月別アーカイブ: 2009年6月

「シリアスゲーム論」グループプロジェクト中間報告

 東京工芸大学のゲームコースで開講している「シリアスゲーム論」では、先週グループプロジェクトの中間報告を行いました。
 グループプロジェクトでは、40数名の受講生たちが8つのグループに分かれて、シリアスゲームの企画を立て、期末の最終報告に向けて企画の詳細を詰めていきます。学生たちは1か月前にプロジェクトを開始して、自らテーマを設定し、ミニワークショップやゲストセッションなどの授業での活動を通してシリアスゲームの様々な側面を学びながら、これまで作業を進めてきました。今回の授業はプロジェクトの中間報告の回でした。テーマ設定がバラエティに富んでおり、それぞれに見どころのある内容のプロジェクトが出そろいました。学生たちは、次のようなゲームの企画にチャレンジしています。
・動物愛護をテーマとした育成シミュレーションゲーム
・ゴミ分別をテーマとしたパズルゲーム
・就農をテーマとしたシミュレーションゲーム
・おせち料理の知識普及をテーマとしたアクション&クイズゲーム
・就業体験をテーマとしたアクションゲーム
・就職活動支援をテーマとしたクイズゲーム
・排気ガス削減をテーマとしたドライブゲーム
・色彩の知識普及をテーマとした色彩コーディネートゲーム
7月23日に実施する最終報告までこれから企画を詰めていき、これならそのまま商品化も!?と夢の広がる企画がいくつ出てくるかとても楽しみなところです。

シリアスゲーム論ゲスト講演(第3回)開催

ご報告がすっかり遅くなってしまいましたが、東京工芸大学「シリアスゲーム論」のゲスト講演シリーズ最終回を先週18日に開催しました。「エンターテインメントとシリアスの境界」をテーマに、先日「ゲームの教科書」を上梓された馬場保仁氏(セガ)と山本貴光氏(ゲーム作家)をお迎えしたセッションを行いました。
馬場氏からは、先月発売された「プロ野球チームをつくろう!2」のプロデューサーとして活動してきた経験やゲーム業界の現状を踏まえながら、ゲームクリエイターを目指す学生たちに向けて熱く語られました。これからのゲーム開発は、今まで以上にゲームをいかに売るか、そのゲームで遊んでもらいたいユーザーに届けるか、という売り方の部分まで考える必要があるという、プロデュース発想を持つことの重要性の話を中心に、開発現場の話などを交えてビジネスモデルをどう組んでいくか、何を仕掛けていくのか、などの話題でお話しいただきました。PCのトラブルのため、用意してきていただいた資料が使えないというハプニングも平然とアドリブで乗り切る様子に、学生たちはさすがプロのプロデューサーと感銘を受けていた様子でした。
山本氏からは、まず「カオスモス(カオス+コスモス)」をキーワードとして挙げ、混沌と秩序の関係性を考えていくことがゲームクリエイターとしてのものの見方に活きてくるという話がありました。そして企画時に集めた情報は開発過程でそぎ落とされていくという話、コーエーで開発に携わった英語学習ゲーム「EMIT」や日本史学習ゲーム「ゲーム日本史」の事例を挙げて、シリアスゲームの学びと楽しさのバランスのとり方と用途のずれの問題の難しさについての話、そしてコーエーの異色作「That’s QT」の企画のコンセプトとその開発の進め方についてお話しいただきました。
質疑応答で、お二人の視点からのシリアスゲームについてどう見ているかについて伺ったところ、山本氏はコーエーでEMITを開発したころに比べると環境は良くなっているとコメントし、馬場氏は大手がビジネスをイメージできないところが課題であることを指摘しました。この他にも、今回も多くの示唆に富んだアドバイスをいただいて、学生たちにはだいぶ心に響いた様子でした。
ゲストセッションは今回で完結し、これから残りの約1カ月間、学生たちはグループプロジェクトでシリアスゲームの企画を作っていき、最終回の授業で開催する報告会に向けて活動していきます。

7/21(火) 日経シンポジウム『ゲームが開く学びの世界』開催

7/21(火)に日経新聞社のシンポジウム『ゲームが開く学びの世界』が開催されます。

  • 日時: 2009年7月21日(火) 13:30~16:15(開場13:00)
  • 場所: 経団連ホール(東京都千代田区大手町 1-3-2 新経団連ビル2階)
  • 内容:
    ・基調講演 13:35~14:35
      「ゲームと教育の融合! ゲームの新しい可能性を探る」
      杉並区立和田中学校・前校長 藤原和博氏

    ・パネル討論 14:45~16:15
      「教育現場が変わる!新しいゲームの活用法!」
      【パネリスト 4名】
      杉並区立和田中学校・前校長 藤原和博氏
      公認会計士 田中靖浩氏
      東京大学 大学院教授 馬場章氏
      ゲームジャーナリスト 新清士氏

