ゲーミフィケーションに関するリソース集

 ここ最近、マーケティングやWebサービス分野を中心に、ゲーミフィケーション(Gamification)というバズワードが米国で広がっており、毎日のようにブログ等で言及されて普及が進んでいます。ゲーミフィケーションは直訳すれば「ゲーム化」、ゲームデザインの発想を取り入れて、ユーザーの参加度を高める活動全般を指しています。

 欧米のシリアスゲームのコミュニティでも話題にあがっているのをよく見かけるようになり、次回のシリアスゲームサミットでもゲーミフィケーションをテーマにセッションを組む準備を進めているようです。シリアスゲームはデジタルゲームのメディアの枠内で議論されていましたが、このゲーミフィケーションはゲームデザインの他のメディアの開発やサービス活動への応用であり、ゲーム概念の拡張とも捉えられます。

 ゲーミフィケーションのデザイン手法として紹介されているテクニックは、個別には「ポイント制」や「ランクアップ」、「個人アバター」などすでによく用いられているものが目立ちますが、「達成感の演出」や「進捗状況の可視化」、「チャレンジの連鎖」、「他者との競争・連携」など、さらにゲームデザインの枠組みで捉え直すことで、より効果の高いサービス開発を目指すところに焦点があるようです。個別のメカニクスやデザインテクニックの解説は Gamification.orgのWiki に掲載されています。

 日本語で読める記事は今のところわずかですが、少しずつ出てきています。4Gamerの奥谷海人さんの記事で丁寧に解説されていますし、他にも以下のような記事で紹介されています。

奥谷海人のAccess Accepted / 第284回:ゲームが社会の一部として活用される時代(4Gamer)
http://www.4gamer.net/games/036/G003691/20101122020/

Gamification:なぜいまゲーム化なのか(Social Media Experience)
http://socialmediaexperience.jp/1596

オンラインゲームが”単なる”ゲームでなくなるとき(Venture Now)
http://www.venturenow.jp/column/ogawa/20101206009039.html

 ゲーミフィケーションについてさらに理解するためにまず手始めにあたってみる資料としては、以下の講演動画をご覧になるのがよいでしょう。まず、TEDでのジェーン・マゴニガル、DICE2010でのカーネギーメロン大学のJesse Schell、Google Tech Talkでの「Game-Based Marketing」の著者、Gabe Zichermannの講演は、それぞれゲーミフィケーションの考え方を分かりやすく解説しています。この他にも前述の Gamification.orgのWiki で紹介されています。

ジェーン・マゴニガル 「ゲームで築くより良い世界」(日本語字幕付き)

Jesse Schell @ DICE2010 (Part 1~3)

Gabe Zichermann
Fun is the Future: Mastering Gamification

書籍も関連書はこれから何冊か出てくる様子なので、とりあえず上記の著者による3冊をご紹介しておきます。

Reality Is Broken: Why Games Make Us Better and How They Can Change the World

The Art of Game Design: A book of lenses

Game-Based Marketing: Inspire Customer Loyalty Through Rewards, Challenges, and Contests

ゲーミフィケーションに関するリソース集” に1件のフィードバックがあります

  1. Web担当者Forum

    ゲーミフィケーション(ゲーム化)は今後のWebコミュニケーションに重要かも

    今日は、「ゲーミフィケーション」という言葉・概念を紹介します。私もまだよく理解しきっていないのですが、今後のWebサイトやWebサービスではかなり重要度が…

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