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「入門 企業内ゲーム研修」刊行のお知らせ

Ludix Lab編集の電子書籍「入門 企業内ゲーム研修」が4月9日に発売開始されました。

Amazon Kindle版の電子書籍で、Kindle端末がなくてもKindleアプリを入れればどの端末でも利用できます。ゲーム研修の導入に関心がある方を主な対象とした入門ガイドです。企業内研修はもとより、学校教育への導入にも参考にできる内容です。

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「入門 企業内ゲーム研修」

目次(節は抜粋)
第一章:最も質問が多いゲーム研修の効果測定
・まずは用語をきちんとつかむことからはじめよう!
・研修における「効果」の捉え方は各人各様
第二章:効果測定の考え方
・ゲーム研修に特別な効果測定手法は必要?
・自ら体験したことは講義と比べて定着しやすいのか?
・「気づき」は実は測定できる
第三章:ゲームの強み
・経験学習ができるという強み
・ゲーム研修の比較対象は講義ではなくOJT
・具体的な状況で転移させる力を向上させる
・講義だけでは1週間後に20%しか思い出せない
第四章:振り返りを促すファシリテーション
・振り返りをして効果を高める
・大人だって「どう考えるか」は習ってないし、わかっていない
・楽しさは研修の目的ではない
・ファシリテーターがいないと学べない?
第五章:研修企画を通す教育学:導入のための説得ツール
・3つの知識の種類~何を学ぶかをまず理解しよう~
・「門前の小僧」はどうやって学んでいるか?
・教育学の言葉が分かれば研修企画の武器になる!?
第六章:「ゲームと学び」についての3つの誤解
・ゲームの学習効果は学術的に実証されている
・ゲームの要素を使うと研修がこう変わる
・ゲームは長所ばかりではない?
第七章:ビジネスゲームってどんなものなの?
・ゲームと学びの変遷と用語の整理
・ゲーミフィケーションはゲームではない!?
・ゲームとシミュレーションってどう違う?

■編著者紹介
Ludix Labは、教育の活動をしているNPO法人「Educe Technologies」のゲームと学習に関する研究ユニットとして2013年に設立。本書はLudix Lab代表と4名のフェローで編集した。
・池尻良平:東京大学情報学環特任助教、Ludix Labフェロー
専門は「学習の転移」。特に、歴史を現代の社会的な問題に応用させることを研究。高校生に歴史の有用性を実感してもらうゲーム教材を使った歴史の授業もし ている。また、企業研修向けのゲーム研修の教材も共同開発している。共著に「歴史を射つ: 言語論的転回・文化史・パブリックヒストリー・ナショナルヒストリー」(御茶の水書房)
・高橋興史:カレイドソリューションズ株式会社代表取締役、Ludix Labフェロー
起業家。アナログゲームの知見や研修企画のノウハウを応用し、国内唯一の企業研修向けにゲームを使った研修内製化教材を提供する会社を創業。多くのビジネスマンが同社のゲームで経営や財務会計、コミュニケーションを学んでいる。
・為田裕行:フューチャーインスティテュート株式会社取締役、Ludix Labフェロー
ICT利用教育のコンサルティングや導入支援を行う。小中高校生向けに、ボードゲームを使って考える力を養う教育活動や、企業研修でのゲーム研修も行っている。
・藤本徹:東京大学 大学総合教育研究センター特任講師、Ludix Lab代表
教育にテクノロジーを活用する「教育工学」分野の研究者。特にゲームを利用した教育の研究をしており、日本でシリアスゲームの普及を進めてきた。著書に「シリアスゲーム」(東京電機大学出版局)、訳書に「幸せな未来は「ゲーム」が創る」(早川書房)など。
・福山佑樹:東京大学教養学部特任助教、Ludix Labフェロー
専門は「教育工学」。特に現代社会の問題を経験学習するためのゲーム教材の開発と実践を行っている。これまで扱ったテーマには、環境問題・組織市民行動・キャリア教育などがあり、一部の開発物は企業研修でも使用されている。共著に「職場学習の探求」(生産性出版)

最近出版されたシリアスゲーム関連書の紹介

以前から継続的に海外のシリアスゲーム関連書籍を紹介してきましたが、ここ1~2年も学術書が数多く出版されています。

以前は米国での研究が多かったですが、近年は欧州諸国の研究者によるものが増えており、英語の文献は把握しきれないほどに増えました。いずれも高額なので、個人用というよりは研究機関や法人利用向けといえますが、国内でこの手の情報を紹介するメディアはありませんので、たまにご紹介したいと思います。

IGI Globalという出版社がここ何年かシリアスゲームやゲームの教育利用に関する学術書を各分野別テーマ別に出していますので、今回は同社から最近出版された学術書をご紹介します(便宜上アマゾンのアフィリエイトのリンク使いますが、出版社のサイトでは章ごとにも購入できますのでご参照ください)。


Student Usability in Educational Software and Games: Improving Experiences

目次(出版社ページ)

