2010年12月アーカイブ

 少し前に書きかけてすっかり忘れていましたが、海外で刊行されたシリアスゲーム、ゲームと教育・学習に関する学術書や開発ガイド紹介の2回目です。

The Complete Guide to Simulations and Serious Games: How the Most Valuable Content Will be Created in the Age Beyond Gutenberg to Google

Learning Online with Games, Simulations, and Virtual Worlds: Strategies for Online Instruction

まず、リーダーシップトレーニングシミュレーション「Virtual Leader」のデザイナーで、「Simulations and the Future of Learning 」と「Learning by Doing」 の著者として知られるクラーク・アルドリッチによるシリアスゲーム開発ガイドと解説書です。「The Complete Guide・・」の方は、500ページを超えるボリュームで、さまざまなデザインフレームワークや開発アプローチの解説を行っています。

End-to-End Game Development: Creating Independent Serious Games and Simulations from Start to Finish

こちらは「Story and Simulations for Serious Games」の著者による2冊目のシリアスゲーム開発ガイド本です。個人開発者向けのシリアスゲーム開発入門書といった内容です。





---以下、出版社サイトより転載---

 ここ最近、マーケティングやWebサービス分野を中心に、ゲーミフィケーション(Gamification)というバズワードが米国で広がっており、毎日のようにブログ等で言及されて普及が進んでいます。ゲーミフィケーションは直訳すれば「ゲーム化」、ゲームデザインの発想を取り入れて、ユーザーの参加度を高める活動全般を指しています。

 欧米のシリアスゲームのコミュニティでも話題にあがっているのをよく見かけるようになり、次回のシリアスゲームサミットでもゲーミフィケーションをテーマにセッションを組む準備を進めているようです。シリアスゲームはデジタルゲームのメディアの枠内で議論されていましたが、このゲーミフィケーションはゲームデザインの他のメディアの開発やサービス活動への応用であり、ゲーム概念の拡張とも捉えられます。

 ゲーミフィケーションのデザイン手法として紹介されているテクニックは、個別には「ポイント制」や「ランクアップ」、「個人アバター」などすでによく用いられているものが目立ちますが、「達成感の演出」や「進捗状況の可視化」、「チャレンジの連鎖」、「他者との競争・連携」など、さらにゲームデザインの枠組みで捉え直すことで、より効果の高いサービス開発を目指すところに焦点があるようです。個別のメカニクスやデザインテクニックの解説は Gamification.orgのWiki に掲載されています。

 日本語で読める記事は今のところわずかですが、少しずつ出てきています。4Gamerの奥谷海人さんの記事で丁寧に解説されていますし、他にも以下のような記事で紹介されています。

奥谷海人のAccess Accepted / 第284回:ゲームが社会の一部として活用される時代(4Gamer)
http://www.4gamer.net/games/036/G003691/20101122020/

Gamification:なぜいまゲーム化なのか(Social Media Experience)
http://socialmediaexperience.jp/1596

オンラインゲームが"単なる"ゲームでなくなるとき(Venture Now)
http://www.venturenow.jp/column/ogawa/20101206009039.html

 ゲーミフィケーションについてさらに理解するためにまず手始めにあたってみる資料としては、以下の講演動画をご覧になるのがよいでしょう。まず、TEDでのジェーン・マゴニガル、DICE2010でのカーネギーメロン大学のJesse Schell、Google Tech Talkでの「Game-Based Marketing」の著者、Gabe Zichermannの講演は、それぞれゲーミフィケーションの考え方を分かりやすく解説しています。この他にも前述の Gamification.orgのWiki で紹介されています。

ジェーン・マゴニガル 「ゲームで築くより良い世界」(日本語字幕付き)



Jesse Schell @ DICE2010 (Part 1~3)


Gabe Zichermann Fun is the Future: Mastering Gamification

書籍も関連書はこれから何冊か出てくる様子なので、とりあえず上記の著者による3冊をご紹介しておきます。

Reality Is Broken: Why Games Make Us Better and How They Can Change the World

The Art of Game Design: A book of lenses

Game-Based Marketing: Inspire Customer Loyalty Through Rewards, Challenges, and Contests




今年も残りわずかとなりましたが、年内に2つのシリアスゲーム関連イベントが開催されますのでご紹介します。

まず一つ目は、12月16日に福岡市・九州大学芸術工学研究院の主催で「シリアスゲームセミナー」が開催されます。代表藤本が最近の海外のシリアスゲームの動向について講演し、九州大学のシリアスゲームプロジェクトの取り組みの紹介、シリアスゲームのビジネスモデルについてのラウンドテーブルが行われます。すでに満席のようですが、また後日、セミナーの模様などご紹介します。


二つ目は、12月19日、20日に芝浦工業大学芝浦キャンパスで開催される、日本デジタルゲーム学会の年次大会です。以下のようなシリアスゲーム関連の研究発表が行われます。

シリアスゲームを題材としたゲーム開発者教育の取り組み (藤本徹)
学校教育におけるテレビゲームの活用に関する実践的研究(塩田真吾)
環境問題をテーマとしたシリアスゲームの効果測定(財津康輔)

この他にも、立命館大学のサイトウアキヒロ教授のカーナビ開発へのゲームニクスの応用に関する発表など、シリアスゲーム研究に関連した発表が行われます。学会員以外の一般参加も大歓迎です。また、大会に合わせて発刊される学会誌「デジタルゲーム学研究」最新号は「シリアスゲーム研究」特集号ですし、今後も当学会ではシリアスゲーム研究を盛り上げていきますので、ぜひこの機に入会もご検討ください。

開催概要詳細、参加申込は下記学会サイトをご参照ください:
http://www.digrajapan.org/modules/tinyd3/

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