテンツ「ワンダーシリーズ」が提供されています。先日は第3弾の「宇宙ワンダー」が公開されました。このようなシリアスゲーム関連の国内事例も徐々に増えていっています。

ネットでロケット発射体験!「宇宙ワンダー」の公開(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/12/1288225.htm

 あとはやや手前みそですが、3冊目のシリアスゲーム関連書の出版、国内初の取り組みとして、大学でのゲームクリエイター教育プログラムにおいて、シリアスゲーム論の科目が設置されました。

「デジタルゲーム学習-シリアスゲーム導入・実践ガイド」の内容紹介
http://seriousgames.jp/2009/04/post-49.html

東京工芸大学「シリアスゲーム論」最終報告会
http://seriousgames.jp/2009/07/723.html

 2010年も国際カンファレンス等のシリアスゲーム関連イベントが世界各地で計画されており、今後もシリアスゲーム普及の動きは続きそうです。国内の動向については、海外とはやや異なる形で推移している面もあるため、少しその辺りを整理して解説する機会を持ちたいと思います。今後も新たな動きが出てくると思いますし、こちらでキャッチできていない情報がありましたら(seriousgamesinfo [atmark] anotherway.jp )までぜひお寄せください。2010年もシリアスゲームジャパンをよろしくお願いいたします。

東京大学とバンダイナムコ「ゲームと教育」をテーマとした共同研究プロジェクト発足

 東京大学の馬場章研究室とバンダイナムコゲームスが”ゲームと教育”をテーマとした共同研究プロジェクトを発足するとの発表がありました。

 ゲームの教育利用に関する研究や学生の職業体験と学習を組み合わせた「リサーチインターン」と呼ぶ取り組みを行うとのことです。またこのプロジェクトは品川区教育委員会と連携して、品川区の教員や保護者、子ども向けの各種イベントを通して、教育現場におけるICT活用のための啓発活動を行うと発表されています。この活動として、8月6日に「ICT時代の子どもの未来を考えるシンポジウム」を開催することが告知されています。

 ゲームの教育利用に関する研究は、これまでにもさまざまな取り組みが行われてきたにも関わらず、多くの課題に直面してそれほど普及が進んでこなかったという経緯があります。シリアスゲームへの関心の高まりとともに最近再び各分野で関心の高まっているテーマですので、このプロジェクトから良い成果が示されることを期待したいところです。

この記事に関するプレスリリース(PDF)
http://www.bandainamcogames.co.jp/corporate/press/pdf/20090729.pdf

ICT時代の子どもの未来を考えるシンポジウム詳細(馬場研究室ウェブサイト)
http://chi.iii.u-tokyo.ac.jp/?p=950

ビジネスブレークスルー番組「ITライブ」でシリアスゲーム特集(7/21)

 スカイパーフェクTVの経営情報チャンネル「ビジネスブレークスルー(757ch)」の番組「ITライブ」で、シリアスゲームが取り上げられます。

 慶應義塾大学教授の村井純氏がホストとなって毎回IT関連の話題を取り上げる同番組に、シリアスゲームジャパン代表の藤本が出演して、ITを利用した教育の一つのアプローチとしてのシリアスゲームについて解説します。


放送日:2009年07月21日 (火) 21:00-22:00
(再放送:7/25(土)23:00, 27(月)12:00)

ビジネスブレークスルーのWebサイト:
http://bb.bbt757.com/
番組表
http://www.bbt757.com/servlet/ShowTimetableWeekly