学校教育向けのゲームの教育利用について、これまでの学習研究の立場から研究された論文がまとめられています。デジタル教材のユーザビリティやプレイアビリティなどのテーマに関心のある研究者、開発者に参考になりそうな論文が収録されています。


Serious Games for Healthcare: Applications and Implications

目次(出版社ページ)

医療福祉分野のシリアスゲームに関する研究動向を解説した書籍です。医療分野の訓練用仮想世界、リハビリ、セラピー、食育などの各テーマでのゲーム利用に関する調査や開発事例などがまとめられています。


Handbook of Research on Serious Games as Educational, Business and Research Tools

目次(出版社ページ)

シリアスゲームの各分野における研究動向や開発事例をまとめた論文集です。63章にわたって教育、ビジネス、医療、軍事、防災、社会貢献その他の分野での各国の取り組みについて解説しています。


Interdisciplinary Advancements in Gaming, Simulations and Virtual Environments: Emerging Trends (Premier Reference Source)

目次(出版社ページ)

シリアスゲーム開発への最新技術の応用についての最新動向を解説した書籍です。すでに各分野で多様な用途で利用されるゲーム・シミュレーション技術やそれらを用いた開発におけるデザイン方法論の調査の役に立ちそうな書籍です。

   
 

ジェイン・マクゴニガル「幸せな未来は「ゲーム」が創る」出版のお知らせ

先週、ジェイン・マクゴニガル著「幸せな未来は「ゲーム」が創る」が早川書房より発売されました。
本書は今年1月に米国で出版されて話題になっているJane McGonigal 「Reality is Broken」の日本語版です。シリアスゲームジャパン代表の藤本徹が共訳者として翻訳を担当しました。

著者のジェイン・マクゴニガルは、以前当サイトでもご紹介しましたが(ゲーミフィケーションに関するリソース集)GDCの講演やTED Talkで話題になった気鋭のゲームデザイナーです。今年のGDCのシリアスゲームサミットで行われた彼女の講演(GDCのサイトで無料公開中)は大入りの人気セッションでした。

本書は海外でゲーミフィケーションの基本文献としてよく紹介されています。最近のゲーミフィケーションの話は、マーケティングテクニック寄りの話題が中心になっていますが、本書は従来からのゲーム文化や最近のソーシャルゲーム、ARGなどの興味深い事例を豊富に取り上げつつ、ゲームデザインの社会的応用の可能性について議論していますので、合わせてお読みいただくことでゲーミフィケーションの可能性や、これまでシリアスゲームの文脈で取り組まれてきた考え方をバランスよく理解できる内容になっています。

以下、本書への推薦の声と紹介文です。

脳と魂を揺さぶる本書は、あなたの「ゲーム」観のみならず、価値観をも一変させる!
――ダニエル・ピンク(『モチベーション3.0』著者)

マクゴニガル以外に、世界をよりよくするようなゲームを開発できるデザイナーは存在しない。
本書は世界を変えたいと思うすべての人々の必読書だ!
――ジミー・ウェールズ(Wikipedia創設者)

ユニークなアイデアを思いつくだけでなく、それを実際に世界に影響を与える形で利用できる人物はほとんどいない。
マクゴニガルはその貴重な一人である。本書が説くように、
生活やビジネスや教育の場でゲームを活用できれば、
世界は想像超えた変化を遂げるはずだ。
――トニー・シェー(ザッポスCEO)

近年、世界のオンラインゲーマーのコミュニティは数億人に達し、莫大な時間と労力がヴァーチャルな世界で費やされている。これは現実に不満を持つ人々によ
る「大脱出」にほかならない。 なぜ人々は「ゲーム」に惹かれるのか?
それは現実があまりに不完全なせいだ。現実においては、ルールやゴールがわかりづらく、成功への希望は膨らまず、人々のやる気はますますそがれていく。
そんな現実を修復すべく、ゲームデザイナーの著者は、「ゲーム」のポジティブな利用と最先端ゲームデザイン技術の現実への応用を説く。コミュニケーショ
ン、教育、政治、環境破壊、資源枯渇などの諸問題は、「ゲーム」の手法で解決できるのだ。
世界最高のイノベーターと評されるゲーム界のカリスマによる刺激的社会改革論。

現時点でアマゾンは在庫切れのようですが、楽天ブックスなど他社オンライン書店には在庫があるようですのでそちらもご利用ください。

 

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価格:2,940円(税込、送料別)

最近海外で刊行されたシリアスゲーム関連書2010(2)

 少し前に書きかけてすっかり忘れていましたが、海外で刊行されたシリアスゲーム、ゲームと教育・学習に関する学術書や開発ガイド紹介の2回目です。

The
Complete Guide to Simulations and Serious Games: How the Most Valuable
Content Will be Created in the Age Beyond Gutenberg to Google

Learning
Online with Games, Simulations, and Virtual Worlds: Strategies for
Online Instruction