      【コーディネーター】
      日本経済新聞社取締役東京本社編集局長 小孫茂氏

  • 詳細・申し込み: http://www.nikkei-senior.jp/gamesympo/

シリアスゲーム論ゲスト講演(第2回)開催

先日もご紹介しました東京工芸大学「シリアスゲーム論」のゲスト講演シリーズ、11日の授業では 「シリアスゲームビジネスの実際」と題して、SGラボ代表取締役社長の前田徹哉氏にお越しいただき、SGラボのシリアスゲーム事業の取り組みについてお話いただきました。
同社のシリアスゲームの考え方とビジョン、マーケティング戦略と、これまでの実績をご紹介いただきました。後半の質疑応答では学生たちの質問に応えて、シリアスゲームの企画提案のプロセスなど事業活動の様子や、シリアスゲームに事業として取り組む大変さ、楽しさについても語っていただきました。ゲーム化する強みやゲームとして企画提案する上で企画者が行うべきこと、シリアスゲームの将来性など、受講した学生たちにとってシリアスゲームを考える上で大切な知見にあふれるセッションとなりました。
今週18日はシリーズ最終回「エンターテインメントとシリアスの境界」をテーマに、先日「ゲームの教科書」を上梓された馬場保仁氏(セガ)と山本貴光氏(ゲーム作家)をお迎えしたセッションを行います。

シリアスゲームフォーラム開催のご案内(6月24日)

6月24日に第3回のシリアスゲームフォーラムを開催いたします。
今回は「シリアスゲーム導入の実践と課題」をテーマに、ビジネスシミュレーション教材を利用した研修プログラムを提供されているアントルビーンズ代表取締役社長の彌島康朗氏をスピーカーにお迎えして、シリアスゲーム導入に関する話題をご提供いただき、参加者の皆さんとディスカッションを行います。詳しくは下記開催概要をご参照ください。
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第3回 シリアスゲームフォーラム
テーマ:「シリアスゲーム導入の実践と課題」
趣旨:
 ビジネスシミュレーションソフトを教材としてディスカッションを進める研修プログラムの実践事例を報告します。企業内研修や大学講座での受講生の反応などを、アンケート結果から推測される意識の変化、感想などとあわせて報告します。
 プログラムはグループディスカッションとシミュレーションを組み合わせることで「習得した知識の活用スキル向上」と「ロジカル思考の醸成」を目指します。
 ”情報活用” “合意形成” “意思決定” をキーワードに取り組んでいますが、課題も多いと感じています。 上記を題材に、参加者の皆様のご意見を頂戴し、議論を深めていく場にできれば幸いです。
スピーカー:(株)アントルビーンズ 代表取締役社長 彌島康朗 氏
日時: 2009年6月24日(水)18:30~21:00 (開場 18:00)
場所: スリーロック(株) 4Fセミナールーム(小田急線・千代田線 代々木上原駅前) 
定員: 15名(先着順  定員に達し次第締め切ります)
会費: 2000円(学生:1000円) ※当日会場にてお支払いください
主催: スリーロック株式会社 
協力: シリアスゲームジャパン
アクセス方法等詳細(PDFファイル):
http://www.3rockconsulting.com/annai/annai/2009/3seriousgame.pdf

参加お申し込みは下記のフォームよりお願いいたします:
https://fs222.formasp.jp/c637/form2/


シリアスゲーム論ゲスト講演(第1回)開催しました

東京工芸大学で開講している「シリアスゲーム論」では、先週から下記のような3回連続のゲスト講演シリーズを実施しています。
東京工芸大学芸術学部アニメーション学科ゲームコース
「シリアスゲーム論」(木曜5限)ゲスト講演シリーズ
(6/4) 「シリアスゲーム企画の実際」
ゲスト: 柴田賀盆氏(ゲーム作家)
(6/11) 「シリアスゲームビジネスの実際」
ゲスト: 前田徹哉氏(SGラボ 代表取締役社長)
(6/18) 「エンターテインメントとシリアスの境界」
ゲスト: 馬場保仁氏(セガ、「野球つく」シリーズのプロデューサー)、 山本貴光氏(ゲーム作家、文筆家)
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第1回目は、ゲーム作家の柴田賀盆氏をお招きしてのセッションでした。ゲームの進化の歴史とともに育ってきた柴田さんのゲームクリエイターとしてのキャリアを歩むきっかけから、その後の変遷、高校生向けの金融教育ゲーム「私の夢&銀行」のプランナーとして経験されたシリアスゲームの企画の仕事の実際について語っていただきました。プロジェクトの体制から予算等の具体的な計画の内容、プロトタイプ開発から完成までの変遷までの解説、最後にゲームクリエイターを目指す学生たちへアドバイスを送っていただきました。
学生たちにとっては、シリアスゲームの企画の実際についてはもとより、柴田さんに自身のクリエイターとしてのキャリアの歩みに絡めてシリアスゲームについて語っていただいたことで、自身がクリエイターとしてシリアスゲームをどう捉えるかを考えるよい機会になったようでした。
第2回は今週11日、SGラボ代表取締役社長の前田徹哉氏をお招きして、同社で取り組んでいるシリアスゲームビジネスについてお話いただきます。またその授業の模様は後日ご紹介します。

The 100 Greatest Games

イギリスの映画雑誌Empireが、同誌の読者による投票で選んだ『The 100 Greatest Games』ランキングを発表しています。

トップ10にあげられたゲームは以下の通りです。

1位 「スーパーマリオワールド」
2位 「ファイナルファンタジー7」
3位 「ワールド・オブ・ワークラフト」
4位 「コール・オブ・デューティ4」
5位 「シドマイヤーズ・シビリゼーション」
6位 「ストリートファイター2」
7位 「ドゥーム」
8位 「ゼルダの伝説/時のオカリナ」
9位 「スーパーマリオ64」
10位 「ゴールデンアイ007」

皆さんの感覚と比べてどうでしょうか?