まず、リーダーシップトレーニングシミュレーション「Virtual Leader」のデザイナーで、「Simulations and the Future of Learning
」と「Learning by Doing
の著者として知られるクラーク・アルドリッチによるシリアスゲーム開発ガイドと解説書です。「The Complete Guide・・」の方は、500ページを超えるボリュームで、さまざまなデザインフレームワークや開発アプローチの解説を行っています。

End-to-End
Game Development: Creating Independent Serious Games and Simulations
from Start to Finish

こちらは「Story and Simulations for Serious Games」の著者による2冊目のシリアスゲーム開発ガイド本です。個人開発者向けのシリアスゲーム開発入門書といった内容です。

—以下、出版社サイトより転載—

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最近海外で刊行されたシリアスゲーム関連書2009-2010(1)

 海外では次々にシリアスゲーム、ゲームと教育・学習に関する学術書や開発ガイドが刊行されています。ここ2年ほどの間にまだご紹介していない文献がたまってきましたので、3回に分けてご紹介します。

まずはじめに、IGI Globalから刊行された3冊の論文集です。

Interdisciplinary Models and Tools for Serious Games: Emerging Concepts and Future Directions

Serious Game Design and Development: Technologies for Training and Learning

Gaming
and Cognition: Theories and Practice from the Learning Sciences

同社では立て続けにシリアスゲーム関連の論文集を出版しています(まだこの後も何冊か準備中のようです)。論文の質はさまざまなようですが、これだけのボリュームでこの分野の論文が出てくるというところに研究者の層の厚さの違いが出ているようです。一つの国からではなくて、英語圏各国での研究を集められるところで厚みが出せる面もありますね。

それぞれのトピックの関連研究レビューを行っているので、この分野の研究を行う方には、手元に置いてあると便利な感じです。ボリュームが多いので中身の紹介は割愛させていただいて、以下の目次をご覧ください。

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デジタルネイティブについてよく知るための1冊

 NHKスペシャルで「デジタルネイティブ」の特集が放送されたのをきっかけに、ネット上でもデジタルネイティブが話題にのぼっている様子が目立つようになりました。
 デジタルネイティブについて日本語で解説した本はそれほど出ていないようなので、やや手前味噌で恐縮ですが、拙訳の「テレビゲーム教育論―ママ!ジャマしないでよ勉強してるんだから」では、デジタルネイティブについて丁寧に解説してますので、あらためてご紹介します。
 本書では、デジタルネイティブの子どもたちの生態、考え方、その能力を伸ばすための付き合い方などを詳しく解説しています。
(「テレビゲーム教育論」目次より)
第2部 「デジタルネイティブ」の出現
 第4章 子どもたちは私たちとは違う―彼らはネイティブで私たちは移民だ
 第5章 ほんとに子どもたちの思考の仕方は違うのか?
 第6章 オンライン世界で生活するデジタルネイティブたち
 下記のような楽しいエピソードも豊富に紹介しながら、学術的な知見や教育におけるデジタルゲームの活かし方、付き合い方を論じています。

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デジタルゲームの教育利用研究のハンドブック刊行

 デジタルゲームの教育利用研究に関する論文集、「Handbook of Research on Effective Electronic Gaming in Education」がInformation Science Referenceより刊行されました。
 同書は3分冊のボリュームで、世界15カ国の145名の研究者によって執筆されたゲームの教育利用に関する76本の論文が収録されています。各教育・研究分野における、さまざまなタイプのデジタルゲームの教育利用について、全部で3000本以上の関連論文が引用されて書かれた論文や参考文献ガイドが掲載されており、このテーマの研究を幅広くカバーした論文集です。
 下記の目次のように、この分野の著名な研究者の多くが寄稿しており、米国の研究だけでなく、ヨーロッパやオーストラリア、中東などで行われている研究についてもカバーされています。この手の論文集としては、MMO関連の論文の割合が多めになっている点が、最近のデジタルゲームの教育利用研究のトレンドを反映していると言えると思います。
 図書館や研究機関向けの商品のためか価格が高額で、個人利用には適さない感じですが、この分野に関心のある企業、研究機関などで購入可能な方にとっては、備えておくと参考資料としてとても重宝すると思います。

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最近のシリアスゲーム関連書紹介(3)

 引き続きシリアスゲーム関連書紹介、最終回の今回は、よりシリアスゲーム開発者向けの本2冊と、一番最近に出た学術書1冊をご紹介します。
 「Persuasive Games: The Expressive Power of Videogames」、「Story and Simulations for Serious Games: Tales from the Trenches」、「Serious Educational Games: From Theory to Practice」、の3冊です。

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最近のシリアスゲーム関連書紹介(2)

 シリアスゲーム関連書紹介、前回に引き続き、今回も学術系です。
 この2年でゲームの教育利用に関するハンドブックが続けて3冊出版されました。今回はそれらの3冊、「Games And Simulations in Online Learning: Research And Development Frameworks」、「The Design and Use of Simulation Computer Games in Education」、「Computer Games and Team and Individual Learning、をご紹介します。

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